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メイランの民

どうも皆さんこんばんにちわ!


マクミランです!最近寒いですねー。朝なんてマイナス4度でしたよー。では本編をどうぞ!



メイラン。それは人類が、世界が感染者に溢れる前から存在していた謎に包まれた生物。全身が黒い色をしており、そして二足歩行をする。目はまるでグレイ型の宇宙人を思わせる金の光る目をしている。


奴らは感染者でありながら人に言葉を発し、噛みつくことも引っ掻くこともない。奴らはどこからともなく現れそして″また近いうちに会うことになるだろう″とつげ消えた。



「なんだかな-」



翌日、俺は一人保健室に装備されている一番窓際のベッドにねっころがり腕を後ろ側に組み上を見上げていた。外は晴れていて雲ひとつなく暖かい日差しが窓から射し込み俺の上半身を照らしていた。その様子を妹の椎名灯は心配そうにとなりの椅子に座りながら俺の方をみている。



「どしたの?お兄ちゃん」

「いや、なんか気がのらなくてよ」

「まあ、今回メイランってやつのとこにいくからかな」

「うーん。どんなやつなんだろ」



ソッと首を傾げる灯。



「いけばわかるさ」



寝ている状態からゆっくりと体をお越して足をベッドからおろす。そして灯の頭をソッと撫でて立ち上がる。



「そういえば、咲神先輩最近みないんだけどどしたのかなあ・・・」



灯は悲しそうにうつむき下を向く。確かに一週間くらい前から姿を見ていない。忍田さんに聞いてみたけど忍田さんも咲神の所在を探しているらしくまだなにも掴めていないらしい。



この壁内の中は監視システムが凄いためどこにいたって忍田さんならその監視システムを使い探し出せるはずだがそれが出来ないというのは壁の外にいるとしか推測できない。



灯はうつむき下を向いていたがまた頭をソッと撫でた。整ったショートヘアーで髪の毛に沿って撫で下ろす。そして妹は少しだけ安心したのかだんだんと上を向いた。




「灯、咲神が死ぬわけないだろ?」

「うん!」

「じゃあいくか!」



俺たちは保健室を後にした。






屋上

ヘリポート



「おそいぞ!おまえら!」

「派手な服装は駄目だよ?メイランを驚かすといけないからね」



屋上に上がったとたん愛梨のさっそくのテンション上がりまくりの言葉。見渡すとヘリコプターが既に待機していてプロペラがもの凄い音をたてながら回っている。冬木と愛梨がジャージ姿で俺と灯を待っていた。



これには事情があり・・・忍田さんから


『ちなみに服装は全員ジャージだ』とのこと。




「あたし、ジャージ好きじゃねえんだけどな~」

「そう?僕は好きだけど?」

「灯も好きではありません!」



うぉーと声を上げながら灯に抱きつく愛梨。愛梨の力のある手に抱き締められているためか灯の表情はちょっときつそうな顔をしている。







「おい!お前ら時間ないんだからいくぞ!」

「「はーい」」



俺の怒号が炸裂しそれが愛梨と灯の耳に入ったのか珍しく素直に言うことを聞いた。



ヘリコプターのパイロットは待ち続けていたためか少しご機嫌ななめだった。考えても見ろ。こんな変な高校生のためにわざわざ一時間くらい前からずっとまっててくれたのだ。



ヘリコプターに乗り込んでいつもの硬いシートの上に腰を落とす。この感じはいつも慣れない。材質がなにか硬いものでも出来ているのかこんなものにずっと乗っていたらぎっくり腰になりそうなくらい硬い。



俺と灯、冬木と愛梨がそれぞれ乗り込んでから落ちないようにシートベルトを締める。



5分くらいしたのだろうか、ゆっくりと機体が浮き始め離陸をし始める。最初の方は結構ゆれがあったものだがそれもスウジュウメートルもすれば全く揺れが無くなっていた。



「ではでは、れっつごー!!!」





上空




上空。たったいま壁を越えたとこだった。外の空気はとてもすんでいてとても居心地のいいものだった。ヘリコプターは現在はゆっくりと進んでいて付くのは二時間くらい後だそうだ。暖かい空気の流れが機体を包み込み眠気を助長してくる。既に冬木と灯は珍しくこの眠気の餌食となっており、スースーと気持ち良さそうにして寝ている。



