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ひかりちゃん宅にて 2

税理士であるひかりちゃんのお父さんとの話も済み、雑談を交わす輪太郎。

ひかりちゃん宅にはPC-9801が置いてあるようで…。

税理士についての話も終わり、リビングでお菓子を食べて休憩することになった。

ひかりちゃんのお父さんが廊下に向かって声をかける。


「ひかり~、お茶とお菓子もらってきてくれるか?」


「はーい。」


返事の少しあと、カルピスとお菓子が乗ったお盆を持ってひかりちゃんがやってきた。


「はい、パパ。

ママから預かってきたよ。

お土産は香梅の武者返しだって。

ママとさくらは邪魔にならないように台所でいただくって言ってた。」


「そうか。

娘の友達なんだし、手土産は申し訳なかったね。

親御さんにはよろしくお伝え願えるかな?」


「いえ、今日はいろいろ教えていただこうと思ってましたから。

なのに手土産もなしでは申し訳ないかなと。

母に相談したら手土産持って行きなさいって言ってくれたので。」


「そうかあ。

君もしっかりしてるし、お母さんも律儀な方だねえ。


しかし、ひかりも面白い友達を連れてきたな」


「そうかな~、こいつ、私をモデルにして勝手にゲーム作ったんだよ。

許可くらい取れっておもうでしょ?

それで話しかけたらパパの話になって。

それで、税理士に興味があるから話してみたいって。」


「この前も言ったけど、モデルにしたのは学校の制服までだよ。

主人公の一人は確かに背中まであるロングで前髪ぱっつんだったけど、似たのは偶然。

べつにひかりちゃんをモデルにしたわけじゃないんだけどな。」


「いーや、絶対私でしょあれ。

この前だって私に似てるってのは自分でも認めてたでしょ?

みんなもそう言ってたもん。」


「そのゲームって、どんな感じだったんだい?」


「えーと、パソコンでやるゲームで、クリスマスに学校で展示してたの。

中身は国道3号線が6車線くらいあって、それを歩いて渡るやつ。

途中、横から車が来るからそれを避けなきゃいけなくて、当たったらゲームオーバーだった。

それで、道を3回渡り切ったら学校について、ゴール。


当日はいろんな子が張り付いて遊んでたから結構人気だったみたい。

見た目だけなら友達のファミコンゲームみたいだったよ?」


「へえ。パソコン用のゲームなんだね?」


「はい、クラスメイトの高木君が持ってるSharpのX1で動くやつですね。

高木君のおじさんの後押しで、子供会の発表スペースで展示することになりました。

高木君と木村君と僕の3人で作ったやつで、今はコンテストに投稿してるところです。

ひかりさんが見たのはその子供会の展示の時ですね。」


「ふむ。

この付近で高木さんというと、役所に勤務されてる高木さんの息子さんかな?

兼業農家をされてるという話だったが、パソコンをお使いとは知らなかった。


そのゲームについても面白そうだね。

家のパソコンで動くようなら見てみたいけど…動くかな。

メーカーが違うみたいだから望み薄だろうけど」


「お持ちのパソコンを見てみないとわからないですね。

どこのメーカーのやつでしょう?」


「日電…NECのやつだね。

事務所で使う文書を家で作ったりするんだよ。

だから必要経費だと思って購入したんだけど、ワープロくらいにしか使ってなくてね。」


「仕事でってなると、PC-9801シリーズですかね。」


「たしかそういう名前だったな。

事務所のほうでもまだ去年揃えたばかりでね。

私はあまり詳しくないんだ。


とはいえ、作った書類を何枚でも印刷できるのはやっぱり便利だろう?

