33/59
呪いの指輪
「あの人、どうなったんですか?」
「名前は久遠玲司。本来なら正当防衛でも捕まる。だがこの国のクソな点だ……フリーデンクラスなら“有効活用”だとさ。罪は免除」
「良いんだか悪いんだか……」
「凪はあの後、何してたんだ?」
「あー、これ研究途中のやつなんですよねー」
凪が差し出したのは、銀色の指輪。
一見ただの装飾品だが、内側に細かな術式が刻まれている。
「何これ。ただの指輪じゃないよな。……研究途中って、お前の大学、数少ない魔法研究の正式認可校だろ」
「はい。バレたら退学ですね」
「おいコラ」
「大丈夫ですよ。私が個人的に作ったオリジナルですから。作ったことがバレても退学ですが」
「全然大丈夫じゃないな。で、これは?」
「魔道具です。欠陥がありますけど」
「その欠陥って?」
「メンタル・スタビリティと同系統です。応急措置じゃなくて、持続的に精神を安定させる仕様で……」
「それの何が問題だ?」
凪は少しだけ視線を逸らした。
「外した瞬間、抑えていた分が一気に反動として返ります」
沈黙。
「……呪いの指輪じゃねぇか」




