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ごっこ遊び

シェドから聞いた情報を元に調査が行われる事になった。

白い屋根の家は数軒あり、人が住んでいるとのこと。

【ランク3】は一見するだけでは

人間と見分けがつかない者もいる。

だから、住んでいるのは本当に人なのかどうか

慎重に調べる必要がある。

それまでに、クロヌマという人物を見つけられるのか。


「俺は、最強の宇宙人だ!

 この地球は俺様がいただく」


「そんな奴、俺が倒してやるぜ!」


ふと、通り過ぎた公園から聞こえる子供達の遊び声。

それに、自分自身を重ね、少し微笑むダイの目の前に

見知らぬ男2人が立ち塞がった。


「っ?」


「君、いきなりで申し訳ないが

 私達に同行してくれないか?」


「えっと……貴方達は?」


困惑する様子を見た内の1人が、ダイに写真を見せる。

そこに写っていたのは、紛れもなく自分であるが

その姿はマスクを身に付けた時のものであった。

別に悪い事はしていないのに冷や汗が止まらない。


「あの……これは、一体何の写真ですか?」


「ここに写っている人物は、貴方ですね。

 随分と探しましたよ」


「いや……何の事だかさっぱり――」


「惚けなくても大丈夫です。

 我々は貴方のことを調べ上げていますので」


「我々って?」


「申し遅れました。

 私達は大統領からの命を受け

 貴方を連れてくる様に言われた者です」


「だ、大統領!?

 大統領が俺に何の用が……」


「私達も詳しくは分かりません。

 ですが、貴方に危害を加えるような事は致しません。

 どうぞ、お車へ」


写真に写ったマスクを付けている人物を自分と断定して

会いに来ているということは、調べ上げているというのは嘘ではない。

もし、本当に大統領に会えるなら【イーバヤ星人】(奴ら)の事で何か聞き出せるかも知れない。

そんな思いを胸に車へ乗るダイ。

移動中に色々探りを入れてみたものの

当たり障りのないような返答ばかりをもらい

気づけば、官邸に着いていた。

中にはシークレットサービスのような人たちがいる。

案内された部屋に入ると

そこには、大統領の姿があった。


「少し、彼と2人きりにさせてもらえるかな」


大統領がそう言うと

中にいた人は一斉に部屋の外で待機することになった。


「はじめまして、私は、ケント

 この国で大統領を務めている」


「あぁ、どうも……」


「君の事は、勝手ながら調べさせてもらったよ。

 ここ最近、【イーバヤ星人】と戦っているようだね」


「……あの、どうしてマスクを付けた人物が俺だと?」


「この国は、今や監視社会となっているからね。

 至る所に防犯カメラがあるだけでなく

 インターネットも普及している。

 それに、私が記者会見で話してから

 宇宙人関連としてマスクの人物の目撃情報も

 多く出回っていた。

 それを元に調査させてもらった結果

 君にたどり着いたというわけなんだが……

 君の顔を照合しても身分情報が出てこないんだ。

 教えてくれ、君は一体誰なんだ?」


「大変ご無礼かも知れませんが

 俺から見れば貴方は【イーバヤ星人】(奴ら)

 協力している側の人間です。

 そんな人に自分の事を話す気はありません」


一気に空気が重くなる。


「まぁ、それもそうだな。

 すまない、順序を飛ばし過ぎた。

 では、まず私の目的について話そう」


「目的?」


「少し考えてみてくれ

 突如来訪した宇宙人に対して

 友好条約を結ばなければどうなるかを。

 きっと今頃、この国だけでなく

 地球そのものが滅亡していたとは思わないか?

 私はこの国が、国民が好きだ。

 だからこそ、私は、彼らの要求を飲んだのだ」


「その結果、多くの人が殺されてる……

 貴方も分かってるはずだ」


「君は命の価値が平等と思うかね?」


「は?」


「私は、命の価値は不平等であるべきと思う。

 生まれつき地位や名誉持つ人間がいる一方で

 恵まれない境遇で努力し勝ち取った者もいる。

 平等とは、そんな持った人間がそうでない人間と

 同じ待遇で生きていく事を意味する。

 そんなの不平等だとは思わないか?

 だからこそ、命の価値は不平等であるべきなんだ」


「あんたは……何が言いたい?」


【イーバヤ星人】(彼ら)が殺しているのは

 本来、死刑になる程の大罪を犯した者たちだ。

 その無価値だった命が再利用されただけに過ぎない

 ということだよ」


「ふざけんな!

 人権無視して人殺しを認めるのが

 国のトップのやることか!」


「大罪を犯した者にも人権はある。

 だが、それを求めない者がいるのも事実。

 要は、複雑なものなんだ。

 出来れば誰も犠牲になってほしくはない。

 だが、現実はそうはいかない。

 大勢を救うためには仕方がない事もある」


「それが、人殺しを正当化する理由か……

やっぱり、アンタは信用できない」


「本当にすまない。

 君の気を悪くするつもりじゃなかった。

 ただ、君に協力を要請したかっただけなんだ」


「協力?」


「そうだ。

 最近、【イーバヤ星人】(彼ら)

 見境なく命を奪うようになってしまっている。

 このままではこの国だけでなく世界が危うい。

 そこで君に、我々と協力して

 【イーバヤ星人】の討伐を手伝っていただきたい」


突然の申し出に困惑するダイに一枚の写真が渡される。


「これは……」


そこに写っていたのは【グレジタンス】本部であった。


「ここをアジトにしている事も知っている。

 もし、我々が貴方の敵ならとっくに攻撃されている。

 どうかね、私を信じる材料としては十分では?」


「こんなの脅しじゃねぇか……」


「そう捉えていただいても結構。

 それだけ、私が本気という事だ。

では、もう一度聞きましょう……

 君は一体誰なんだ?」


大統領に協力する事が人々や

グレジタンスの為になるのか。

どうする事が正解なのか。

そんな葛藤が喉を詰まらせた。

 

 

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