危険な洞窟と北近江の鷹
初依頼を終えて、3日後のとある日洞窟が発見されてギルドが騒がしくなっていた。信長は討伐隊の募集に参加しようとすのだが、予想外なこととまさかのあの人物に再会を果たすことになる。
俺は初の依頼を受けてから3日が過ぎた。
状況とは言うと俺は1日いくつかの依頼をこなしていた。蘭丸はあの日以来、フロッガの討伐には行っていない。それもそうだろ、あの日町に帰ったころにはほぼ局部も見えていたし、尻に関してはもう丸出しだった。おかげでいろんな噂が広がってしまった。まぁ、そういう輩は俺がを鎮圧したがな。
そして、その3日間で分かったことがいくつかある。まず、俺と蘭丸の固有スキルについてだ。蘭丸は他者の基礎的能力や魔力量を把握できるらしい。コノハが言うには鑑定スキルと言っていた。手助けの能力としては申し分ないとのことだ。俺についてだが、スキルの詳細は分かっていないが、魔力量、基礎能力がほとんど人の限界に近いらしい。能力の高さにスキルが関係しているのではないかと蘭丸は考えているらしい。
それに1人で依頼をこなしていた時、苦戦している複数人の冒険者を助けた。相手はリザケッド、トカゲのような体長は7尺ほどあった。その時に俺は魔法を試していたこともあり、いろんな魔法を使っていたが、討伐後、冒険者たちに
「なんでそんなに魔法が使えるんですか?まさか王族ですか?」
「ん?俺は何でもない信長だぞ」
「普通の人間でそんなに使えるのはあり得ないです。魔法には適性の魔法属性があって適正以外は適正魔法の威力の半分ほどしか出せないはずです。同等に出せるのは王族や6大種族ぐらいです」
だとのことだ。それを蘭丸に伝えると、蘭丸はいろいろと調べ始めた。
こいつの悪い癖だ。あまり無茶をしてもらうと困る。
そして今、やけにギルド内が騒がしい。話によれば、新たなる洞窟が隣のこの国で3番目にデカい"オリアトフ"っていう国の地域で見つかり、見つけたはいいものを冒険者が負傷して戻って来て攻略はできていないらしい。それでいろんなギルドから冒険者を募っているのだそう。
俺は正直興味しかないが、冒険ランクB以上の冒険者が3人ほど行ったが、あっけなく返り討ちにあったという。他の高ランク冒険者は総じて出計らっているらしい。
「蘭丸よ、ここ最近にぎわっている洞窟だが、俺1人で行っても問題ないと思うか?」
蘭丸は難しそうな顔で答える
「信長様の力を信じていないわけではありませんが、まだここでの経験と未確定なものが多数あるので信長様だけでは危険かと...」
「やはり、お前もそう思うか?」
「ところで、お前は何を読んでいる?」
「信長様のスキルと洞窟についてです」
「スキルについては理解するが、洞窟についてはなぜだ?」
「私が止めても信長様は行ってしまわれますから、事前に調査を...」
「ふっ、俺をよく知っているな。さすがだ」
少し意思を見透かされて思わず笑ってしまった。
「本を読んで洞窟について何かわかったか?」
「はい、基本的に洞窟は主になる魔物がいて、その魔物が配下の魔物を利用し、自分の住処にしてしまうとのことです」
「じゃあ、その主を倒せばいいのだな」
「簡単な話はそういう事です」
俺は少しばかり考えた。洞窟への興味はあったが、それ以上に自分の力を試してみたくなった。その熱はかつて長篠で武田とやり合った時の熱に似ている。
「蘭丸、オリアトフに行くぞ」
「はい?」
「今、なんとおっしゃいましたか?」
「オリアトフに行くといったのだ」
「まさかですが、洞窟に行かれるのですか?」
「そうだが」
「ならば、ここのギルドで討伐部隊を組んでいるらしいのでそれに参加してみてはいかがでしょう」
「そんなものがあるのか?」
「朝、食料調達時にそれを聞きました」
「なるほど、利点は?」
「金銭の節約と複数人が討伐部隊でいることで個人での討伐よりかは安全かと」
「欠点は?」
「欠点としては洞窟内の状況が分からないことと報酬が減ってしまう事です」
「なるほど。では、利点の方が大きいな。」
「行ってくる」
「お待ちください!」
「どうした?」
「お供いたします」
「ふっ、ではついて参れ」
