第32話
解放された私は祭はあと3日後であることを教えてもらう。それまでは各自IPポイント稼ぎに魔物退治をしまくったりお金貯めて出店の物買うんだと意気込んでいたり、それぞれが楽しむ準備を始めていた。
私は今、生産ランキング1位を取るため何しようかと模索してたら、ガイさんに捕まり、大樹様の枝の加工を手伝わされている。
もちろん私以外のプレイヤーもいるが、ほぼ私がやっている。なぜなら…
『主の攻撃の値が幾つかは知らんがわしと同じ動きができるなら、そっちの切り分けた残りを教えた通りに頼めるか。』
「はーい。」
小さな鳥居のようなものを作る役目を任されました。なんでも、他のプレイヤーの攻撃の値が低いそうで、一切手伝いになってなくて困ってたらしいのですよ。大樹様の枝硬いし大きいもんねぇ。切り分けたのはガイさんだろうな。
まあ、教えられたことをやるのみですが…
結果。
ーー大工を習得しました。ーー
うん。まあ、わかってたけどね。
全部終わったことを伝えて、ガイさんに今度は、
『小さな社の屋根を作ってくれ』
とか
『供物台をだな…』
とか
『組み立てを…』
てな感じで…
「結局私全部やってない?!」
『気のせいじゃ気のせい。』
「嘘だぁ」
全部やらされた。
ーー建築を習得しました。ーー
いやいや、いらないですよ?!いつ使うのさ!
『まさか期日より前に終わってしまうとはのぅ。』
「もぅ〜!他の人にもやらせてあげてくださいよー。」
『力不足に任す時間なんてない。』
「早く終わったじゃないですか!もう少しゆっくりできたんでしょう!」
『まあ、いい経験になったじゃろ?ほれ、お小遣いやろう。』
ーーMクエストフルクリアを確認しました。報酬IP10000と10000Eが贈呈されます。ーー
…Mクエストフルクリア??
ーークランランキングが昇格しました。ーー
ーー生産ランキングにランクインしました。ーー
Mってメインの略って感じらしい。
高ポイントが報酬のクエストを全部クリアしたってことか。
ほへー…
あとは討伐か。少し頑張って後は程々でいいか。大樹様のところでお昼寝したいし…
ガイさんに挨拶して、外に出る。
すると、カイルが私を見つけた。
「あ、コトリ。何やってたんだ?」
「高ポイントクエストしてた。」
「何系?」
「生産」
「…んー……あぁ!枝の加工か!」
「そうそう。これからお昼寝。疲れた。」
「は?討伐は?全部一位取れって言われてんだろ?」
「まだ祭りには時間あるでしょ。1日ぐらい休ませて。」
「…アハハ…そうだな。どこ行くんだ?」
「大樹様のとこ。」
「……なあ?コトリってあそこ普通にいける感じか?」
「ん?森まっすぐ歩いたらいつの間にかついてるけど?」
ガイさんの仕事頼まれていた間も休憩時間は抜け出して大樹様のところでお昼寝したり休憩していたし…
「……そーか。まあ、俺も行けるから別にいいんだけど。他の奴らがな?なんか全然そんな木見たことないなんて言ってくるからよ。」
「ふーん。条件満たしてないとかじゃないの?」
「その条件がわかればなぁ。」
「んー…称号とかじゃないんだよね?……なんだろね?」
樹霊様に聞いてみるのもいいけど…あの憩いの空間が狭くなるのはやだなぁ。
「ま、俺から樹霊様とかに聞いてみるわ。」
「そーしてくださいな。じゃ、またね。」
「あ!祭の日最後のイベントがあるらしいから!絶対参加だかんなー!」
「はーい」
イベントはもうお腹いっぱいだし…もうとりあえず動きたくない…そうだ、大樹様のところで猿たちの武器作って自由行動させておこう。
とりあえず今日は…
「大樹様の所でお昼寝してログアウトかなぁ。イベント終わってもここに来れたらいいのになぁ。」
1人呟きながら森に入る。
しばらく歩くとすぐに明るいひらけた場所…つまり、大樹様の所に着く。
「大樹様、今日もお昼寝させてくださいな。」
“ア!コトリ!イラッシャイ♪”
「樹霊様も一緒にお昼寝ですか?」
“ウン♪今日ハ自分が抱ッコシテアゲルヨ♪”
あの肉球ボディに包まれるだと…爆睡しそう。
寝る前に猿たちを自由にしてあげよう。
武器も渡して自衛できるようにしてっと。
紙鎌×2
猿たち専用武器
紙で作られた小型の鎌。小さな物なので片手に1つ持てるようになっている。
母の祈り効果…攻撃+45
1体に二本渡して、背負えるように紙紐も作ってあげた。これはただ頑丈にと想っただけだから防御プラスとかはないですよ?