これまでは全部手書きだったからね。

周知用の文章を郵送するとき手書きが不要になったのは大きいよ。

そういうわけで使い物になりそうだから自宅にも導入したんだけど。」


「すみません。

だとすると私が作ったゲームは動かないと思います。

メーカーが違うのもそうですけど、PC-9801シリーズは16Bitパソコンで8Bitのパソコンとは違うので。

特に今回のゲームは機械語を使ってますから、専用に作り直さないと無理だと思います。」


「そうか、それは残念だ。

パソコンのゲームというのがどういう感じか見てみたかったんだが。」


「ゲームになるかはわかりませんが、PC-9801シリーズ向けのソフトはそのうち作りたいと思ってます。

その時でよければ、何かお見せすることは出来ると思いますよ。

業務用のパソコン向けにソフトを作れればきっとお金になるとおもってますから。

今回作ったものも、その時に移植するかもしれませんし。


ただ、PC-9801シリーズはパソコン本体が高価なので、今のところまだ開発できる実機がなくって。

いまは、中学に入ったらPC-9801シリーズがあるって聞いているので何とかそれを使えないかなと思ってる段階です。」


「ああ、確か市の広報誌に書いてあったね。中学校から先に導入されてるらしいね。」


「学校ってプリントを配る頻度が高いですからね。

今は手書きのプリントを輪転機で複写してますけど、まずは原版がパソコンになって、輪転機もプリンタから直接印刷するか、コピー機に変わっていくんじゃないかと。


そうなると、教師もパソコンを使えるようにならないといけないですから、学校にパソコンがないとやっていけませんね。」


「そうそう、ワープロソフトの便利さは間違いないからね。

知り合いの公認会計士さんからは表計算ソフトというのも勧められているけどあれもどうなのかねえ。

実際使ってみないといいかどうかわからないから。」


この時代の表計算かあ。

Lotus1-2-3が今年でるから、まだMultiPlanとかが主力の頃だよねえ。

もう少し待ったほうがいいって言っとくべきかどうか……ええい。


「表計算ソフトも便利だという話は聞いています。

ただ、今販売されているのって、アメリカではシェアが低い奴だけだと読んだことがあります。

近いうちに、アメリカでもシェアNo1の有名なソフトの日本語版が出るって聞いてるので、使うならそれを待ってからのほうがいいかもしれないですね。

雑誌情報なので、いつ発売になるかはわからないのですが。」


「なんてソフトだい?」


「確か、Lotus 1-2-3ってやつだったと思います。

雑誌などで紹介されてるのを見た限りではかなり便利そうでした。

特に、機械語で書かれていて速度が抜群という話だったように思います。」


「へー、そこまで言われると気になるな。

表計算って名前だけに、表を作るためのソフトなんだよね?

ワープロでも罫線で票が作れるけど、何が違うの?」


「そうですね、私も実際に使ったことがないので正しいかどうか保証できませんけどいいですか?

雑誌で見る限りは、表形式の中に文字と数字を入力できるみたいなんですが、例えば表の格子の中に入力した数字を集計するための命令が入れられて、その命令次第で加減乗除や平均などをを自動で計算してくれるらしいんです。

もう1個付け加えると、そうやって作った表に対してのグラフも作成できて、印刷もできるみたいで……。

使いこなせると便利そうでしたよ?」


「ふむ、よくわからないが、聞いている限りは便利そうだね。

加減乗除が使えるなら会計処理にも使えるかもしれない。

そのLotusとかいうソフトの発売を待つにしても、表計算ソフト自体についてはどういうものか見せてもらっておくほうがいいようだね。

今度紹介してくれた公認会計士さんに話を聞いてみよう。

情報ありがとうね。」


「いえ、たまたま知ってただけですから。

いろいろ教えていただいたんですから、お互い様かと思います。」


「しかし、パソコン関連はどんどん新しいものが出てくるねえ。

ひかりもプログラムまではともかく、ワープロ位は覚えた方がいいかもしれないぞ?」


「えー、めんどくさい。

べつに何枚も同じ書類を配るようなことなんてしないもん。

私が書くの、せいぜい友達への手紙くらいだよ?

だったら手書きの方が心がこもるって。


だいたい、小学生でパソコン使ってる高木や竹尾が変わりもんなんだって。

そんな時間あったら運動するか遊ぶでしょ。」


「そこで勉強するって言葉が出ると、パパとしては安心できるんだけど。」


「だって頑張ってるじゃん。

公文だって通ってるでしょ?

すんごい面倒くさいのに」


「計算能力は社会に出てから本当に役に立つの。

騙されたと思ってしっかりやりなさい。

パパとか計算能力だけでお前たちを食わせてるんだから。」


「いや、わかったけどパパ。

そういう話は竹尾が居ないところでしようよ。

竹尾が困っちゃうよ。」


ひかりちゃんが困った顔でおじさんに言う。

まあ、そう言われても、わが家とのあまりのギャップに戸惑ってるんですけどね。


「いや、仲いい家族だなって思ってみてるから気にしないでいいよ。

うちなら親が怒鳴りながら詰めてくるとこだもん。」


うちの家庭が透けて見えたのだろう。

おじさんが苦笑いして話を止める。


「まあ、この辺にしとこうか。

他に聞きたいことはあるかい?」


「とりあえずは、十分です。

とっかかりはいただけたんで、この後はまず自分で調べてみます。

そのうえで、どうしても何か聞きたいことが出たら、またひかりさん通してご相談とかしてもいいでしょうか?

もしかしたら、何かわからないことが出てくるかもしれないので。」


「うん、頻繁だと僕のほうが返事を返せないかもしれないが、それでもいいなら構わないよ。

まあ、気にしないで連絡してきなさい。

それで将来うちの事務所に来てくれるなら僕の得にもなるしね。」


「えー。それ結局面倒で損するの私だけじゃない?

電話番号教えたら?

竹尾のほうも直接かけれるほうが便利でしょ。

こいつならいたずら電話とかしそうにないし、したらぼこぼこにすればいいし。

ダメ?パパ。」


「ああ、じゃ、そうしようか。

電話番号を書くから、さっきのメモもう一度貸してもらっていいかな?」


そういうと、さらさらっとおじさんは自分の名前と電話番号を書いた。


うん、これで会計ソフトを作ったときに持ち込む先が出来たな。

会計ソフトを作るなら税理士とプログラマー2足の草鞋と言うのも悪くないし、いいアイディアだったかも。

とはいえ、早くソフトを作れる環境を手に入れなきゃな。


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