74話 俺、リンカを探します。
「じゃあみんな、この後の夏休み楽しんでね!」
訓練の後は特に何も無く、そのまま次の日の朝に特待生寮で解散。
唐突に決まった海プール宿泊だが、多少のトラブルはあったものの無事に終わった。
学園長と少し話し、遅れて寮に戻ると──
「私今日から実家ー」
「俺もだわ……また母ちゃんに怒られる日々が始まるのか……」
なんて会話をしながら、荷物を纏め始める生徒の姿が見える。
WGAの夏休みは完全休校になり、補修や部活も無い。
一応寮と図書館は解放されているが、まあそれだけだ。
海プールもあるが、大量の客が押し寄せる光景は容易に想像がつく。
当然、生徒の殆どは実家に帰るだろう。
かく言う俺も、空中都市でやりたい事は特に無い。
実家に帰り、裕翔達の様子を見に行くつもりだ。
だが昨日の夜──
『夜ー夜ー』
『リンカ?』
俺が止まっていた部屋に、珍しくリンカが訪ねてきた。
起きているだけで珍しいが、何よりガイアがいない事に驚きだ。
『夜は明日、実家帰る……?』
『ああ、特に用もないしそのつもりだが……』
『そっか……ならいいや』
『どうかしたのか? 実家帰りは後回しにしても全く問題ないが……』
『ああそうなの? ……なら明日、寮に帰った時に話すね。内密な話だから、夜の部屋か私の……部屋は駄目だった……夜の部屋、良い?』
『ああ、問題ない』
『うん、じゃあ明日ね』
そう言って、リンカはフラフラと自分の部屋に帰っていった。
そうして今に至るわけだが、うっかり学園長と話し込んでしまったせいで、恐らくリンカを待たせている。
そう思い、駆け足で俺の部屋へ戻る。
だが──
「……居ない?」
俺の部屋の周りに、それらしき気配は感じられなかった。
(トイレでも行ってるのか……?)
そう考え、待つ事20分──
「……来ないな」
俺の方から探してみる事に。
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まずはリンカの部屋。
──コンコン
ノックしてみるが反応は無い。
だがリンカの場合、寝ている可能性もある。
(気配は無い、か……)
どちらにせよ、ここには居ないようだ。
次の場所を探してみよう。
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次は玄関ホールにやってきた。
先程も通った場所だが、見落としの可能性もある。
それに、リンカはここのソファが気に入ったようで、寝ている事もしばしばあるからな。
だが──
「ここもハズレか……」
やはりリンカの姿は見当たらない。
ここにも居ないなら、他に何処に……
すると──
「せっせっせ!」
シャルが大量の書類を抱えて、管理人室に運ぶ姿が見えた。
「仕事か?」
「いいえ、母さまの手伝いよ……母さまが部屋の掃除をする代わりに、私が仕事をする事になったの。まったくもう……」
学園長の部屋はとてつもなく汚い。
どうやらその部屋を片付けさせる為に、本来の仕事をシャルがこなしているらしい。
どちらか母親か分からないな……
「手伝おう」
事情は置いておくとして、リンカを探すのにも行き詰まった。
仕事の途中で見つけられるかもしれないし、俺はシャルの──学園長の仕事を手伝う事にした。
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「ありがとう、助かったわ……」
「どういたしまして。そういや、シャルは実家に帰るのか?」
「いいえ、私は夏休み中もここに居るわ。子供達も心配だし、それに母さまもここに居るからね」
そんなこんなでシャルと話している内に、本来の目的を思い出す。
「っと……喋ってる場合じゃなかった」
「何かあったの?」
「ああ、リンカを探してるんだが、なかなか見当たらなくてな……」
「リンカなら屋上にいると思うわよ。珍しく起きて歩いてたから話しかけたんだけど、『気分転換』って言って階段を上っていってたわ。上には他にも色々とあるけど、リンカが気分転換するような場所は屋上くらいね」
思わぬ所で情報を得た。
「助かった」
「ええ、こちらも手伝い助かったわ!」
俺は踵を返し、屋上へと歩を進めた。
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──♪♪♪
「…………?」
屋上に近付くにつれて、歌声が聴こえてくる。
リンカの声だ。
いつも澄んだ声をしているリンカだからか、声は大きくないはずなのによく聞こえる。
俺は屋上の重々しい扉を開け──
「なっ…………!?」
そこで、衝撃的なものを見た。
ごめんなさい、最弱種族の更新を少しの間お休みさせて下さい!
それ以降は4日投稿で行きます!