「さ、自由に森で動きなさい。魔物退治をしてくれると助かるよ。」
そう伝えた後うずうずソワソワと動いていた猿たち五体に待ての合図から、
「行きなさい!」
よしの合図をして見送る。
さてさて、肉球ベットに包まれておやすみなさーい。
ピーピーピーピー
「ふぁ〜アラームなっちゃったか。樹霊様、大樹様、私そろそろ帰るね。」
“ウン♪マタオイデ!”
名残惜しげに最後にムギュッと抱きついて離れる。
「あ、猿たち呼ばないと。…猿たちー!帰っておいでー!」
と叫ぶとすぐ近くにいたようで、ガサガサと森から飛び出してくる。
木の上から大ジャンプして私の頭に飛び乗った。
「うわっと。楽しかった?」
感想聞くと猿たちは頭から地面に綺麗に着地して笑うように顔を綻ばせたのをを確認し、一通り撫でた後、アイテムボックスにしまう。
そんな感じのことを祭りが始まるまで日課のように過ごした。
そして祭り当日。
各村のプレイヤー達や各村人たちが白の村に集まったことでかなりの賑わいを見せた。
中央に白い大樹様の社が置かれ白の樹霊様が祈りを捧げる。その周りを赤、青、黄、緑の樹霊様が踊り出す。
真っ白な木の子の周りを4色の木の子が舞い踊る。
…すごく可愛い。
“サァ!宴ヲ全テノ大樹様ニ奉納セヨ!!”
白の樹霊様が叫ぶそれを合図に、花火がパンパンと鳴り、祭りが始まる!
屋台からは様々な料理の香りが漂い。
客呼びが始まる。
そんな光景を、私は…
なぜか、大樹様の枝に乗って樹霊様の貸してくれた望遠鏡使って覗いて観察中なのですよ。
「まあ、依頼なら仕方ないですよね。ですがね?なぜ…」
他の大樹様までいらっしゃるのでしょう?!
白の大樹様のみだった広場には各色の葉を実らせた大樹様達が集まっていた
…どうやって移動したの!
大樹様達もくるのかい!
樹霊様だけかと思ったよ!
で、依頼内容はこちら…
最終特殊クエスト
祭りを守れ!
報酬IP100000
五大樹からの贈り物
別にポイントの量に惹かれたわけじゃないですからね?五大樹からの贈り物も気になりましたけど…
まあ、やることをやりましょう。このクエストの内容の確認からですね。
祭り騒ぎを聞きつけて人がたくさん集まる白の村と、五大樹の集まるこの広場を制限時間内守り抜くこと。魔物退治をするだけで、討伐ポイントは収集できるから、一石二鳥。
制限時間というのはこの五大樹様の広場に宙に浮いた状態でアナログの時間が浮遊している。
それで、とりあえず。60:00と書かれているから1時間守れってことだよね…辛いわぁ。
まずは村の方を守ってもらうのに弓使いのナイトと剣使いのナイトと、猿達に命令を伝え、向かわせる。
そして、こっちの大樹様の護衛は鳥達と、槍使いのナイトと風の子に命令する。これで一応準備万端。
「さてさて、頑張ろうね。みんな。」
倒れることのない戦闘集団の作業をとくとご覧あれ。




