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契約の大剣  作者: ハま松
第一章  王国冒険編

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11 主従契約



 

 さて、パーティーを組んだはいいがこれから正式に活動するにはギルドで登録する必要があるので次に訪れた都市で登録を済ませよう。


「さて、早速だけどラナレイ。貴女には私の魔力をあげる代わりに竜を倒すために協力してもらうよ」


「うん。任せてなんでも斬ってあげる」


「そう、なら早速竜の捜索に....」


ガシッ、と腕を掴まれた。

嫌な予感がする。


「お願い。もう一度だけ魔力を貰っていい?あとちょっとで満タンになるから」


やっぱり。魔力を分けるのはいいが流石にもう一度キスするのはその....なんというか恥ずかしいって...///


「ちょっと待って!魔力はあげるけど方法は考えよう?流石に口から魔力をあげるのはその....とにかく、別の方法であげるから!」


ラナレイの魔力が足りなくなる度にキスで魔力を持ってかれるのは勘弁して欲しい。


人前で見られるのとかが一番恥ずかしい。


「うぅ...わかった。ならどんな方法があるの?」


「ええと、そうだな...」


言われてみるとどんな方法がいいのだろうか?

口以外なら手を繋いで魔力を渡すこともできる。


しかし、こちらも少し恥ずかしい。

それに、戦闘中にラナレイの魔力が切れることがあればその補充の間はかなり危険な状態に陥ってしまうだろう。

どうしたものか....


「あ!あの方法なら....いや、でも流石に....」


「何か方法があるの?大丈夫私はなんでもいける」


何が大丈夫なんだろうか。だがまあラナレイが問題なさそうならアレでいいか。


「えーっと、私の魔力を渡す方法として契約魔法を結ぼうと思うの」


「契約魔法?」


「うん。契約の形を主人の従者に設定するタイプの主従契約魔法だけどね」


契約魔法は基本的には妖精や動物、あと稀に悪魔や天使なんかと契約を交わす時に使う魔法だ。


対価を差し出すことで、見返りとして力を貸してもらうなどが一般的だ。


まぁ、悪魔や天使と契約を交わせば基本的にロクなことがないというのが通説だが、それはまぁいいだろう。


「主従契約...」


「うん。片方を主人、もう片方を従者として契約することで、従者は主人の魔力とか魔法を一部使えるようになるの。

この魔法を使えば私の魔力がある限り貴女はいつでも私から魔力を受け取れるようになるの」


「?今の私たちにピッタリの魔法ね。ならどうしてさっきは少し悩んでたの?」


「えーと、それはね....従者は主人に絶対服従を誓わなくちゃいけなくて、もし主人の意向に背いたりしたら主人の裁量で従者を殺すこともできるの....」


そうなのだ。いくらなんでも魔力を貰うために命を差し出すような契約は不快に思うだろう。


主人が従者に対して必ず対価を差し出すことや、契約を結ぶ際に必ず本人の同意がなければいけない点、

脅しなどで無理矢理契約を結んだ場合には、契約そのものの破壊が可能になる点など、奴隷魔法よりも人道的ではあるが、それでも抵抗がある人がほとんどなのだ。

貴族と騎士などが行う〈主従の誓い〉とはまた別モノなのだ。


しかし....


「ん。ならそれでいいよ。さっきも言ったけど私は君の命令ならなんでも聞く。それくらい君の魔力は最高だった」


即決だった。なんの迷いもなくこちらの提案を受け入れようとしている。


「待って、よく考えてラナレイ。最悪の場合私の命令一つで貴女は死ぬことになるかもしれないんだよ?それで本当にいいの?」


別には私はこの方法でなくてもいいのだ。

最悪人前でも手を繋ぐことくらいやってもいい。

戦闘中に危険を増やすことだけは問題だが、手を繋いで逃げ回ればなんとかなることも多いだろう。


キスによる魔力補充は勘弁願いたいが...


