↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「ジグ」:新たな神話  作者: らゐをふ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
16/16

「クナ」

「させないわ」

 ウズメの前に怪しい女性が立ち塞がる。ウズメはそれが人間であろうと容赦無く切り伏せた…様に見えた。

(ウズメ!待って!!)

「ヒカネ なぜ止めた」

 動きを止めたウズメに女性は顔を近づける。

(ガチ恋距離…!間違いないよ伝説のダンサー『クラネ』様だよ!!)

「誰…?」

 静止するウズメの顔を優しく両手を添える女性。

「なぜ動かないのかわからないけれど……私は『クナ』」

「人違い!!」

 ウズメは手を払い後退した。

(違わない!私の初恋!)

「他人のそら似だ」

(ウズメのモデル!!)

「……うそだ」

 剣と、衣服が床に落ちた。



「『暴走』など下らない この『名無し』は私が進化させる」

 倒したと思われた化け物。それは肥大化していき、大きな雄叫びをあげた。

「『ヤタ』 私の実験体となれ」

 男は進化した化け物をヤタと呼んだ。ただ、その呟きは誰の耳にも届いていなかった。

「どうなってんだよ!アイツ救えるのか!?」

「手…あの人が持ってる」

 注目こそ浴びてるが、声が小さく届いていない。カムイは車椅子に座り直し、ため息をついた。

「せめてクナの様にこちらに向かって来る者が居れば良かったのだが……」

 正義感溢れる若者たちは、ヤタに向かって飛び掛かっていた。

「まぁいい 救えぬ絶望を知れ」

 退場しようとするカムイ。鏡花だけは、その動向をひたすら観測していた。

 そして撃った。ジグと融合した指から、銃の様に「骨」を。頭に当たり一瞬気絶したカムイから、流布は素早く手を奪った。

「鏡花ナイス!後はデカくなっただけのアイツ!」

「流布…すごい」

 互いに褒めあうカップルをよそ目に、気の合わない文也とタツキが鬱憤を晴らすようにヤタをボコボコにしていた。

 動かなくなってしまったウズメから引き、カムイの元に戻るクナ。ビンタしてカムイを起こし、一言「ダサい」と告げた。

「上手くいかないな……敵も創作も」

 二人は影に飲まれ消える。やがてヤタも倒れ、一先ずの争いが終わった。

「ヒカネ…今はウズメだっけ あの二人の事知ってる?」

 汗をかいてスッキリしたタツキが訊く。上着をかけながら。

「……分かんない」

 ほぼ裸になっていたウズメ。ヒカネに戻っている声ではあったのに、恥ずかしがるどころか涙を零していた。



「先生!手が!取れて!!」

 流布は被害者を担いで保健室に来ていた。保健室の先生、カインは手を挙げる。

「お手上げだ 病院行け」

「それもそうか!」

 急いで電話を掛けようとする流布。すると、どこからか白い機械が3体被害者の元に飛んでいく。

「イケルイケル!」

「粘着ムシ!縫合ムシ!トツゲキ!」

「メンタルハ!管轄ガイ!」

 スムーズに対処してしまった3体の機械。元の姿に戻し、そのままベッドに寝かせた。カインも流布も、口を開けたまま眺めていた。

「先生 何これ」

「流行りの『アマテラスAI』を使った実験体……凄いな俺」

 自惚れるカイン。被害者の腕を確認し、本当に大丈夫なのか機械に確認しようとする。

「メンタル次第!ワタシ達ノムシは安全!」

「ムシモキカイ!」

「キカイナキカイ!」

 それぞれが目、耳、口を隠すように黒い布を覆った白くて丸い機械3体。カインの趣味で作られた物が、奇しくも新たな被害を救う救世主となってしまった。

「先生はこうなる事を知っていて…?」

「いや 偶然」

 いつも冷静なカイン先生が見た事の無い表情をしていた。多分、本当に偶然なんだと思う。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。