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恋愛時計  作者: 夢呂
【2】昔宮 了
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11/15

2、

“人を好きになるのに、時間や理屈は関係ない”────以前(まえ)にそんな話を誰かがしていた。


『私は・・・・そういうのはもう、いいかな』


───あの日、その台詞(ことば)を聴いてしまってから。


『もう、誰とも付き合うつもりないから』


───彼女のことが、気になってしまっている。


仕事で相談したいことがある、────そう言えば久遠さんは仕事のあと呑みに付き合ってくれる。

久遠さんと行く居酒屋はいつも同じで、どこにでもある大衆向けのところ。ビールや料理をすぐに持ってきてくれるし、料理の一品一品も美味しいと、彼女が気に入ってくれたようだったから、いつも同じ。


高級レストランが似合いそうな久遠さんだけど、こういう居酒屋で飲みながら話をすると、親近感が湧く───また、距離が縮まったと錯覚してしまいそうになるくらいに・・・・。


───あれ以来、僕はずっと恋愛系の話には触れずにいた。否、触れずにいたというより触れられなかったというのが正しい。

一度彼女と自分の距離を知らされてしまってから、そこに足を踏み入れる勇気も・・・持てなくなってしまった。


なのに、彼女への想いが尊敬する先輩から気になる異性になっていく矛盾した気持ちに───どうしようもなく堕ちていった。



「受付に新しく入った“久住さん”、知ってる?」


その日もいつもの居酒屋でビールを飲みながら雑談をしていた。

珍しく久遠さんの口から、固有名詞が出てきて僕は少し驚いていた。


「はい、知ってますよ。同期の奴らが可愛いって騒いでましたから」

「そっか。そうよね、私も今日受付の前を通る時にあまりにキレイな子だったからジッと見つめすぎちゃった」

「・・・へぇ、意外です」

「見てるだけで癒されるのよ」


それは、どう捉えたら良いのだろう?


「それはぜひ、仲良く・・・なりたいですね」


僕が久遠さんの反応を伺いながらそう言うと、彼女は嬉しそうに笑った。


「そうね。そしたら私にも紹介して欲しいわ」



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