ギルドで絡まれる?
「王都が見えてきたぞ!」
6時間ほど馬車を走らせた後、御者がそう言ったのでリュートたちは馬車から顔を出す。
「うわー、でかいな!」
見えてきたのは見渡す限りの王都を囲む大きな塀とその中心にそびえ立つ巨大な王城らしき真っ白な建物であった。
検問はライリがリュート達の保証人となることで無事通過する。
検問を抜けると王都の街並みが目に入る。
整備の行き届いた道にさまざまな店が並び、多くの人々が行き交っている。リュートの村とはまるで違う世界の様である。
リュートとアイカは目を輝かせていた。
「私も最初来たときはそんな目をしてたんだよな」
ライリは懐かしそうにその様子を見ていた。
馬車を降りたあとはライリの契約しているアパートに直行した。
学園から徒歩3分の場所にある上に、間取りは1LDK、学生にしてはいい部屋である。
「これでも私のパーティーの中じゃ一番安い部屋だよ。ユキヒロのお陰もあって結構収入もあるんだよ。」
と、ライリは言っていた。ユキヒロというのは勇者の名前だ。
アパートに荷物を置いた後、3人は冒険者ギルドに向かうことにする。
「そう言えば、ねーちゃんの冒険者ランクは何なんだ?」
ふと気になったリュートが尋ねた。
「そういえば言ってなかったな、こないだBランクに上がったばかりだよ。」
「すごいな!Bランクってベテラン並みじゃないか!」
冒険者ランクはF〜SSSまであり、Dランクになれば食うのに困らず、Cランクになればちょっと贅沢ができ、Bランクになれば大分贅沢ができ、Aランクは別荘を持てるとまで言われている。
ライリが14歳でBランクになったのは異常の速さであった。
「ふふふ、ただユキヒロはこの前Aランクになったぜ!最年少記録だって聞いたけど。」
「「Aランク!?」」
アイカとリュートが驚きの声をあげる。Aランクは【剣聖】や【賢者】クラスの人がなるランクであり、いくら勇者であろうと、14歳がなるなんて普通はあり得ないことであった。
「ただあいつ、召喚される前は18歳だったって言ってたから怪しいんだけどな。」
そう言いながらもライリは嬉しそうにしていた。なんだかんだで仲間が尊敬されるのは嬉しいのだ。
そうこうしているうちに冒険者ギルドに到着した。レンガで出来た三階建の立派な建物である。
中には酒場があり、夕方であったが酒を飲んでいる冒険者も多くいた。
リュート達は、冒険者の登録を済ませるため列に並ぶ。しばらくするとリュート達の番が来た。
「ニーナ、この2人の冒険者登録をお願い!」
ライリが知り合いらしい受付嬢にそう伝えると、綺麗な顔立ちに地味目なメガネをかけたエルフの受付嬢がテキパキと手を動き始める。
「初めまして、受付嬢のニーナといいます。まずはこの紙に名前と職業を書いてください。」
そう言われたので書いて渡すと、
「【テイマー】ですか?」
とちょっと驚いた様な声で確認された。
その瞬間、
「【テイマー】だと!」
後ろに並んでいた大柄な筋肉質の男が大きな声を上げ、ツカツカと近寄ってきた。
「ちょ、ちょっとダイン!」
同じパーティーの魔術師らしき女が制止しようとしていた。
「おい!坊主!」
ダインと呼ばれる男が制止を振り払い、リュートに近寄ってきた。
「うちの可愛い弟に何か用?」
ライリはそう言って剣を構えた。
「頼む!無理はしないでくれ!もうテイマーの若いやつらが死んでいくのは見たくない!」
「「「へ?」」」
聞こえてきた予想外の言葉にリュート達は一瞬固まった。




