小田原に着いた。
目の前には大量の蕎麦粉がある。
今日は弥助に蕎麦打ちを教える為にとにかく、蕎麦を打つ!!
蕎麦打ちをする前にまずはかけ蕎麦用のかけ汁とざる蕎麦用のつけ汁を作る。
弥助をはじめ、台所を預かる者たちが真剣な表情で作り方を覚えていく。
注意点などを言いながら作っていると、疑問点などを質問してくる。
作っている最中でも疑問点が有ればどんどん質問するようにと事前に伝えていた為、最初は遠慮があったが、しばらくすると夢中で質問して来た。
蕎麦つゆ2種が完成したので次は蕎麦打ちの指導を始める。
私と柳生 家厳が講師となり弥助とあと2人に教える事になった。
私はやはり、注意点などを言いながら一緒に作っていくが家厳は蕎麦打ちに没頭してしまい、先にどんどん進んで打ち終わり、蕎麦を切っている。
弥助と2人はやはり料理をしているだけあって飲み込みが早いので数回打てば普通に美味しい蕎麦が打てるようになるだろう。
そんな訳で3人は私が見守る中、何回か練習をする。
最初に3人が作った蕎麦は台所衆の夕飯になる事になった。
私と家厳が打った蕎麦と最後に3人が打った蕎麦は北条 氏綱殿、北条 長綱殿や北条家の家臣たちの夕飯として出す事になった。
3人は私から合格点をもらって喜んでいた。
私と私の家臣たちは3人が打った、氏綱殿たちに出せない物を頂く事にした。
せっかくなので山菜など、野菜を天ぷらにしてみた。
弥助はそれを見て精進料理の精進揚げですね、と言って来たので蕎麦切りに合うんですよ、と答えておいた。
氏綱殿、葛山 氏広殿、長綱殿も蕎麦と天ぷらを楽しみ、家臣の松田 盛秀殿、大道寺 盛昌殿、石巻 家貞殿も喜んで食べていた。
皆、気に入ってくれて良かった。
氏綱殿から、なぜこの様な料理を考案したのか問われたので飢饉対策として蕎麦を多く栽培しているので、蕎麦を皆に美味しく食べて欲しいからと答えると、北条家でも蕎麦の栽培量を増やす事にすると言い出した。
そして明日に、小田原城へ向かう事になった。
道中、私たちは氏綱殿たちの後ろから付いて行く事に。
世鬼 政棟は裏で風魔 小太郎と接触したと言っていた。
どうやら世鬼忍軍が私を守る為にチョロチョロしているのが目障りだったらしく、ちゃんと皆を守るから世鬼忍軍は私の周りだけにしてくれと言われたらしい。
小田原城に無事に付き手配してくれた小田原城近くの空いていた屋敷を借りて滞在する事に。
氏広殿はそのまま氏綱殿たちと小田原城へと向かい、明日使者を送るので、使者が来るまで自由にしてて良いとの事だったので早速、町の探索に出かけた。
馬廻りの富士 信忠、朝比奈 元智、工藤 元昌と小姓の瀬名 勘十郎、荻 君誉と加賀爪 泰定は屋敷に残って宿泊準備をしてもらう。
北条家の屋敷で働く者が何人か派遣されているが、信忠を中心に動いてもらう。
まず、向かう所は友野 次郎右兵衛の支店に向かった。
しっかり政棟の配下が私が向かう事を伝えて今から向かう事を伝えていた為、次郎右兵衛が支店の前で待ち構えていた。
次郎右兵衛本人がいる事にびっくりしたが、取り引きの関係で船で先に着いていたとの事だ。
明日は蕎麦に加えて天ぷらも揚がるので海鮮、野菜の手配を頼んだ。
次郎右兵衛も何回も天ぷらを食べているので何を天ぷらにしたら美味いかわかっている為、説明しなくて良いので楽だ。
次郎右兵衛が用意してくれていた、氏綱殿への土産もちゃんと確認した。
手押しポンプもあり、設置する為の職人もおり、直ぐにでも設置出来るとの事だ。
また、私が来るとわかったので小田原の有力商人たちに使いを出したお陰で何人かの有力商人との会談も出来た。
商人たちも今川一族であり、田子の浦湊を領地に持つ私と繋がりを持ててホクホク顔だ。
松永 久秀と大林 勘助はその後、小田原商人たちと話し込んでいた。
松山 重治はちょっとぶらぶらしてくるよ〜とどこかへ消えていったし、太原 崇孚は長綱殿から紹介状を書いてもらって小田原城周辺の寺の住職たちと面会して会談をし回っている。
崇孚は箱根権現でも私たちより修行僧たちと一緒にいる事の方が多かったよな…
崇孚は私の師匠であり、軍師であるはずなのに仏門に関わるとのめり込んであるな…
家厳と政棟はいつでも真面目に私の警護をしてくれている……と思ったら家厳がいない!!
政棟に聞いたところ、小田原の特産品で蕎麦に合いそうな者を探しに店の者と出かけたとの事。
政棟も心なしかそわそわしているので政棟に尋ねると小太郎の所に行くとの事。
配下の者を残していくし、馬廻りの者、小姓たちもいるので安全ですと言って酒樽を担いで消えて行った。
気付いたら久秀と勘助も小田原商人と消えていた…
唖然としながら次郎右兵衛を見ると優しい目で私を見ていた…
そして奥でお茶でも、と私を誘ってくれた。
しばらくすると崇孚と政棟以外の者は帰って来たので皆で宿泊場所の屋敷に帰る。
帰りに4名の怪しい男たちが近づいて来ようとしたが、2名の男たちによって脇道に連れ込まれていた。
2人の男には見覚えがあるな。
政棟の配下の者だ。
しっかりと守ってくれてありがとう。
こうして私は何事も無く宿泊場所の屋敷に着いた。
崇孚は夜遅くに戻って来て、政棟は翌朝に戻って来た。
政棟は小太郎と意気投合して朝まで小太郎と飲み明かしたそうだ。