「灯ちゃんはいいけどこいつは気持ち良さそうにしてねてんじゃねえよ」

「まあ、いいじゃないか。冬木もの疲れてんだろ」

「はは。そうかもな。つーかさアタシとリョーだけってのも不思議な組み合わせだな」

「そうか?」



フフフと笑う愛梨。灯は愛梨に頭を肩にくっつけ寝ている。冬木は腕を組ながら顔だけ下に向け寝ていた。



「なあなあ。昔話しないか?」

「はあ?愛梨って昔の話とか好きだったのか?」

「まあ、お前の過去に興味がある!」

「はっ。冗談はその胸だけにし「うっさい!!」



俺の視界はそのまま大きな拳に覆われ顔の左の頬を拳が直撃して俺は勢いよく後ろの金属でできた壁に当たり気絶しかける。ひどい痛みが俺の左頬と後頭部をおそう。じわじわとゆっくりと金属に当たった痛みと殴られた時の痛みとが組合わさり思わず並み駄目になってしまう。


乱れた服を直しながらなんとか愛梨に顔をやると愛梨は自分の無い胸を抑えひどく激怒していた。そして



「もう一発・・・・」

「まてまて!もう勘弁してくれ!」



愛梨の怪力が俺を襲う前にどうにかとめることに成功はしたがまた安心はできなかった。まだいつ解き放ってやろうかと拳を構えている愛梨が凄く目に入る。



ヘリが壁を越えて外に差し掛かるとやはり赤黒い光が一面に目に入ってきている。山々や市街地をそれがおおっていた。これは感染者の群れであり、どうやら忍田さんによるとどんどん増えてきているらしい。



唸り声がほんの少しだが聞こえてきた。まるでヘリコプターによりくる風がそれらの怨念が混じった声を運んできているようにも思える。



「ホントにこの壁は大丈夫なのか?」










5年前






雨。五年前の大規模な感染者の侵入があり、俺たち第二陸軍部隊は壁の外にヘリコプターで移動し空挺部隊とともに壁の中に流れ込んでくる感染者を機銃で撃ち殺していた。



壁外の外は既に夕日が立ち上っているにも関わらずどしゃ降りの雨が降っている。雲もひとつもなかった。



ヘリコプターは円形の壁に沿って旋回しながら機銃を撃ちまくっている。



どでかいミュータントによって壁が壊され中に流れ込んでくる感染者もろどもを撃ち殺しているなかそんな簡単に物事は運ばない。新種の非行型が飛んでいる。さそりの2m級のコウモリの羽が生えたようなものだった。



その新種は50の大軍を率いて俺のヘリコプターを襲った。



なんとかかなりの数を減らすことに成功した。その間絶えず機銃が火を吹き音速の如く早い弾丸が感染者を貫きかき消す中、何びきかの非行型感染者はプロペラの部分に突っ込んで破壊された。



そして俺たちののっていたヘリコプターは急旋回し操縦の聞かないまま機体が悲鳴を上げながら急激に高度が下がり、そして森の中へと墜落した。



あれからどれくらいの時間がたったのだろう。



「・・・・うっ。いてて」



俺たちの小隊、篠原小隊は撃墜された。非行型感染者によって。そして森の中へと墜落し、搭乗員6名の内5名が死亡した。生き残ったのは俺だけ。



足がまともに動かない。右足の太ももにどうやら何か鋭いものが貫通したようで見事に太ももの駐車に小さな穴があいており血を流していた。だがさほど痛みはなかった。



残った装備もハンドガンm92fのみ。見渡すと俺はヘリコプターと数メートル離れていた。墜落する直前に吹き飛ばされたのだろうか。雨がやまずにずっと俺の不安を掻き立てるようにザアザアと降っている。他の装備は墜落したときにほとんどが炎で焼けて壊れてしまい使い物にならなくなっていた。



「お、いい洞窟があるじゃねえか」



見渡すと右前方に大きな洞窟が広がっていた。距離は数メートル程の距離だった。中は深いのかなかなか見えない。だがこの雨を遮るには十分すぎるものだった。そして付近に感染者がいないかどうか確認する。



「どうやら壁の方につられてったみてえだな」



付近には感染者なんぞほとんどいなくなっていた。



広がっていたのはどこまでも続く広い樹海だった。



足を引きずりながらもなんとか立ち上がり再びあたりを見回す。そして力の入らない右足を引きずりながらなんとか洞窟の入り口に入る。



ジメジメとした空気が辺り一面に広がる。洞窟の中は明かりを持っていないからそれ以上は中に入れなかった。



「もう、帰れそうにねえな」



武器がハンドガン一丁だとこの樹海を越えて壁に戻るなど不可能だった。そんなものは考えなくても解ることであった。壁の外は数十キロに渡り感染者で埋め尽くされ砲台のひとつやふたつでは とても勝ち目がない。



