表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/53

51:「悪口」の魔法と対価

 今回の項目は「悪口」というものに特化して掘り下げていきたいと考えています。

「悪意」の方が良いだろうかと思ったのですが、より限定的にした方が物語の構築に役立つようにも思えたので、「言葉に」限定したもので書いていきますね。


 物語の構築、その中でもキャラクターの作り方

 ひいては「会話の作り方」に役立つ項目にできていれば嬉しいです!


 この項目は


  13:「キャラ」について③(悪役の作り方)


 上記の項目で書き連ねた内容にも、少し被っているものになるでしょうか。

「悪役の作り方」では、ヘイト管理、好かれるキャラクターと嫌われるキャラクターの分け方という形で書いていきました。


 今回は「悪口がもたらす結果」、そして悪口の裏にある「心情」についてになります!


 前回の更新から日が空いてしまいましたが、ようやく書きたいと思えるものを見つけられました。

 そのきっかけは知人(と言っても家族の知り合い)がSNSで起こした事件というか賠償責任になります。


 その知人は同僚の悪口をSNSに書き連ね、それを理由に訴えられ、賠償金額100万円を請求されたそうです。

(訴えたのは、悪口を書かれた同僚本人だそうで)


 話を聞いていくと、その同僚はまぁ、悪口を言われても仕方ないなと思える言動を取っていたのですが……。


 だからといって悪口を言われていいことにはならず、逆にその知人は同僚から攻撃される隙を作ってしまった、という結果になってしまったのです。


 その話を聞いて考えていたのが、悪口というものの魅力と、そのリスクでした。

 行動すると良くも悪くも結果がついてくる、と考えさせられたのです。


 悪口というものには、ある種の「中毒性」があると考えます。


 それを口にしている時

 対象を馬鹿にして、下に見ている瞬間は、自身が優れていると認識できるからです。


 ただし相対的に優れているように感じる、というだけですが。


 現実にそうであるか(相手が馬鹿であるか)は重要ではありません。

 相手を馬鹿にできる自分は、相手よりも凄い存在だ、と思える。

 優れていると錯覚できる、という強味と中毒性があり、無敵感を覚えると言い換えてもいいのかもしれません。


 それが項目タイトルにある「魔法」の部分に当たります。


 相手がその場に居ない状況での悪口は

 現実に相手を傷つけていないため、少ないリスクで快感に浸れます。


 悪口というものは、一種の武器になるのでしょう。


 言われて嫌だと理解できるからこそ、言うことで相手を傷つけることができます。

 先に口にすることで、盾にすることもできるのでしょうね。

(牽制というか、先に上に立とうとすることで立場の上下を作ろうと迫れる)


 物書きにとって物語を構築する上で必要なものは「文字」であり、

 キャラクター同士が行う「会話」である以上、どこかで悪口についても触れる可能性が出てきます。


 常に優しい言葉だけで構成される物語など滅多になく

 敵がいて、争いがあって、仲間や友達同士でも喧嘩することがあり、展開の山場やオチを作る為には厳しい言葉を口にする必要が出てくるからです。


 威力が強く、中毒性のある悪口をどう使えば効果的になるのか。


 そこで考えを掘り下げていく必要がある内容は

 物語を構成する要素でもとっても大事な部分、そのキャラクターが

「どういう目的で悪口を言っているか」ということだと考えます。


 本心からの悪口か、傷つける目的なのか

 建前や世間体を構築するためか

 相手と距離を置きたいから、あえて口にするのか

 なにか事情があり、やむを得なくか

 本当はそう思ってないのに、嘘をついてしまったのか


 自分は強いと見せたいからか

 ただのストレス発散のためか

 対象と比較して将来を思い、焦り、嫉妬してか

 敵愾心を抱き、立場を守るために攻撃として言葉にするのか

 周囲との同調を強めるため、仲間はずれを避けるためなのか


 こうして様々な目的を考えると

「口にする言葉」と「キャラクターの心情」がマッチしているのかどうかも重要だと思えてきます。


 本心では違うことを思っているのに、その場では悪口を言ってしまった。

 それを掘り下げるだけでも、1つの展開や場面、人間模様を描けるでしょう。


 よくある復讐ものと呼ばれるジャンルでは

 自分よりも強い相手から先に攻撃されて不幸になり、後で攻撃し返すことで復讐する、というものになるでしょうか。


 こういった相手へのヘイト感情を、序盤の展開で見せる必要が出てきますね。

 ムカつくから、やり返したい。これも立派な目的であり理由です。


 物語を構築する際、キャラクターに悪口を言わせる場面が出てきた時――


 そのキャラクターが、どういう目的で悪口という武器を振るって

 その結果をどうするべきなのか、それを考えていくと


「悪口の内容」や「悪意の濃さ」が決まってくるのかもしれません。

 どうすれば効果的に悪口という演出を組み込み、会話を彩れるのかも思いついていくのでしょうね。


 いずれにしても、物語を構築する時に必要なのは


「結果を予測しながら行動を起こす」ということであり

「どうなって欲しいか」を想定しながら発言すること


 そう考えていくべきなのだろうなと思ったのです。


 それらを考えずに、ただ思いついたままに悪口を書き連ねた結果が

 項目の冒頭に書いた事件と賠償責任になります。


 それが悪口が持つ「対価」なのだなと、恐ろしく思ってしまったのです。


 ただの愚痴のように、軽い気持ちで書いてしまった悪口で

 人生を棒にしかねない単位での損害を出してしまう結果に繋がったのです。

(100万円は大金です……)


 悪口は簡単に口にでき、優越感を覚えられ、自分は優れていると錯覚できますが

 そこには間違いなくリスクがあります。


 これも一種の、悪口を言う人を好きになれるか(悪役の作り方)、という現実に即した原因と結果なのかもしれません。


 言葉にした後、どうなって欲しいのか想像する。

 結果や未来を想定して、そうなるよう誘導するように発言する。


 そう考えていくと

 誰が見ているのか分からず

 どこの誰にでも見られる環境であり

 一度、発言すると後から見返せてしまう

(例え消しても、誰かがスクショで残していたりするので)


 うぅ、SNSの悪口はリスクが高くて恐いなぁ……と背筋が震えます。


「悪口」混じりの会話は、物書きにとって避けられない要素であり、どこかで使う画面が出てきてしまうでしょう。

 しかし悪口が持つ魔法のような力に振り回されず、悪口がもたらすリスクを計算しながら発言できるように意識していければ、より物語のクオリティが上がっていくと思われます。


 上手く悪口を演出できれば、復讐もの(追放もの)等のようなジャンルでも

 主人公の目線を通して敵を倒したい、悪口を言ってきた相手を見返したい、と共感を覚えられるかもしれません。


 使いようによって意図と目的、そして結果が変わってくることを忘れずにいきたいですね。

 そしてSNSだからといって気軽に悪口を書くと、どこかの誰かが訴えてくるかもしれないということを頭の片隅にいれて生きていきたい……!


 ということで、今回の項目は「悪口」について、でした!

 意識の変化というか、語調の強い言葉に使い方について、何か役に立っていればとても嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