メイランの民2
どうも皆さんおはこんばんにちは!
マクミランです!
寒いですね~。今回はちょいと早くしたかったんで描写もかなり少なめです!
ヘリから降り立った俺たちは大きく口を開いた洞窟のすぐ外に立ちすくしていた。洞窟の中はどす黒い闇で覆われていて入ったら出てこれないんじゃないかと不安に刈られるほどだった。俺たち冬木、愛梨、灯と俺はまじまじとそのなかを見つめていた。
「なかなか雰囲気あるね」
「お兄ちゃん怖いよぉ」
冬木と灯りがぶるぶる震えている中俺と愛梨は洞窟の中を目をほそばめながら見ている。
「りょー。どう思う?」
「選択の余地ないだろ。入らないことには先が進まないしね」
頭をかきながらはあっとため息をついてしまった。本来、ここで愛梨が俺に向かって思いきりのグーパンチをしてきてもいいのに。愛梨はため息をつくことやどうしようもない空気が苦手らしい。
このまま洞窟に入ろうとした瞬間・・・・
《きたね・・・まっていたよ》
この脳内に直接響いてくる低い声。これは、まさか・・・。
「お兄ちゃん!頭が痛い・・!」
「良介!なにこれ!!?」
突然声を荒げる灯と冬木。愛梨なんてすでに倒れていた。なんていう速さ・・・。そして痛みがだんだんと増してきてついに意識をうしなってしまった。俺もしばらくして頭がもうろうとし、意識をうしなう。
そして洞窟の中から草を踏む音が静かに聞こえてくる。
「う、うーん」
どのくらいの時間がたったのだろう。眠気に似ているこの感じ。寝てたのか気絶してたのかわからない。よく見てみたら俺は岩のベッドの四角い形をしたところで気絶していたようだ。
「あれ、灯と愛梨は?冬木は?」
辺りをキョロキョロ見回すと所々にろうそくがたっていて洞窟の闇を照らしていた。
岩の側面からは水が滴りおちて水の流れる音がこだまする。洞窟の中はとても淀んだ空気に覆われていた。
出っ張った岩肌からゆっくりと起き上がると頭の中をズキりと頭痛がよぎる。
「う・・・・・」
ここがあの薄暗い洞窟の中なんだとすぐに分かった。いりくんでいるのか空気が流れる音が今まで死んだものたちの怒号の声に聞こえた。
《おきたね》
「うぉっ!まただ」
また脳内に直接響いてくる声。その声の主は・・・目の前にいた。体長2m近くあるその体はいきなり溶け込んでいた何もない空間から姿を表した。とても常人離れしている光景を見た。
「いやあああぁぁぁぁぁぁぁ!」
《うるさい!!!》
「すみません」
怒られた。そしてこの生物は俺の反応に下を向きハアっと小さなため息を一つ、ついた。顔をこちらに戻すと右手の人差し指をこちらに向けて再び喋りだす。
《いい加減なれてくれ。君たちの仲間は奥に居るからついてきなさい》
2mを越すであろうその細く黒い宇宙人を思わせるような体は鈍く光っていた。そしてゆっくりと後ろを振り向き闇の道を歩き出す。歩き方は非常に見覚えのある歩き方で人間らしい歩き方をしていた。
こいつは一体何者なんだろう。予想がつかなかった。
「洞窟の中ってこんなになってんだー」
洞窟はいりくんでいて何も装備していなければ確実に迷うだろう。
冬木達はどうなったんだろう。俺の心はこのことでいっぱいになっていた。
洞窟の中を歩くこと5分。どこからか笑い声が聞こえてきた。とても優しい笑い声。聞き覚えのある綺麗な声のした笑い声だった。
この声は・・・・女性と男性?と低い声だ。おじいさん?
「灯たちだ!!」
新型ミュータントを振り切りそのまま道の赴くままに走り出す。ろうそくがまるで一本の道のようになり地面を照らしていた。
たどり着いたその空間は防空壕のような土でできているただっぴろい空間だった。その中に冬木、愛梨、灯が出っ張った岩肌に座って笑っている。
「灯!冬木!愛梨!」
3人は俺が来たことに気づくと笑顔を向ける。だがその中にも違和感が生じる。そして冬木の隣にはダンブ○ドアのようになが髭を生やし、科学者トレードマークの白衣を羽織っている老人がいる。
「おおい!起きたか!起きたか!」
老人はこちらに気付き手をふりながらニコッと笑う。はじっこに灯、愛梨、冬木、老人がいた。
「西田さんおもしろいですね!」
「あたしもー腹いてぇ!」
「久しぶりにこんなに笑ったよ・・・!」
西田と言われる老人はそうかの?という表情を浮かべ再び振り向くと、
「私は西田と申します!西田敏之二年前からここにいます。」
再び笑い出す西田さん。頭をポリポリしながら笑っていた。二年間ここにいるのか?どうやってすごしてきたんだ?
