輝く舞台へ、彼等とともに 〜羽ばたけ the 6th anniversary〜
本日で小説家になろうに投稿を始めた日。
それはつまり、「羽ばたけ! 夢の世界へ♪」
が投稿された日です。
もう6年、Another storyでは4年経ちました。
記念日をスルーしてしまうという失態を犯し、
遅くなってしまいましたが……
本編よりは後ですが、年数は経っておりません。
どうぞご覧ください!
たくさんの観客の声が、聞こえる。
興奮する人、感激のあまり泣く人、感想をつぶやきまくる人。
また、テレビ越しで見てる人や、仕事の都合で見れなかった人もいる。
この世界にいる色々な人が、僕を見てくれる。
その人達に僕は、どれだけ返してあげられているのかな……
「ほんっとお前は、ステージに立つと見違えるくらい別人になるよな」
買ってきた飲み物を渡しながら、嫌み混じりに彼ー衣鶴がいう。
お疲れ、と小さく労ってくれた彼にありがとうと返事しながら飲み物を受け取った。
大西夕、アイドルとして活動を始めてはや5年。
ようやく今日で、ドームツアーを終えることができました。
これまでの比じゃないくらいたくさん歌を作って、たくさんパフォーマンスを考えてきたせいかかなり達成感がある。
マネージャーであり、仕事仲間でもある衣鶴とたくさん試行錯誤して作り上げたライブ。
みかける感想はどれもいいものばかりで、やり終えた僕としてはすごく嬉しい。
ライブをやるまでも衣鶴が新曲の批評会だとか、ドラマの鑑賞会だとか言って、僕の出てる番組をみんな呼び込んでやったりしたっけ。
今思い出しても、ただひたすら恥ずかしい思いをしただけだけど……
「ライブの感想ファンレターも倍近くきてるし、アルバムもどんどん売れてるぞ。下手したらミリオン取れるんじゃね?」
「どうかなぁ、そうだと嬉しいんだけど」
「役者にアイドルにモデル。他の奴等に比べたら、売れてる方だろ。少しは自覚持て」
このところ、なぜだか調子がいい。
みんなが僕のことを見てくれているって思うと、いまだに恥ずかしい気もするけれど嬉しい気持ちの方が上だ。
たくさんのファンができるは嬉しいけど、同時に勢いがあるアイドルはたくさんいる。
気を抜けば、いつでも追い越されてしまいそうで内心ハラハラしてばかりだ。
もっともっと頑張らないと、たくさんの人にみてもらうために。
「失礼する!! 夕はいるか!?」
「ゆ〜〜う〜〜こんにちは〜はむ」
「お邪魔します」
そんな時、だった。
楽屋のドアが開き、次々にやってくる。
カメラマンとして働く彼方、編集者の奈緒ちゃん、そして人気作家の真尋ことひろちゃんだ。
3人は仕事柄一緒になることも多く、プライベートでも仲がいい。
こうしてライブ後に楽屋に来ることも、珍しいことではないんだけど……
「みんな、来てくれてたんだ」
「もちろんだよ。ライブ、すごかったね。お疲れ様」
「どの曲もよかった。盛り上がりすぎて、メロンパン六個も食べちゃった。はむ」
「それお前の胃袋が異常なだけだろ」
「みんな揃って、どうかしたの?」
「ふんっ。生意気なほど忙しい貴様に、この私が鉄槌を下そうと思ってな!」
そういうと、ひろちゃんは無理矢理僕に何かを渡す。
それは最近できたという高級レストランの食事券で、なぜか五枚も用意されていて……
「そこ、真尋のお父さんが経営してるとこなんだって。テレビとか雑誌とかで予約困難〜って言ってた」
「夕君、忙しくてちゃんと休めてないでしょ? 今日でライブが終わるからって真尋君が用意してくれたんだ。予約も、行く時に取ってくれるんだよね」
「ええい、勘違いするな! 私はノリに乗っている貴様に、調子に乗るなと説教をしてやろうと思っただけだ!! 断じて、褒美などではないぞ!!」
そう言いつつもひろちゃんの顔は、恥ずかしいのか少し赤い。
こういう不器用なところは、本当にひろちゃんらしいな。
よかったなと覗き込む衣鶴に、いいなぁと羨ましがる奈緒ちゃん。
そしてお母さんのように褒める彼方を、鬱陶しがるひろちゃん。
変わらないな、みんな。
やっぱり僕、みんなといる時間が、一番好きだなぁ……
「だったらさ、みんなで行こうよ。ちょうど五枚あるんだし」
僕が言うと、みんなの視線が一気に向く。
中でも提案者であるひろちゃんは、聞きづてならないとばかりに顔をゆがめさせる。
「ああん? 何を言ってるのだ。5枚あるのは、夕が何回でも行けるようにと用意したのだぞ。その好意を無駄にする気か、貴様!」
「せっかくだから、みんなで行きたいなぁって思って。ダメかな?」
「断固断る!! この私が、こいつらと行くわけ……っ!」
「本当? 僕も行けるの?」
奈緒ちゃんが待ってました、とばかりに目を輝かせる。
「なにぃ!?」と驚くひろちゃんと同じように、二人も、半信半疑な瞳を僕に向けていた。
「だってちょうどみんないるんだよ? 最近仕事で一緒にいることも少なかったし……それに僕は、みんなといる時が一番楽しくて、息抜きになるっていうか……どうかな?」
アイドルを始めて出会った、かけがえのない仲間。
仕事も趣味も性格も違うのに、彼らといるのは心地が良くて楽しい。
ファンのみんなに好かれているのも、きっとみんなが僕を見てくれているからでもあるんだ。
そう思うだけでとても、元気や力が湧いてきて……
「……本当、物好きだな。夕は」
「夕君がよければ、僕は全然構わないよ」
「行く。僕、キャビア食べたい」
「ええい、貴様らは揃いも揃って! 私の好意をなんだと……!」
「嫌ならお前は行かなくてもいいんだぞー?」
「……わ、私でなければ5人分の予約などとれんだろう! 今回だけだからな!!」
衣鶴、彼方、奈緒ちゃん、ひろちゃん。
アイドルじゃない、一人の大西夕として接してくれる彼らが好きだ。
もちろんYOU☆として見てくれる、ファンのみんなのことも。
「じゃあ行こう! みんなで、一緒に!」
その好きという気持ちを、もっともっと届けるために。
僕はアイドルとして、みんなの前で歌い続けるんだ。
fin
実は書いていた当時、年長3人組ははるかに年上でした。
ですが気づけば同年代……
悲しい反面、感慨深い気持ちの方が大きかったので、
他作品とは違い、彼らだけはあえて
年を取らせませんでした。
何もかも違う5人ですが、絆や繋がっているものは
どのメンバーにも負けてないですね。
next characters ○○○ someone……




