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スライムしかテイムできない男、スライム道を極め最強となる  作者: やまのうえのおくらん
第1章 学園入学を目指して
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試験の行方

前前話(入学試験)の続きからです。

「鍬で戦う獣人か、そういえば20年くらい前にも鍬で戦う【農民】の受験生がおったな。ギリギリ試験には落ちてしまったが、ガッツがあってなかなか見所があるやつじゃった。」


ドワーフの試験官は横たわっている犬耳の少女を見ながら懐かしそうな顔をして言った。


「それ俺の父ちゃんじゃねえか?ロンダって名前じゃなかったか?」


「確かそんな名前だったかもしれんな、20年も前だからはっきり覚えておらんが…」


そんな会話をしていると、犬耳少女が反応した。


「ロンダ…師匠!」


いきなり犬耳少女が大声を出したのでリュートと試験官はビクッとする。白い髪の女の子スーナは相変わらずノーリアクションだったが。


「そーいや、俺が村をでた後弟子をとったって手紙に書いてあったな。同じ【農民】だけどなかなか見所があるって言ってたっけ。」


リュートは家族からの手紙を思い出す。


「はっ、師匠の息子さんなのですね!私、ミリーと申します!獣人なのに【農民】だったので差別を受けてて、村を逃げ出して来て魔物に襲われていたところを師匠に助けていただいたんです!」


髪と耳と同じベージュ色の尻尾を左右に揺らしながら、大きなクリクリとした緑色の目を向けながらそう言った。


「ここで会うなんてすごい偶然だな!俺はリュート、よろしく。」


ミリーはキラキラとした尊敬の眼差しを向けながら、


「師匠から【テイマー】でAランク冒険者になったリュートさんの話はいつも聞いてました!お会いできて嬉しいです!」


と言ってきた。


ミリーと白い髪の少女スーナと3人で話していると、スライムがリュートの元に戻ってきた。

リュートはスライムが奪ってきた球を試験官に渡す。試験官がカゴ型の魔導具を使って球の数を数えて驚きの声をあげた。


「うおお!本当にやりやがった!球が全部あるってことは、お前ら3人が合格だ!」


大げさに喜ぶリュートとミリーの陰で、スーナが小さく可愛らしいガッツポーズをしていた。


1次試験のみで合格者が決まるという前代未聞の出来事に学園の教師陣が騒然となったという話をリュートは後日聞かされた。





翌日、試験も終わったしゆっくり休むというわけにはいかず、リュートとレイはもうひとつの試験に向かっていた。


会場に着くと、ライリと話していた以前どこかで見た猫耳の女の子がリュート達に気づいた。


「来たニャ!レイちゃん久しぶりニャ!リュート君は初めましてニャ!」


ライリもこちらに気づき声をかけてくる。


「おうお前ら来たか!今日はよろしくな!」


「ライリさんネリさんお久しぶりです!というかネリさん!あの記事、あれはひどいでしょ!」


ネリと呼ばれた猫耳の少女は、ユキヒロがSランクになったときにインタビューしていた記者だった。


「ごめんニャ。魚料理1ヶ月分の誘惑には勝てなかったニャ。」


「あのバカ兄!記者を買収するなんて…今回は許しますが、次はないですからね。」


「ひっ!」


そう言ってニコッと笑ったレイを見て記者のネリは背中をビクッと震わせた。


「初めまして、リュートです。ネリさんも試験を受けるんですか?」


ネリのことを姉から聞いていたリュートが尋ねる。

ネリは実は勇者パーティーのメンバーでもある。職業は【シーフ】、その隠密の能力や情報収集能力は記者としても役に立つ。


「いや、流石にしばらくは受けたくないニャ。今日は記者としてきただけニャ。リュート君とレイちゃんもあの恐怖を味わってくるといいニャ。」


リュートは緊張した面持ちになり答えた。


「やっぱり厳しいものなのですね。Sランク冒険者昇格試験は。」


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