僕の頭が正常であったなら。
この前、学校にいた時に警報が出た。
普段なら、学校が安全だとかなんとかかんとかいって、帰せてもらえないらしい。
だがこの前は例外だったらしく、学校に来て二時間もせずに帰らされた。
最寄り駅までチャリ通学ガチ勢を極め、最寄り駅から定期の駅まで電車通学ガチ勢を極めている僕としては、非常に迷惑な事態だった。
学校の地元に住んでいる友達が
「折り畳み傘二本あるから、一本貸してあげようか?」
と言ってくれたが、わざわざ図書館に本を返すためだけに、前日にリスと化して無理矢理気力を奮い立たせ、学校まで来た僕としては、放心状態で弱音しか吐けなかった。
今、願い事が1つ叶うならば、時をかける少女になりたいと今になって願う。
担任兼顧問の教師Tに
「恩田陸の最新刊(薔薇の中の蛇)が私を待ってるんで、図書館行っていいですか?」
など、意味が分からない交渉をしながらも、学校に帰らされた。
実は、チャリ通学ガチ勢兼電車通学ガチ勢兼バス通学ガチ勢も務めている僕である。
学校の近くのバス停のバスに乗り、駅まで歩こうと思ったのだが、雨が強すぎた。
警報すごいぜ!である。
僕は強運の持ち主であるため、その時いた場から徒歩五分のところに、僕に良くしてくれる母方の祖父母が住んでいて、さらにその時いた場から徒歩十五分ほどのところに、両親の職場があるのである。
この前、腹痛で学校に遅刻せざるを得ない状況になり、祖父母宅で少し休憩をし、学校まで送ってくれた時にかけてくれた
「なんかあったら、寄ってくれていいから」
という社交辞令を真に受け、祖父母宅に寄らせてもらうことにした。
急にインターホンを孫が鳴らし、祖父母は少し驚いていたが、快く祖父母宅にあがらせてもらった。
ありがたい。
正直な話、僕は天気を操る力を持ってないから、どっちにしろ自転車は二日間放置プレイされる予定やったんよ。
でも、昨日読んだ『私の頭が正常であったなら/山白朝子著』が面白かったので、タイトルに引用させてもらっただけ。