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出会い

九条玲奈に因縁の相手を殺された。

嬉しい。だが、空虚だ。

自分の手で終わらせたかった。

残存魔力を探る。

瀕死に追い込んだのは、フリーデンの波長じゃない。

背筋が、ぞわりと粟立つ。

「悩み事ですか?」

振り向く。

見知らぬ少年が立っていた。

「誰だ、あんた」

「初対面に向ける目じゃないですね」

「……悪い。ただ驚いただけだ。凄い魔力量だな」

「魔力、感知できるんですか?」

「一般人には無理だ。俺はフリーデンだ。多少はな」

「へぇ……」

少年はわずかに首を傾げる。

「それで、悩んでたんですか?」

「ああ。燃え尽き症候群ってやつだ」

「ありますよね、そういうの」

声は軽い。

だが、圧がある。空気が重い。

「神代恒一だ。君は?」

「神谷宿です」

一拍。

「……神谷?」

「はい。父は元フリーデンです」

「元?」

「神谷禅。創設初期の」

空気が凍る。

「史上最強の……あの神谷禅か?」

「ええ。父です」

嘘を言っている顔ではない。

むしろ、その魔力量が何よりの証明だ。

「曾祖父の間違いじゃなくて?」

「父ですよ」

沈黙。

「……面白いな、お前。仲良くなれそうだ」

「嬉しいです」

「固有魔法は?」

「ありません。魔法の核心には辿り着いていないので、汎用魔法だけです」

「それでその出力か。とんでもないな」

神代は小さく息を吐く。

「推薦してやる。今フリーデンは人手不足だ」

「焦らなくていいですよ」

宿は微笑む。

「まずは友達から。興味が湧いたら、ですね」

「いいよ。そうしよう」

連絡先を交換し、神代が歩き出す。

少し遅れて、言葉を紡ぐ。

「……やっぱり、フリーデンは面白いですね」

その声は、誰にも届かない。

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