第53話 文化祭(3)
正門でパンフレットを受け取り、まずはサツキのクラスの出し物を確認する。
飲食をすると言っていたけど、どうやら教室を使って喫茶店の出し物をするらしい。
「とりあえず、サツキちゃんのところ行ってみる?」
パンフレットを見つつ、有城さんが言う。それがいいかもしれない。サツキだったら、どのクラスの出し物が面白そうとか、知ってそうだし。
人波をくぐりつつ、サツキのクラスである二年C組に着く。まだ十時なだけあって、人はまばらだ。
「あっ、いらっしゃーい! 早速来てくれたんだぁ!」
教室に入るなり、サツキが出迎えてくれる。サツキは白と黒を基調にした、清楚なウェイトレス衣装を身にまとっていた。いつもの快活なイメージとは真逆の衣装で、思わずドキリとする。衣装だけで、ずいぶんと印象が変わるものである。
「サっちゃん、かわいい服着てんねぇ~! これってどこの制服?」
有城さんがサツキに近づいて全身を舐めるように見る。相変わらず、男だったらセクハラもんの行動だ。
「あっ、これはクラスの服飾部の子が作ってくれたんです! どうです、似合ってます?」
くるり、と。その場で回転して後ろまで見せてくれるサツキ。有城さんは拍手しつつ「すっごーい! こんなにオシャレなの作れるんだぁ」とはしゃいでいた。サツキも嬉しそうに笑っている。
……なんていうか、有城さんを見ると「自分もこんな風に褒めれたらモテるのかな」なんて思う。
……いや、さすがに有城さんみたいにベタベタ褒めてたら、逆に嫌われるかもだけど。でも節度を守れば。
「あっ、そういえばどうします? お店入りますか?」
ひとしきり有城さんと話し終えたサツキが僕たちに聞いてくる。
「いや、まだ早いから後でまた来るよ。あ、あとサツキ的に他に面白そうな出し物あったりする?」
「出し物? それなら、一年A組のお化け屋敷と三年C組のプラネタリウムは昨日すっごく評判よかったよ! うちも行ったけど、レベル違ったもん!」
やっぱり在校生だと、いい情報を知ってる。それにどちらも面白そうだ。




