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プロローグ
隣の芝生は青く見えるというけれど、私の芝生が青く見える人なんて居るのだろうか。
父親は私が10歳の時に事故を起こして死亡。母親は被害者への損害賠償を払うために昼も夜も働きに出ていてほとんど家にいなかった。学校では父親が人を殺したと噂が広まっていじめられる日々。先生ももちろん助けてなんてくれなかった。
そんな生活を3年間続けていたら、母親が夜職の客と蒸発した。私は、隣人の通報で児童相談所に保護され、施設で暮らすことになった。施設で暮らし始めてから生活は格段に良くなった。起きても寝る前も挨拶を交わして、誰かと一緒に食卓を囲んで、笑い声や話し声があって、私が求めていたそんな普通の生活。でも、いくら一緒に暮らしていても結局は他人なのだ。心から気を許せる存在はできなかった。




