55話 私、隻腕でも戦えます。
※今回、リアルでグロテスクな表現があります。ご注意ください。
「ミーシャッ!」
「きゃっ!?」
赤い輪を的確に燃やした後、私を抱いてすぐにその場を退く輝夜様。
輝夜様は私の左腕を一瞥し──
「チッ……間に合わなかったか」
そう言い、すぐに【災禍の竜】の方を見ます。
私も輝夜様の視線の先を追います。
そこには──
『i●●a●n●●og!!!』
イクエルの効果で腹部に土の杭が突き刺さった【災禍の竜】の姿が。
大量の杭は【災禍の竜】を貫き、腹部には大きな穴が空いています。
(私の腕一本で、災厄に大ダメージを与えたのです。安い出費でしょう……!)
片腕の喪失を受け止める為に、自分にそう思わせます。
あるものが無い、というのはなかなかキツイものですね。
輝夜様は私を降ろし──
「私が討つ。お前はそこに居ろ」
そう言って、一人で【災禍の竜】へ向かおうとしてしまう輝夜様。
「待って下さい輝夜様! あれは危険です。止めなければならないとはいえ、一人で戦えば命は──」
友人をわざわざ死なせる訳には行きません。
私は輝夜様を止めましたが──
「大丈夫」
伸ばした私の手をゆっくりと降ろさせ、歩を進めてしまいます。
ですがその際に──
「っ……!?」
輝夜様が見た事もない姿へと変化していきました。
金に輝く髪や尻尾は薄い水色に変わり、尻尾は一つから四つに。
九尾状態とも違うその様は、まさに空そのもの。
「その姿は……」
私の言葉を無視して進んでしまう輝夜様。
ですが、不思議と輝夜様が負ける未来が見えないのです。
何せ輝夜様の放つ気迫は──
「マイル様……?」
世界最強の兵士を彷彿とさせていたから。
その姿を見て、私は止める事をやめます。
輝夜様なら、あの災厄を倒せると確信したから。
寧ろ私が援護に入ったら邪魔してしまいそうです。
「………………」
ですが、私もボーッとしている訳にもいきません。
まずは応急処置をしなければ。
ゴスロリ服の一部を食い千切り、それを強引に包帯代わりに。
その疑似包帯で二の腕の辺りをきつく縛り圧迫。
「ぐぅぅ……あぁぁぁ!!!!!」
その際にとてつもない痛みが私を襲い、切断部分からは血が吹き出しますが、ここは唇を噛んで我慢。
肝心の患部にはイクエルで生成した氷を使い、切断部分に纏わせ止血。
「ハァ……ハァ……」
あまりの痛みに、息が乱れてしまいます。
ですが──
「oooooooooo!」
動かずにいた私の周りに、エースドラゴンゾンビが集まってきました。
「はぁっ!」
「なのです!」
ですが、集まってきたエースドラゴンゾンビは、夜様とラウラによって掃討されました。
お二人共、このほんの少しの間に随分とキレが増しているように見えます。
流石ですね。
隻腕になってしまったとはいえ、私も戦力外にはなりたくありません。
「【土の街道】!」
【災禍の竜】は輝夜様に任せ、私はエースドラゴンゾンビ達の掃討に専念する事にしましょう。
Misia'sview end
回復魔法使えと思う方もいると思います。
ですが、回復魔法はある程度の損傷は治せますが、部位欠損までは治せません。
チート等無い、残酷な世界なんです。





