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一話:どこかで出会ったことがある?

 俺の名前は鈴井翼すずいつばさ。不幸を司る神を手懐けたと言ってもいい人間。そう不幸体質だ。

 小学中学、色々なことがあった。いいこと?あるわけないだろ聞くなよ。だがそんな俺にも転機が訪れた。高校である。

 俺は3県ほど離れた高校へ行くことへなった。桜坂高校さくらざかこうこうという名前の高校だ。探したら2つ目がありそうなほど平凡な名前の高校だ。俺はこの高校で平穏に過ごすんだ。

 誰とも関わらず。誰からも忘れ去られて、人とかかわらない。そんな高校生活。


 さて3県ほど先の高校に行くために、親は高校の近くに引っ越してくれた。いつか親孝行、してやらないとな。俺は山の中を歩きながら晴天の空を見つめた。

 少し歩いていたら、だんだん高校が見えてきた。山の中に建てられた高校は、緑豊かなきれいな高校だった。俺以外も生徒は沢山いる。黒一色の制服に身を包む男子に、長いスカートの可愛いセーラー服をきた女子。

あぁ…俺はこの高校で本当に過ごしていくんだ。そうして俺は桜坂高校の正門を通った。


 なんとも珍しい頭に毛がフッサフサの校長の全くつまらない話を聞き、眠気と戦いながら俺は自分のクラスにはいる。

 おいおい最高かよ。俺の席は右上の一番後。なんてこった。俺はまだ神に見捨てられてはなかったらしい。俺は自分の席につく、あらかじめ持ってきた少し分厚いSF本を開く。まったく読んでなくて俺の部屋の奥地へ追いやられ、いつ買ったかもわからない本を適当に開く。

 うんうん、周りから見れば俺は素晴らしいほど影の薄い陰キャって奴だ。このまま平穏に過ごすんだ。

 ドアがガラッと音を立てて空けられる。思わずビクつき目を向けてしまった。

そこにいたのは綺麗と言う言葉がよく似合う女性がいた。セーラー服を着てるってことはこの学校の生徒か?生徒とは思えないほど綺麗な顔立ちだ。黒く、肩につくくらいまで伸びた髪、機械かと思うほど無表情な顔。思わず見とれてしまった。まさかこの世界にこれまで男子が追い求める理想の女性がいるなんて。

 その女はゆっくりとこっちへ向かってくる。なぜだ!まさか、俺の隣の席は空いている。それ以外は席が空いていない。

 案の定、奴はそいつは俺の隣に座った。

そいつはこっちを向く。そして透き通るような声で俺にしゃべりかけてきた。


「私はイブ、あなたの名前は」


 何だよこいつ。急に俺にしゃべりかけてきたと思ったら自己紹介かよ。しかも名前聞いてくるし。絶対陽キャだ。

 だがなぜだろう、こいつの声からはなぜか生気を感じられない。本当に生きているのかと思うほどに。


「俺は鈴井翼です」


 そっけなく自己紹介。これであいつもしゃべる気はなくすだろう。そう思っていた。


「あなたと私はどこかで出会ったことがありますか?」


 ナンパか?だとしても俺以外に顔のいい男なんかそこら中にいるだろ。それと何だよその機械みたいな。どこのチャピーだお前は。


「会ったことないと思いますけど……」


 俺は困惑しながらもそう返すと、彼女は首をかしげ、数秒あとにまた無機質な声で喋り始めた。


「私の記憶フォルダにはあなたはいない。だけど私はあなたと会ったことがある気がする」


 なんてこった。こいつはどうやら、重度の厨二病を患っているらしい。記憶フォルダ?何言ってんだこいつは。


「ところで、あなたは何ですか?」


 おいおい、ここまでくると笑えてくるぞ、何って何だよ。知ったこっちゃねぇよ。何が言いたいんだこいつは。


「何って、どういうことか分からないけど、ただの高校生だよ」


 奴はキョトン顔で俺を見つめていた。いやいや、何言ってんだお前みたいな顔で俺をみるなよ。なんでお前がそんな顔するんだよ。

 逆に俺は聞いてみることにした。


「逆にあんたは何なんだよ?」


するとイブはまるでその言葉を待っていたかのように胸に左手を当て、無機質な声で、だがかすかに感情のこもっている声で俺の質問に答える。


「私は自立型人工知能AI、イブ」


駄目だこいつ。

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