「音声でものこして最後を迎えることにしましょうかねぇ」



右胸の小さなポケットに入っていたのは小さなコンパクトサイズの長方形の形をした録音器だった。その録音器にスイッチをいれる。



「こちら篠原和義(しのはらかずよし)。アメリカ陸軍合同部隊第三小隊篠原小隊の隊長だ。」



激しく降る雨が録音を辞めさせるかのように激しさを増していく。



「俺たちの乗っていたヘリは墜落。搭乗していた6名の内5名死亡。帰還は絶望的。この洞窟はなんなんだ?よくわからねえとこに来ちまった。武器はハンドガンm92f一丁のみ。こんなもん自決以外にはクソの役にもたちゃしねえ代物だな。」



その瞬間、洞窟の奥の方からなにか砲台でも撃ったのか、とてつもないデカイ音が響きわたる。その衝撃とともに俺の体は上下に揺れ倒れてしまう。




「なんだ!?」



すぐ洞窟の奥の方に目をやるが中にはどす黒い闇が広がりとても見分けがつかない。どんどんこの音は次第に大きく確実に近づいている。ほんの少しだが大きくなってきているのだ。そして暗闇の中から現れたものは



「ミュータント!?」



中から現れたものはミュータントだった。だがそいつは普通の個体よりも平均的に小さいものだった。だがそれでも俺の身長なんて越えており、ハンドガンではとても勝てそうにはなかった。



俺はそれを呆然と見ていた。丸焦げになったスキンヘッドの頭と歯並びの悪い口。誰かと戦っていたのだろうか。その肉体はボロボロになっていて所々血を流していた。



「くそ。とうとう最後か・・・。この年になっても彼女すら出来てねえのにな。」



目を瞑りミュータントのデカイ拳が降り下ろされるのを待つ。その時をいつかいつかと待ちわびてすらいたのだ。



「メ・・イ・・・ラン・・ノ・・・・タミ」




今なんて?



今・・・喋った?ミュータントが?・・・ありえない。本来感染者なんて人の形をしたただの獣に過ぎない。なのに、喋った?



「メイランサマ・・・・ヨクゾ」



ミュータントは敬意を表すかのように姿勢を低くして正座をして頭と両手を地面に浸ける。



だがうめき声が聞こえる。どうやら殺人衝動を必死に押さえているようだった。



俺はその瞬間、怒りがこみ上げてきた。


「お前たちはなんなんだ?何故俺たちを殺す!何故だ!?答えろ!!!!」



言葉を言い切った途端、ミュータントは俺の方を見上げ拳を握りしめた。目からは血涙を流している。ギリギリと音がしてそして



「グオオオオォォォォォオオオオ!!!!!」



目の前にいる篠原に向かって強烈なパンチが繰り出される。もちろん篠原はそれを回避できるすべなど無かった。そして最後を悟ったのか彼目を閉じてゆっくりとただひとつ言葉を発する。



「人類に勝利を」



パァンと篠原の肉体が巨大な拳に押し潰されそして弾けて肉と血が飛び散る。体も何もかもが潰され原型を止めることはなかった。








「・・・・・・」



カチっと録音器につけられたスイッチを押して止める。木造の部屋の中に明かりは古いカンテラの明かりだけであり、左にベッドと膨大な数の本がしまわれているがカンテラの明かりだけだとこの小さい部屋であっても机を照すのが精一杯だった。春島冬木は椅子に座りながら上を見上げる。そして決心したかのように再び木造の机に屈んでメガネをして手紙を書きはじめる。






《忍田正臣殿》



本書は鈴森高校特殊総務科におけるミュータント捕獲作戦の開始を提言する物である。


同封する録音器を聞いただけたなら明らかな通りそれが示唆するところはひとつ。


我々は感染者に対していまだ無知である・・・・というところだろう。


篠原和義が出会ったミュータントは意味のある言葉を発し敬意を示すかのような姿勢をとった。くわえて篠原和義の肉片をかき集め洞窟の奥に保管・・と言ってもいいだろう。していた。


当然のことながら人類の観測史上初の事例である。



我々には篠原が最後の一滴までその命を振り絞って得たこれらの情報を・・・次に繋げる責任があるはずだ。



彼が示したような感染者の正体を突き止めるための努力を絶やしてはならない。


必ずや継続されなければならない。


それで得る情報がたとえどんなに僅かだったとしても、決して無駄ではない。



・・・いつの日か必ずや、人類の反撃の糧となるものであると、私は信じる。





特殊総務科副部長ー春島冬木






その日篠原和義の葬儀が行われた。参列者は実に1000人を越え彼の人望の現れとも言えよう。前日に忍田全軍総帥が家族の元を訪れ辛うじて残っていたハンドガンm92fの残骸を持参した。



四日後、忍田総帥率いる特別作戦部隊の協力を得て壁内陥落以降初のミュータントの捕獲に成功した。


その際春島冬木の考案した新たな捕獲方法が採用され一人の犠牲者も出すことは無かった。


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