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メンタル・コネクト
「恒一さん。」
「なんだ、いきなり触ってきて。」
「お、できたできた。」
「……だから何がだよ。」
「今、恒一さんの精神と繋がってます。メンタル・コネクト。」
「は? 気持ち悪いこと言うな。……悪かった、魅了はかけないでくれ。最近ちょっと何かあるとすぐ使うだろ。」
「使ってませんよ。今回は純粋な接続です。」
「接続って言い方がもう嫌なんだが。」
「メリットは二つ。触れた相手には、より強固な精神魔法をかけられます。」
「それはまあ、理屈としてはわかる。」
「もう一つは、他人から受けている精神干渉を断ち切れることです。」
「断ち切る?」
「精神魔法って、魔力の糸みたいなもので繋がってるんです。普通は上書きして奪う。でも――」
「でも?」
「最初から繋がってる糸を切ればいいんじゃないか、って理論です。」
「……強引だな。」
「合理的と言ってください。」
「で、俺は今どうなってる。」
「綺麗ですよ。外部干渉なし。健康な精神状態です。」
「健康診断みたいに言うな。」
「……けど、おかしいなぁ。」
「何がだ。」
「そろそろガチ恋してもおかしくないくらい魅了かけてるはずなんですけど。」
「だから惚れさせてどうするんだよ。」
「保険です。」
「何のだ。」
「私の精神安定の。」
「却下だ。」




