雨宮、ついに限界
夕暮れの広場は、二階堂の暴走と巻き込まれたモブたちの混乱で騒がしい。
二階堂は雨宮の腕にしがみつき、泣きそうな顔で必死に訴えた。
「ねえ、雨宮くん……なんで私の声、聞いてくれないの……?」
「私、寂しいんだよ……少しでもそばにいてくれたら嬉しいのに……」
「お願い……私だけ見ててほしい……!」
雨宮はため息をつき、肩を落とす。
「二階堂……もう本当に落ち着こう……周りも見ろって……」
(……どうしてこんなに必死なんだ……でも振りほどくこともできない……!)
モブたちは思わず口を開く。
「先輩……完全に手に負えないっす!」
「でも見てて面白いな……」
子供や犬の散歩中の人も巻き込まれ、広場全体が笑いと混乱の渦になる。
二階堂は泣きそうな目で雨宮を見上げ、少しずつ声のトーンを変えて訴える。
「私……もう、ひとりじゃ我慢できないんだ……」
「お願い……もうちょっとだけ、ここにいてくれたら……」
「ねぇ、雨宮くん……私のこと嫌いじゃないよね……?」
雨宮は覚悟を決め、少し距離を取って声を張り上げる。
「二階堂、わかった! でもちょっと落ち着こう! みんな巻き込むのはダメだ!」
「モブたちも巻き込むな! お願いだから……!」
二階堂は泣き笑いのような表情で、まだ腕にしがみつき続ける。
「だって……心配で……どうしても放せなくて……!」
「お願い……ねぇ、お願い……!」
副会長・小早川美咲は、冷静に観察しつつ西岡(生徒会長)に囁く。
「西岡、もう誰も止められませんね♡」
西岡は赤面し、途方に暮れるしかない。
「……副会長、手を貸してくれ……この状況は……」
広場の風に舞う落ち葉や紙片、犬の鳴き声、モブや通行人のざわめきが、二階堂のメンヘラ全開の愛をさらに盛り上げる。
雨宮は必死で状況をコントロールしようとするが、二階堂の無邪気な暴走には到底及ばない。
こうして、雨宮は限界を迎えながらも、二階堂の感情の洪水と街中のカオスに振り回され続けるのだった。




