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第40話 オブシーンを捕まえろ(7)

「――今は、マツダの出方をみるのがいいと思います。みんなはどうですか」


 全員に問いかける。片瀬さんは隣で頷いてくれた。綾乃も咳払いを一回してくれたし、有城さんも通話越しに「オッケー」と言ってくれた。


 とりあえずこの状況になったら、なるべくマツダがボロを出すように仕掛けつつ、突入のタイミングをうかがうしかない。


「――この写真はまだ警察には言ってないから安心してね。俺も、若い子が警察に捕まるのは見たくないからね。でも悪いことをしたら、反省しないといけない。わかるよね?」


 マツダが口を開く。いきなり警察の話をしていることに違和感がある。


「万引きって、被害届が出てないと逮捕できませんよね?」


「ううん。あんまりないケースだけど、第三者が告発する形でも逮捕はできるよ」


 僕の疑問に片瀬さんが答えてくれる。法律関係はまだ疎いけど、そうなのか。であれば、マツダがスーパーではなくいきなり警察の名前を出したのもおかしくはないのか。


 とはいえS.G.Gであれば、まずはスーパーに連絡してからその後の判断を仰ぐべきだ。Gメンの独断で告発して逮捕してもらう、なんてことは普通はしない。綾乃が何もしらない少女だと思って、脅しで警察の名前を出したようにしか聞こえなかった。


「――どうすれば、いいんですか?」


 綾乃が独断でマツダに問いかける。この場面では的確な質問だろう。マツダの意図が読める。


「――まずは、学生証とスマホを出してくれるかな? もしもの場合は学校にも連絡しないといけないからねぇ」


 マツダが言う。まずは外堀から埋めていく気だろうか。なかなか尻尾を出さない。


「月之下くん、まずいかも」


 片瀬さんが焦った口調で言う。


「綾乃ちゃん、スマホでボイスレコーダー起動してるから。スマホ確認されたら、今回の件がバレちゃうっ」


 片瀬さんに言われて気づく。そうだった。スマホはロック状態でも、ボイスレコーダーが起動していることが表示でわかる。それを見たら、マツダもハメられたことに気付くかもしれない。


 くそっ、どうすればいい。今の時点ではマツダがオブシーンという確証は得られていない。しかしこのまま泳がせると、今回の作戦のことがバレてマツダが逆上する可能性がある。


「綾乃、一旦スマホだけは出さないでほしい。そもそもこの場面でスマホの提出を求めること自体、おかしい」


 もしかしてマツダはボイスレコーダーの存在を警戒しているのだろうか。いや、単純に連絡の手段を断つため?


 いずれにしても、スマホを出すのはまずい。それにこのインカムだって、スマホのアプリを使って接続しているのだから。

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