俺もつくづく甘くなったものだと実感した
そうして身支度を済ませ、ギルドに向かった。
ついてみると、やはり大勢の冒険者がいた。
そこから聞こえてくるのはやはり洞窟についてだった。
受付のコノハに討伐部隊について聞いてみた。
「コノハ、討伐部隊について聞きたいのだが」
「あ、それについてですが...」
「どうした、何か問題でも?」
「えーと...」
「はっきり言いたまえ」
「皆さん血気盛んで、個人での討伐を目指しているみたいで人が全然集まらないんですよ」
「なに?」
予想外の出来事に沈黙していた時、横から誰かがコノハにしゃべりかけた。
「女のひと、討伐隊についての話を耳に挟んだのだが」
どこか聞き覚えのある雰囲気を感じると同時に自然にそのものと目が合った。
瞬時に気づいてしまった。同胞の者だと。
本能的に俺と相対したそいつは刀を抜いた。
「日本刀とはな、貴様何者だ」
相手が冷静で低い声で話す。
蘭丸は即座に能力を使う。
(何だ、こいつは?基礎能力は全体的に信長様には劣るとはいえこの高い能力は?それに信長様よりわずかに小柄ながらも迫力も劣っていない)
蘭丸の目には二人に似ても似つかないあの戦乱の世での光景が再生されていたのであった。
「何者だ?いいだろう教えてやろう。と言いたいが、お前も感づいているのではないか?」
2人は息も合わせていないのに刀を同時に下げた。
「貴様、信長か」
「いかにも」
それを聞いた男はいきなり膝をつき土下座をした。
「な、なにをいきなり!」
蘭丸はその様子に心配になり、駆け寄る。
「心配するな、蘭丸よ」
「え?」
蘭丸は困惑していた。
「こやつは俺とお前と同じあの時代の者だ」
「え?」
「お前はあの時まだ8つどかだからな」
「いったい誰なのです?」
「こいつは浅井家当主浅井長政。北近江の鷹と呼ばれた俺の盟友よ」
「浅井長政⁉っていえば、朝倉に進軍したとき我らの背を突いた裏切り者」
「そうだ、俺もあの当時、浅井に怒りをぶつけ義兄弟を殺した」
「でもしかし、久しぶりの再会で土下座までするとは相も変わらず、忠義に憑りつかれているな」
「しかし、俺の判断はお前を裏切ったのは違いない」
「良いんだよ、そんなこと。」
「ちょっと3人だけで話せるところに行こう」
ギルドを出た後、俺たちは飲み酒場に向かった。
「久しぶりの再会を喜び合おうじゃないか」
「それに、知り合いがいたんだ。いろいろ話を聞きたい」
「できる範囲で答える」
「じゃあ、まずここにきてどのくらいの時が立つ?」
「そうだな、かれこれ9年ほどになる」
「その9年何をしていた?」
「見知らぬ世界の中に一人さまよっていたが、偶然にここにたどり着いた。そこで1つの書物を見た。」
「それはまさか230年後に厄災が来るってやつか?」
「そうだ、ではお前たちも見たのだな」
「ああ、だから俺は天下統一のために動いている」
「なるほど、兄さまらしい。俺もいづれ来る厄災のためにこの世界の研究と魔法の研究を行っていた」
「しかし、欠点があることに人手がまるで足りない」
「確かに、ここで1人はきつい」
「そこで提案がある。俺も兄さまの傘下に入れてはくれぬか?」
「は?」
「俺はあの時、兄さまを裏切り恩を仇で返した。だからあっちでは朝倉の見方をしたが、ここでは兄さまの手伝いがしてみたい。」
と涙を流しながら、胸の内を話してくれた。
「それだけか?」
俺は調子に乗って聞き返す
「それだけではない。俺は"織田信長"を見てみたい。」
「おれを?」
「いつもお市が言っていたのだ。"兄さまはいづれ天下人になられるお方"だからいつまでも俺が兄さまを守ってくれと」
「相変わらず堅苦しい男よ、だが、お前のような強きものを傘下に入れぬというのは天下人として愚の骨頂よ」
「で、では...」
「友に行こうぞ、兄弟よ」
信長の出した片手に長政は両手で強く握っていた。
この時の信長はあまりの決意の固さと熱気で感動までしていた。
こうして、約10年の時を経て、再び織田信長と浅井長政が手を組むことになった。
次に進むは洞窟攻略。3人は酒場を出てギルドに戻るのであった。
次回は、洞窟攻略回です。盟友の共闘に乞うごご期待ください。




