ファンクラブとバニーガールコレクション
学園の中心付近には交流棟と呼ばれる異なる学科同士の交流を目的とした建物がある。
そこでは2つのグループの会合が行われていた。
1つ目はリュートのファンクラブ『トヨトミラバーズ』。
リュートの奴隷になりたいという変わった女子が集まったグループである。
2つ目はユキヒロのファンクラブ『ユキヒロに恋する乙女達』。
ユキヒロをペットにしたいという変わった女子が集まるグループである。
ネーミングセンスが酷いという共通点はあるが、この2つのグループに属する女子の性格は正反対である。
『トヨトミラバーズ』の会合ではこんな会話がなされていた。
「噂だとリュート様はニーネ様の実家に向かったそうですわよ。」
「まあ!奴隷の家族に挨拶しにいくなんてどういう意図なんでしょう?」
「ニーネ様の家族を安心させたかったんじゃないかしら。」
「リュート様の奴隷になったらそこまで気配りしていただけるのね…」
「適度に虐めてからかってくるけど実は大切にしてくれてるなんて理想的ですわね。」
「はあ…気配りはなくてもいいからせめてリュート様に虐められたい。」
「わかりみ…ニーネ様が羨ましいですわ...」
一方『ユキヒロに恋する乙女達』はというと、
「ユキヒロ様の妹のレイ様はリュート様とシルファード領に向かったそうですわよ。」
「レイ様がいないときの寂しそうなユキヒロ様が見れるのは嬉しいですわ。」
「確かにあの寂しげな顔をみるとゾクゾクしますわよね。」
「レイ様の代わりにボディーブロー入れて差し上げたいですわ。」
「ボディーブロー入れて喜んでくれる殿方なんて最高ですわよね。きっと足で顔を踏みつけても喜んでくれそうですわね。」
「問題はレイ様以外がやっても喜んでくださらないところですわね。」
「はあ、レイ様が羨ましいですわ…」
ニーネもレイもよくわからない羨ましがられ方をしていた。
この2つのグループは学園内でどんどん勢力を伸ばしていき、そのせいで学園には極端な性格(ドMとドS)の女子が多いという噂が立ったという。
正反対だが相性は良さそうなこの2つの勢力がお互いのことを意識し出すのは3大大会が開幕してからである。
それから数日後、帰ってきたリュート達はキノコジジイへの仕返しを行なっていた。
「ぎゃあああああ!やめてくれ!わしのコレクションが!」
キノコジジイの悲鳴が響く
研究室にあったエロ本が魔法科のグラウンドの真ん中に積まれている。
キノコジジイの孫であり助手でもあるネネの協力もあり、こっそりそれらを持ち出すことに成功した。
周りには何事かと集まってきた生徒達とリュートに呼び出されたキノコジジイ、そしてアイカ、レイ、ニーネがいた。
「許してくれ!せめてバニーガールコレクションの3巻だけでも」
キノコジジイが必死に叫ぶ。ここまでする必要はないと言ったリュートだったが、特にレイがやるべきだと強く主張したので仕方がない。
「【フレアエクスプロージョン】」
アイカが魔法を放ち、積まれた本が大きな炎に包まれ、消し炭になってしまった。
「う、嘘じゃ。わしがこれまで集めてきたコレクションが…」
ガックリと膝をつくキノコジジイがかわいそうに思えてきたので、耳元でこっそりとリュートが呟いた。
「『バニーガールコレクション』全巻と『エルフ大全集』、それに『もふもふメイドコレクション』は俺が保護してるぞ。」
「本当か?」
「ああ、俺に協力してくれるならまた見せてやるよ。」
キノコジジイの目に少し希望の光が差した。
これではどっちが本の所有者なのかわからない。
ちなみにリュートが保護する本をこれらにした理由はお察しの通りである。




