信長の転生
こちらの作品はフィクションとなっているので、史実からかけ離れている可能性がありますのでそこのところはご了承願います。今回が記念すべき1話目とのことなのでなにとぞ応援お願いします。
時は1582年六月二十一の日の出前、本能寺にて大火が上がった。
それは第六天魔王と呼ばれた織田信長が最期の時である。
この日より1日ほど前、進軍をしていた明智光秀の軍が進路方向を変え、信長が滞在していた本能寺に軍を差し向けた。理由はただ一つ、織田信長を討つために...
差し向けられた明智軍は本能寺を包囲し、信長を完全に追い詰めた。
「信長様!急報です!」
信長の側近として森蘭丸が駆け込んできた。
「おぅ、蘭丸よ、何の騒ぎだ?」
「て、敵襲です!」
「敵襲...だれだ?」
「明智光秀です。」
「明智が...わかった俺も戦おう」
「いけません!信長様は脱出を!」
「ふっ」
不敵には笑う。
「何を言う、蘭丸よ。俺は幾度も戦をした。今の兵力ではこの窮地も地獄に見えよう」
「ですから、お逃げを!」
「だから、戦わなければならないのだ」
そういって弓だけをもって、ふすまを開けて部屋をいった。
本能寺の外を見るとそれはあまりにも劣勢。明智の軍勢が1万に対して、信長はせいぜい200程
しかし、信長にはもう一つ見えていた。眼前に見える。敵将の姿が…
見つめ合う2人の間に誰かが入ることもできぬような緊張感が走る。
すると、明智が大声でしゃべり始める。
「皆の者!前を見よ!」
その言葉で敵兵の目が信長に集まる。
「その視界に見えている男こそ我が敵、織田信長である!」
「奴を討ち取れば、この私が天下人になる日も目前となろう!俺のためにその男を殺せ」
その言葉に信長も返す。
「普段喋らないというのに、意外と流暢にしゃべるものだな」
その言葉を聞いた。明智が信長に鋭い視線を向ける。その目には黒くとも熱い意思があると、信長も感じ取っていた。
ゆっくりと明智が目を閉じ、深呼吸をし雷の如く大声が木々を通り越してあたりに響き渡る。
「かかれぇぇぇ!」
この声と同時に明智軍が全軍で突撃してくる。
それに応じて、信長も弓で応戦する。
護衛のわずかな兵が侵入させまいと信長を守る形となったが、信長は正確に敵兵を討っていく。
弓矢が切れたころ、弦を引っ張っていた手のひらはボロボロであり、途中で受けた矢で肘も使い物にならなくなっていた信長は片手だけで刀で応戦していた。自らの武の力だけで何とか戦っていたが、体力の消耗もあり、限界が達していた。
(まずいな、そろそろ限界か...)
その時の信長の兵は数十人程度になっていた。
油断をした信長の眼前に刃が降りかかる。
(我の人生もここまでよ)
その瞬間、信長の前に蘭丸が飛び出してきた。
「信長様!」
その刃はまだ齢18の若者を容赦なく叩っ切った。
「蘭丸!」
怒りから最後の力を振り絞り、敵兵を蹴散らした。
その様子を見た敵兵、明智までもが驚いている様子だった。
その姿に敵兵も後ずさりするしかほかなかった。
信長は蘭丸の無残な姿を見た後、敵将明智光秀と目を合わせた。
明智はその表情を見て、目を見開き唖然としていた。
信長は何事もなかったかのように寺に戻っていった。
その奇行に今まで戦場だったとは思えないほどの静寂に誰もが言葉を失ったいた。
「光秀様、光秀様!」
「信長が中に入りましたが、どうされますか?」
「あやつ、笑っておった」
「え?」
「全兵そこを動くな!」
ここで明智はここで交戦をやめた。
明智光秀には鮮明にはっきりと信長の姿が見えていたのだ。
境内では信長ひとりだけになっていた。
信長は明かりとなっていた火を倒し、火をつけその場に座った。
深呼吸をし、外にいる敵軍を見つめていた。
外では火の手が上がり、驚いているのが分かった。
火は日の出前の風でどんどんと広がっていく。
火の音で外の音が聞こえなくなったころ、信長は短刀を取り出した。
そしてこの言葉を残し、ついに地に伏したのであった。
「是非に及ばず」
その言葉は光秀にも届いていたのかもしれない。
光秀は本能寺と主だった男の最期を見届けていったのである。
どこからともなく、風が吹く、
(俺は本能寺にて死んだのでは?それにしても肌で感じて分かる良き風だ)
1人の青年は目を開ける。そう、この青年こそが織田信長である。
俺はあたりを見渡す。その光景には目を疑った。目の前には草原、木々はもちろんあったが、それよりも驚いたのは空高くに飛んでいる少しばかり巨大な虫と鳥。地上の虫は見たことの尺位だった。草原には水を彷彿とさせる柔い妖がまばらではあるが、複数いた。
「なんだ!ここはぁぁぁ!」
-織田信長は異世界に転生したのであった。




