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恋愛時計  作者: 夢呂
【1】九遠香子
4/15

4、

私の最後の恋愛はといえば、もう五年ぐらい前。


当時はまだ三十路手前で。

高校や大学時代の友人は結婚ラッシュ。

私もこの人と結婚するもんだと、漠然としながらもそれなりに幸せに付き合っていた。


─────と、思っていた。




「大丈夫ですか?」


あれ?ここ────・・・・私の家?


意識がまだ朦朧としながらでも、自分の家だということは理解できた。そして自分の家に、なぜか昔宮くんがいる。


(ってことは、夢?)



「まったく、驚きましたよ!九遠さんが酔っ払って歩けなくなるなんて。気を付けてくださいよ」


すぐ近くに、ぶつぶつと小言を言う昔宮くんが見える。

なんだかんだ言って、世話を焼いてくれるのが彼らしい。



ああごめん、昔宮くん。

私、そんなに呑んでた?

おかしいなぁ、私────いつも酔うことはないんだけど。


「あぁ、もう。脱ぎ散らかしてるし!─────お水です、飲めますかー?」


ううん、今は要らない。


今は─────もう喉、渇いてないから。


「え、ちょっと・・・・・っ。困りますって九遠さん!?」


私があんなに喉を枯らしたのはね─────あの日、あの夜だけだから。



「─────嘘つき・・・」



あんな想いは、もう二度としたくない。


(───私は、嘘つきなの。)

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