第3.23章 誘惑逆転!悪魔が照れる瞬間
~心を溶かす素直な言葉~
自分の心の奥まで覗いて、甘い記憶に逆に赤面させられたサキュバス。
混乱と恥ずかしさで真っ赤な顔を隠そうとしたその時――
仁がにっこりと無邪気な笑顔を向け、柔らかく声をかけました。
「ねえお姉さん!まだお名前を聞いてなかったですよね?
とっても綺麗だし、こんなに魅力的なんだから、きっと沢山の人にモテるんでしょうね」
「えっ…?」
サキュバスはぱちぱちと瞬き、言葉を失います。
今まで敵意や欲情しか向けられなかった自分に、こんな風に下心なく純粋に褒めてくれるなんて…!
更に隣からリリスも前に出て、目をキラキラさせて憧れの眼差しを向けました。
「私も本当に憧れちゃいます…!
こんなに綺麗でステキで、しなやかで美しい肢体…とっても羨ましいですわ」
「よかったら…どうしたらそんな風なナイスバディになれるのか、秘訣を教えていただけませんか?」
「…………!!」
まさか、誘惑しようとした自分が褒められ、逆に美容相談を受けるなんて…!?
サキュバスは耳から頬まで真っ赤に染まり、慌てて両手で顔を覆ってしまいました!
「ひゃあっ!?そ、そんな…急に褒められても…!!
私はただの…えっと…こんな体…生まれつきなだけで…!」
普段なら「私の美しさに惑いなさい!」と自慢げな自分が、今ではまるで乙女のようにもじもじと恥ずかしがっています。
悪魔のプライドも、二人の真っ直ぐな優しさの前にはあっという間に溶けてしまいました。
(この二人…私を壊そうとするオモチャなんかじゃない…)
(純粋で優しくて…心の底からお互いを想い合って…それに私まで尊重してくれるなんて…!)
彼女は深呼吸し、顔を上げて柔らかく微笑みました。
もう冷たい企みの影はどこにもなく、優しい光が瞳に宿っています。
「…私の名前はルナよ。魔族の女王の命令で、二人を惑わそうとここへ来たサキュバス…それが本当の姿なの」
仁もリリスも驚きません。ただ静かに微笑んで頷きます。
「でも…もうやめるわ。こんな真実の愛を壊すなんて…私にはできない。
それに…リリスちゃん、秘訣なら教えてあげる!
毎日笑顔で好きな人と幸せに過ごすこと…それが一番の美容法よ」
ルナは初めて心からの笑顔を浮かべ、三人の間に温かい絆が生まれました。




