一章 2話EX
ちょっと休憩。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ…!」
「おい、何を休んでいる! まだ訓練は終わっていないぞ!」
「はぁ、はい、すいません…!」
「サボれば罰を与えるからな、王直々のご命令だ」
「はい、分かってます…!」
「ならばさっさと戻れ!」
その兵士の言葉を最後に私は立ち上がり魔法の習得、そして修練に励む。
もうどの位こうしているのだろうか。毎日毎日同じことの繰り返しだ。周りを見渡せば私と同じように魔法の修練に励む者、各々の適正武器の修練をする者がいた。そしてそれは全員私のクラスメイトだった。
この世界に召喚されたあの日、私達はこのエルジア王国の王様の奴隷にされた。それは今もなおこの首に付けられた黒い首輪がそれを証明している。付けられて以来、どんなに外そうとしても決して外れることはなく、外そうとしても全身に電撃のような激痛が走るのだ。王様によれば、下手をすれば死んでしまう可能性のある激痛だそうだ。それは外そうとした志摩君の身体が証明していた。あの光景を見たことのあるものはもう首輪を無理に外そうとすることはなかった。
この首輪のせいで私は深山君を探しに行くことが出来ない。
「なに? もう一人の召喚者だと?」
「はい、深山君て言うんですけど、魔法陣から落ちてしまったんです」
「ああ、それならば諦めろ。次元の奈落に落ちて助かったなどと言う話は聞いたこともない。まぁ、古の勇者が召喚された際は、落ちたが別の場所に転移して生きていたらしいが……。それも1000年前の話だ、同じことが起きた可能性は極めて低い」
「そんな……!」
あの時はそんなことを言われたけど、でも可能性があるなら探しに行きたい! どこに居てもなにをしようとも絶対に見つけ出す!
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いつもの訓練が終わり、些末な食事を終えた私達はゾロゾロと全員で一つの大部屋へと入っていく。
この部屋は窓はあるが、それに合わせて目に見えて頑丈な格子がはめられているため脱出は難しい。まぁ、この首輪のせいで脱出できたとしても逃げられないのだが。
ああもう! こんなもののせいで!
「茜、ダメよ」
「! 沙耶、だって」
後ろからそっと肩に触れて来たのは親友の沙耶だった。
「そうだぜ、それ引っ張るといてぇし」
「志摩君、身体大丈夫なの?」
「ああ、まぁなんとかね」
そういって肩をほぐすように回しているのは深山君の親友の志摩君だ。
「また深山君のこと考えてたの?」
「うん…」
「そう……」
「大丈夫だよ、アイツはきっと生きてるさ!」
「うん、分かってる……。でもやっぱり心配になっちゃうの」
「梵さん……」
ああいけない、私のせいでだんだん空気が重くなって来てるわ。そうよ、信じるって決めたんだからもっとしっかりしないと!
慌てて、溢れそうになった弱気の涙を誤魔化すようにして拭う。
「ごめん、弱気になってたね! そうよね、生きてるわよね、うんそうよ!」
「お、それでこそ梵さんだ!」
そうやって一通り騒いだところで横になる。この空間に仕切りなど一切存在しない。 そのため夜はこうして男女混合で雑魚寝の形になるのだ。
(明日も修練頑張って、もっと強くなって、深山君を探す準備をしなくっちゃ!)
そう強く自分に誓って私は明日に備えて目を閉じた。
次回は本編です。




