訓練
瀬名悠真との訓練。
一瞬で間合いを詰められる。
反射で血の斬撃を放つ。
だが、加速魔法。
軌道がぶれる。躱された。
想定内だ。
直進しかできないはず——
軌道上に合わせ、二撃目。
……消えた?
急停止。
勢いを完全に殺している。
次の瞬間、加速を乗せた蹴り。
視界が回転し、地面を転がった。
「強いな、悠真。流石最強」
「いやいや、危なかったよ? 加速できても動体視力はそのままだし。今のは予測してたから間に合っただけ」
「謙遜するなって。一対一の近接なら、フリーデンでも最強だろ」
「まあね。でも火力は透花と雷堂の方が上。射程と手数は君。玲奈と詩織は別方向の強さがある。さっきのも本気なら分からなかったよ」
「……それもそうか」
汗を拭う。
「急に訓練なんてどうしたの?」
「いや……お前と話す機会、少ないなと思ってな」
「話?」
少し間を置く。
「正直、あの二人が裏切ったこと、どう思ってる?」
「あー……裏切りっていうより、政府が高給で囲い込んだだけでしょ。敵に回せない強さを管理したって感じ」
「ふーん……」
「何? 急に」
「お前までいなくなったら、そろそろ終わりだなって思って」
悠真は笑う。
「裏切らないって。今の生活、結構気に入ってるし」
「魔法規制については?」
「もう自由でいいんじゃない? ネットで今も新しい魔法が生まれてるし、止められないよ」
「感覚派が変なの量産してるよな」
「面白いじゃん。僕もたまに真似するし」
「へぇ……魔法好きなんだな」
「生まれたときから使えたからね。君は珍しく後天的に核心に辿り着いたタイプだけど」
「……魔法普及派なのかよ。マジで裏切るなよ?」
「だから裏切らないって」