「問題ない。早速その主従契約魔法を結ぼう!」


乗り気だ。

まあ、私も彼女に理不尽な命令なんてする気もないのでこれでいいかもしれない。

この魔法ならいつでも魔力を分け与えることが可能になり、ラナレイも積極的に私に協力してくれるだろう。


「じゃあ主従契約魔法を結ぼう。契約の関係上、私が主人、ラナレイが従者でいい?」


「ん、問題なし」


ラナレイの合意も得たので準備をする。


地面に主従契約魔法の魔法陣を描く。


「じゃあ始めるね。ラナレイ、貴女の血を少し貰うからこのナイフで左手の甲を少し切っておいて、私が詠唱を始めたら血を魔法陣に垂らして。

傷は後で私が治すから」


「わかった」


「契約の内容はエリナリーゼを主人としてラナレイは従者とする。ラナレイはエリナリーゼからの命令には基本的には従うこと、その対価としてラナレイは私からいつでも魔力を貰えるようにする」


主従の位置づけと内容を声に出し、私もナイフで自分の左手の甲を切ってから詠唱を開始する


全ての命令に従う必要はないことを予め内容に含めたので少しはラナレイも安心できるだろう。


「定め、誓い、交わし、理のもと、我らは主従の旗を立てる。

互いを尊び、奏でし約は永久に、主従の盟を今ここに....」


魔法陣が煌めく。そして、私とラナレイの手の甲に紋様が刻まれる。


私の手には主人の証が、ラナレイの手には従者の証が刻まれた。


初めてやってみたので成功するかはわからなかったが、どうやら上手くできたらしい。


「よし、そしたらラナレイ、私から試しに魔力を貰ってみて」


「わかった...うん、確かに欲しい分の魔力が流れてくるのがわかる」


私も魔力がラナレイに持っていかれるのを感じられる。どうやら魔力のパスは上手く繋がっているみたいだ。


「うん。問題な....どうしたのラナレイ?」


なんか不満そうな顔をしている。


「確かに魔力は貰えた。さっきと同じ魔力が流れてくるのがわかる」


「ならいいんじゃない?」


「でも、温もりが足りない気がする。

さっきは口でしっかりと味わえたけど、今はなぜかそのままポンっと魔力を持たされた感じがする。

上手く言えないけど何かが違う気がする」


「言ってることがよくわかんないんだけど...」


「だから確かめよう。もう一度君の口から直接貰えば何か掴めるかも...」


そう言ってラナレイは私を先程のように抱き寄せてきた。


(あ、なんかこうして抱き寄せられると落ち着く...じゃなくて!)


「ちょ!?と、止まれ!そして離れろ!」


無理矢理ラナレイの行動を制止させる。


「うっ!体が無理矢理...」



ラナレイが私を離して距離をとった。

どうやらこちらの命令も上手く機能することが確認できてよかった。


「ラナレイ、しばらく私に無理矢理抱きつくの禁止ね」


「え、ひどい」


「ひどくない。まったく....」


先程のように貪られたらたまったモノではない。

なにか良くないものに目覚めかけた感覚があったのだ。この先もそんなものがないようにしていこう。


「とにかく、これで主従契約は成立した。

これからよろしくねラナレイ」


「うん、よろしくご主人様」


「ご主人様って...エリナリーゼでいいよ。長いならエリナでもいいから。ご主人様は勘弁してね?」


ご主人様なんて呼ばれる身分ではない、あくまで対等な仲間として共にいたいのだ。

魔力を与えるために主従契約魔法を使っただけで本当の主従になんてなるつもりはないのだから。


「そう?でも私はなんとなく呼び方はご主人様が良いような気がするの。ダメ?」


うっ、なんか許したくなる顔の良さ...あざとい表情もやはり良いな....ではなく!


「エリナリーゼ、もしくはエリナって呼びなさい。

....けどまあ、人前でなければ好きに呼んでもいいよ」


「わかった。ならそうするねご主人様」


(笑顔でまたご主人様呼びしてきた....)


やっぱり違和感しかないな、この呼ばれ方...


こうしてパーティー結成に続いて主従契約も成立することになった。


人前でご主人様呼びはされたくないな、うん。







エリナリーゼは16歳、健全なお年頃です。


それから、読んでくださった方へ、

読んでくださりありがとうございます。

誤字などありましたら報告していただけると幸いです。


これからも皆さんに「面白い!」と思ってもらえるように努力していきます。

応援よろしくお願いします。

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