「まあまあ!すわりんしゃい!」
ハイテンションで下にあった丁度椅子の形をした岩に座るように促す。ずっと立っていてその上走って疲れていたからすぐに座る
「今回ははるばる来てくれてありがとよ!ここいらで君たちの後ろにいるメイランと交流を図っている」
後ろの黒いメイランを指差す。メイランは頭に?というマークを浮かべていた。メイランはずっと俺たちを見たまま黙っていた。
「彼はメイランと呼ばれる感染者の中でも人間としての意識を失うことなく進化した感染者なんじゃよ」
「まじですか!?」
冬木が驚きそしてメイランの方を見つめる。他の灯や愛梨も驚きのあまり何も喋れずにいた。俺もその1人だった。
《そうだ。私はもともと人間だった。だが感染者の時はさすがに自我は無かったよ。感染者から進化してミュータントに、そしてミュータントから我々が生まれた」
とても突拍子もない話だった。とてもじゃないが信じられないな・・・。でも俺たちを襲ってこないとなると本当の話なのか?
《あの時、テレビスタジオで会った時、君が私より前に来ていたら死んでいたんだぞ?》
まさか。こいつは未来予知まですることができんのか?そこで俺はある疑問がうまれる。
「・・・・何故助けたんだ?あの時」
《・・・・・・・》
すると冬木の腕の時計からピピ!っと高いアラームが鳴る。それを聞いた冬木が俺たちを見て
「みんな。もう時間だよ」
「よっしゃよっしゃ!では行こう!」
「なんかノってますね・・・」
白衣を着たおじいさんはとてもテンションが高くなっていた。そして勢いよく膝を叩きその反動で立ち上がる。メイランの元に近寄ると
「ちょいと皆さん先にいっててもらえますか?この子と別れを行っておきたいので。出口はとにかくまっすぐにいくとありますよ」
「わかりました」
別れを惜しんでいるのか?そのときは俺たちにはその西田さんの考えている本心が掴めなかった。そして俺達は部屋を出て外に通ずる道の中に入っていく。
そんな様子を見送った西田さん。表情は一変、とても冷静な顔立ちになっていた。そにてメイランの肩に手を置き、
「どうじゃ?彼らは?」
《いい子供たちだな。だがあの椎名良介とかいう少年。闇を抱えることになる》
メイランは西田さんの目をじっと見つめて脳内に喋りかける。
「・・・というと?」
《まだわからない。だがあの少年。見張っといた方がいいぞ。なんせ彼は世界の鍵だからな》
「・・・わかった」
《お別れだなニシダさん。また会える日を楽しみにしているよ》
「そうじゃな・・・。篠原よ」
《それは・・・・》
西田はメイランに向かってある者の名前をいい放つ。その名前は・・・もう既に死んだものの名前だった。
それを言うと西田はメイランを1人残してこの場を後にした。メイランはずっと西田が出ていった道を見続けていた。
そして段々洞窟の風景と融合するかのように透き通り洞窟の中から姿を消した。
ヘリコプター上空
洞窟を抜けて少し後
洞窟の中をあとした俺達は西田さんを連れてヘリコプターで壁の中に帰る途中だった。現在、ヘリコプターは二機。左に俺と妹の灯。右のヘリコプターには西田さんと冬木と愛梨が搭乗していた。
どうやら西田さんの面白い話を聞くのが目的だったようだった。通信機器から三人の笑い声が聞こえてくる。俺と灯は無言だった。
揺れる機体がとても心地がいい感じがした。だがその感じもすぐに終わることとなった。
「なあ・・・あか「非行型感染者接近!!!」
何かをいいかけるもパイロットの通信によって遮られてしまう。
「ブローニングで撃ち落とせ!!」
ヘリのドアから身を乗り出して後ろを見ると50を越えるほどのコウモリ型の感染者が猛スピードでこちらに接近してきていた。
「灯!捕まってろ!」
「う、うん!!」
俺は直ぐ様ヘリの側面についているブローニングをつかみこちらに来るのを待つ。
「感染者の側面につける!ホーク2は先に壁に戻れ!」
【了解!】
そうしたら冬木達が乗っているヘリコプターは最速のスピードで走り抜けていった。ホーク2は冬木たちの乗っているヘリコプターの名前だった。
「りょー!必ずもどれよ!!灯ちゃん!無事でいてくれ!必ず助けにいく!」
「ありがとな!」
「死にませんから大丈夫です!」
西田さんが乗っているヘリコプターの中から小さくなっていく良介たちの乗っているヘリコプターを冬木と愛梨は身を乗り出して心配そうに見つめていた。
「りょー・・!」
「大丈夫だよ。良介なら戻ってくるさ」
心配そうに見つめる愛梨の心をほぐす冬木。その光景を見て西田さんも
「きっと大丈夫ですよ。あの二人は強い。きっと・・・・」
最初誰かが放っていた銃の機銃も途切れヘリコプターは非行型感染者の渦に飲まれた。
「そんな・・・嘘だろ・・・りょー!灯ちゃん!」
機体が周りながらそのまま陸に落ちていった。
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