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31話 俺、これから住む寮がもはやホテルで驚きです。


 そうして学園の敷地を歩くこと数分──


「ココだよん!」

「で、でっかいのです……」


 特待生寮は、とても一学園の寮とは考えられない程に巨大だった。

 家と同じくらいあるんじゃないか……?


 学園長はポケットからカードを取り出し、門のタッチパネルに触れる。

 ピッ、という音と共に、入り口の大きな門が開く。


「じゃあ、早速入ろうか」

 

 


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




「もうホテルですねこれ……」


 月夜の言った通り、中は寮と言うよりホテル等の高級宿泊施設に近かった。

 各界から支援を受けているし、予算には余裕があるんだろうな。



 各界からの支援は、要は事前投資のようなものだ。

 戦争にかかる費用と、生徒の養育費を考えれば後者のほうが圧倒的に安い。

 その後のリターン──戦争が起きる可能性の激減を考えると、ここでの出費は国としてはそこまで痛くないはずだ。



「入ってすぐ左側には管理人室。模擬戦闘の試験監督を務めていた輝夜ちゃんがここの管理人だね。輝夜ちゃんがいない時に何かあったら、401号室のボクの所に来てね」

「お母さんと代表もここに住むんですね……」

「流石に元の家に帰るのは時間が掛かっちゃうからね。それにここの寮は設備が充実してるし、過ごしやすいから。そしてこれが依頼盤。さっきも言った通り、ここに依頼が張られてるから、もしその依頼を受けたい場合は輝夜ちゃんかボクに渡してね!」


 依頼盤は管理人室の側にあり、すぐに受理できるようになってるらしい。

 皇先生と学園長が外出している時も、専用のポストに入れておけば良いそうだ。

 

「じゃあ、次は部屋を見に行こうか」




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




「部屋は基本的に全部屋同じ作りになってるからね。じゃあ適当な部屋に各自で入ってみて」


 一部屋に30人が押し入る訳にはいかないからな。

 部屋に入ると──


「……皆が勉強を頑張るわけだ」


 中は4LDKの和室付きで、一人部屋なのにダブルベッドまで付いている。

 極めつけは外側からは見えない特殊なガラスで作られ、高台に作られた寮から外を一望できる温泉だ。

 地面に熱を持たない空中都市で温泉は作れないと思っていたが、これも魔術の応用で作ったものらしい。

 魔術凄いな。


 一通り見回ったので部屋を出ると、既にほとんどの生徒が学園長と喋っていた。


「にゃははにゃははくぼぇぇ」


 学園長はフレンドリーだし、既に何人かの生徒と仲良くなっているのだろう。

 最後に変な音が聞こえた気がしたが、まあ気のせいだろうな。

 

 

 それから寮内の重要な施設をいくつか巡り、部屋割りを決め、満足したらいつでも帰って良いという事になった。

 学園長は──


「あ、なんなら今日ここに泊まっていってもいいからね?」


 なんて冗談半分で言っていたが、俺と咲はそうするつもりだ。

 この環境に慣れておきたいのもあるが、身体や脳を酷使し過ぎて疲れたから早めに寝たい。


 現在時刻は21:00。

 ゲートがあるとはいえ、家まで4時間はかかるし、流石に1:00時まで体力が保つ気がしない。


「じゃあ夜、今度は入学式でな」

「ばいばい…………Zzz」

「皆さん、お疲れ様です!」

「また今度なのです!」


 当然だが、ほとんどの生徒は帰っていった。

 親への報告とか、色々とあるだろうしな。

 結局残ったのは──


「私達だけね」

「そうだな」

「そうですねー」

「そうだね!」


 現在時刻は22:30。

 俺、咲、シャル、そして学園長は、風呂と食事を済ませ、裕翔達にも連絡し、玄関口のソファで寛いでいた。


「丁度ボク達だけになっちゃったし、少し話そうか」


 ちなみに、学園長はシャルの翼の事も、咲が俺の妹だと言う事も、それを隠している理由も全て知っている。

 そういえば、シャルは翼の事を隠し続けているらしい。

 まあ当然か、バレたら人間との交友がバレるしな。


 話す事は色々とあるが、まずは学園長が口を開き──


「ありがとう」

「……え?」


 真面目に頭を下げられた。


「シャルから話は聞いてるよ。部下の裏切りで尻尾と双角を失ったシャルを助けてくれた上に、あまつさえ自分の霊装をシャルを助ける為に使ってくれたんだ。最愛の娘を救ってくれた君に感謝する。本当にありがとう」

「ちょ、最愛の娘って///」


 何を照れてるんだシャル。

 いや、それはともかく──


「……霊装の能力は自分自身で決められるものじゃありません。それに、あの時の俺は打算的に行動していただけです。シャルの事を好意的に思うどころか、同族を殺したシャルに恐怖を抱いていました」

「それでも、だよ。君がシャルをすくってくれたことに変わりはないんだ」

「いやいや……」

「でもでも……」

「このままじゃ並行線じゃない」

「シャルさんの言う通りですよ」


 ……確かに。


「じゃあ貸一つって事にしませんか?」

「ふぇ?」

「今後俺が何かに困った時、一度だけ力になって欲しいです」

「……そんなんでいいの?」

「今の俺には力がありません。政治的な意味でも、物理的な意味でも。その両方を持っている学園長に、必ず頼りたい時が来るはずです。ですから──」

「三回」

「え?」

「一回じゃ駄目だよ、ボクの感謝を表しきれる自信がない。だから三回、ボクを使って良いよ」


 そんなに貸しを貰って良いのだろうか。

 ……だが、学園長の目からはこれ以上は譲らないという強い意志を感じる。


「分かりました。じゃあそれで」

「うん、ありがとう。……それにしても、夜君は分かってないよ! 子供に対する親の愛って奴が!」


 なんか説教されてしまった。

 その後、四人で六年間の事を色々話し、各自部屋で就寝した。

 

 話してる時、学園長の頬に涙の跡があったような気もしたが、まあ気のせいだろう。

 俺は何も知らない。




 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




 AnotherView:???




「プロメテウスさん、報告を」

「はい、各界は戦争の再発を防ぐ為の準備を進めているようです」

「……」

「その最たる例が平和の象徴──空中都市(スカイディア)

「……あの忌々しい【光帝】が創り上げた都市ですね」

「はい」

「俺達の計画上、あの都市は間違いなく障害になるでしょうね。まずはあそこをぶち壊しましょうか。今回は災禍の竜(アスタロト)さん、あなたに出てもらいましょう」

「了」


 深く帽子を被った()()はそう言うと、女に姿を変え、その場を出て言ってしまう。


「戦争を止めるわけにはいかないのですよ」


 女が去った後、指揮官らしき男も姿を変えてその場を去っていく。

 残された副官と()()達もその後を追い、部屋を出ていった。



2章完結です!

どんどんパフパフ!!

3章は入学して少し経った後から話が始まります。

毎日投稿で頑張るので、応援よろしくお願いします!

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