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お嬢様は本日も現実を無双する  作者: シロネル


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5/7

第5話 昔を思い出しておりますわ!

十歳。


その頃には、わたくしは完全に理解していました。


『この世界、才能格差がひどすぎますわね?』


魔術師には才能が必要。


魔素許容量。

魔術適性。

属性親和性。

演算能力。

精神強度。


努力ではどうにもならない部分が大きい。


ですが。


『努力効率ならどうですの?』


わたくしは異常でした。


なにせ。


中身が社畜。


ブラック企業で心を壊されかけながら、

毎日十六時間労働していた元日本人。


努力耐性が違いましたわ。


「サロメリア様、本日の魔術講義ですが――」

「復習済みですわ」

「では属性変換理論を」

「第五式まで可能ですわ」

「……空間圧縮術式は?」

「先ほど改良しましたわ」


教師が引いてましたわね。


失礼ですわ。


少し頑張っただけですのに。


まぁ、その“少し”が。


毎日睡眠四時間。

起床後即魔力循環。

食事中も術式演算。

入浴中も並列思考訓練。

睡眠時は自動魔力精製。


とかいう狂気だっただけですわ。


『だって怖いんですもの』


異世界。


貴族社会。


魔物。


政争。


暗殺。


前世の価値観で見ても危険すぎましたの。


だから。


止まれませんでしたわ。



そして。


転機は十二歳の頃。


王立魔術学院の入学試験でしたの。


本来、貴族子女は推薦で入れます。


ですがディアローザ家は名門。


実力主義。


『試験首席を取れなければ恥』


という、めちゃくちゃ厳しい家でしたわ。


今思えばブラック企業気質ですわね?


血筋ですの?


「お嬢様なら余裕でしょう」

「当然ですわ」


と、余裕ぶっていましたが。


実際。


余裕でしたわ。


試験会場。


受験者数、数千名。


貴族、平民、地方推薦。


国内の天才が集められたその場で。


「では、実技試験を開始します」


試験官が結界を展開。


標的魔物を召喚。


巨大な甲殻獣。


本来は複数人で対処する訓練用魔獣。


周囲の受験者がざわつきました。


ですが。


『あら』


わたくし、思ってしまったんですの。


『弱そう』


って。


……良くなかったですわねぇ。


当時のわたくし、完全に感覚が壊れてましたの。


だって。


普段の鍛錬相手。


お父様ですもの。


公爵家当主。

国家最強格。

英雄級。


それと日常的に模擬戦してたら、そりゃ基準がおかしくなりますわ。


「サロメリア様、危険ですので防御重視で――」

「はい」


わたくしは素直に返事をし。


そして。


ドンッ――!!


試験場ごと魔獣を吹き飛ばしましたの。


沈黙。


崩壊した結界。


半壊した訓練場。


吹き飛ぶ試験官。


「あ」


今でも覚えてますわ。


周囲全員の顔。


ドン引きでしたの。



結果。


わたくしは主席合格。


歴代最高得点。


前例のない記録。


新聞掲載。


社交界で話題沸騰。


そして。


「ディアローザの怪物」

「化け物令嬢」

「深紅の魔女」


などと呼ばれ始めましたの。


失礼ですわね。


わたくしはお嬢様ですのに。


「サロメリア様、素晴らしいご活躍でした」

「当然ですわ♪」


表面上は優雅に微笑みながら。


内心。


『やらかしましたわーーーー!?』


でしたの。


目立ちたくなかったんですのよ!?


本当はもっとこう!


優雅で!

気品があって!

お紅茶とか飲みながら!


「まぁ素敵ですわね」


とか言って生きていきたかったんですの!


なのに。


現実。


「化け物」

「災厄」

「国家戦略級」


なぜですの。


おかしいですわ。


こんなはずではありませんでしたの。



そして。


学院入学後。


わたくしは出会ってしまいます。


後に“勇者”と呼ばれる少年。


そして。


わたくしの人生を大きく狂わせた――


あの王女に。

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