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第22話


どうしようどうしようとゴロゴロしていたら急にコンタクトメールが届いた。


「あ、メルさんだ。」

「もう着いたんですか?!」


えと……?


なんだろこれ。


差出人メル

用件

ことりさんたす



……何かしら危機感を感じた。


「シャール、ヴァイス、ノルア!行くよ!」

「え?え?どしたの!!」

「変なメールが来たの!」


急いでマイホームをでて、フレイアランの方向へ向かう街道に出る。

どこまで行けばいいかわからないし、どこまで来てるのかわからない…私やシャールの足では間に合わないかもしれない。

鳥達なら!

急いでアイテムボックスから鳥達を出す。

「みんな!メルさんが近くにいるはず!探して襲われてたら助けに行け!」


全員が一度頷き、猛スピードで街道の空を突っ切る。


「これでその場しのぎはできる。走るよっ!」

「ちょっと待った…はぁはぁっ。コトリ持久力の値まで多いわけ?…わたしもうっ…無理なんだけどっ。」


え?

「いくつ?」

「30」

「少なっ。」

「確かに少ないのは知ってるよ!…けほっ。」

…まだ肩を上下してる。

しょうがない。

「ノルア、シャールと一緒にマイホームに。」

《…わかりました。行ってらっしゃいませ。》


ノルアにシャールの介抱を任せてわたしは走る。

……

………




『ーーー!ーーーーーー!!』


息があがってきた頃…遠目に馬車を確認できた。

先頭がメルさん。後ろにももう1つ馬車?騎士のような人たちが馬車の周りで剣を構えて警戒している。

騎士の一人が誰かと話している。

山賊のような人が男の子と女の子を1人ずつ抱えナイフを突き立てている。

男の子は領主の子かと思ったけど違うかな?


そして鳥達が人質を確保している山賊風な人たち以外を山積みにしてその上で威嚇。


…これ、鳥達以外全員わたしに気づいてない?


なら。

ナイト達をアイテムボックスから出して、向かわせる。

まず、弓を持った黒いナイトが馬に乗った状態で後ろから足を狙って撃つ。

紙で作られた矢であっても、攻撃力+20なのですごく痛い。その攻撃によって1人がバランスを崩す。

その隙を狙って鷲に合図。もう1人の山賊風のやつが矢で撃たれたもう1人の確認をしようと振り返る瞬間に鷲が頭に突撃!

慌てて手を離す!そして、それぞれ2人の子供が落ちそうになったところで、鷹と梟に服を掴ませ、ゆっくりとメルさんの近くに移動させる。


…ふぅ。これでいいかな?


「はぁはぁっ…メルさん大丈夫でしたか…はぁはぁっ。」

持久力の数値が0に近いのか会話中に息切れがひどい。


『コトリさん!!ナイスタイミングです!!!』

メルさんがわたしの存在に歓喜。


『くそっこの野郎!』

鷲が離れ、立て直した山賊風の男がこっちに来るが、武器は弾かれ、振り抜いた時、武器がないことにきづき動揺する。


「頭上注意ですよ?」

『へ?』


くるくると上に弾かれた短剣は重力に従って落ちる。彼の肩に。

ぐさ…


『ギャァ!』

「てい。」


山賊の首に短剣の柄で一撃入れると、静かに沈む山賊風の男。


「後は…」

花を取り出して無抵抗になってお手上げ状態の1人と気絶した人を拘束。


「はぁはぁっ終わりですかね。」

『流石です!コトリさん!!』


少し落ち着くのを待ってもらう。馬車の近くに座り込んで休憩。

その間に鳥達は私そばに寄り、心配そうに伺って来るので、よしよしと撫でてやる。鳥達のおかげで、間に合ったのだから、当たり前だ。


その間に、騎士の人達が意識を失った子供達を気遣う。後ろの馬車からはメイドのような人が出てきて、怪我の確認をし始めた。


『っ。どうしましょう!サラ様のお顔に傷が!』

『フレン様の腕にも痣が!』


怪我をしていたのかオロオロと焦りだす騎士達とメイドさん。


「はぁはぁっ…怪我…してたんですか?…だいぶ落ち着いてきました…見せてください。」

『傷薬をお持ちですか?!お金はお渡しするので…!』

『痣はどうしましょうっ?!』


「落ち着いて…ください…えと……」

男の子が腕に痣。女の子が顔に切り傷…これぐらいなら。

二人に手をかざし…呪文を声に出す。


「ヒール」

よしこれで完治。跡もない。


『『?!』』

メイドさんがわたしと子供達の傷があった場所を交互に見る。


『これは驚いた…コトリさん、聖魔法使えるのですか!』

「あぁ、はい。できれば内密に…ふぅ。やっと息切れ治った。」


落ち着いたので、子供達を楽な体勢になるように寝かせ、ポンポンと背中を撫でてやる。

顔をしかめていたり、怯えた顔で固まっていた顔から力が抜け穏やかな顔になった。

こっちもこれで大丈夫かな。


さて、何があったのか聞かなければ…


聞くと、依頼人連れて一緒にマグナートに向かっていた矢先襲われたとのこと。


「依頼人って、どんな依頼なのですか?」

『そう言ったことはギルドでしましょう。落ち着いたところの方がいいです。』

「あ、そうですね。じゃ、ご一緒していいですか。さすがに疲れました。」

『えぇえぇ。もちろんですとも!』

御者台に乗って馬の操作の仕方を教わりながらゆったりと一緒にマグナートへ帰ります。



ーースキル馬操作を取得しました。ーー



なんかもらったー。



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