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幽霊ちゃんとの怪奇な日常。  作者: くろのくん
第3章 襲撃編
36/202

大富豪

「ふふふ・・・この悪霊を舐めてもらっては困るのです。必殺技っ!7渡し!!」


場にトランプの7が2枚出され、かよっちにカード2枚が渡される。


「ふぇえっ!?もう少しで大富豪になれたのに!!ひどいです悪霊さん~!」


「おい、てめぇっ!!俺のかよっちになんてことしやがるっ、安心しろかよっち。俺が革命をして助けてやるからな。」


「ちょっ!いま革命されたら困るんですけど!!」


現在の時刻は・・・よく分からない。この場にいるのは俺、幽霊、悪霊、かよっち、師匠。5人で楽しくトランプゲーム『大富豪』をしている。あぁ、そういえば爆睡している怨霊さんもいた。


「ねぇー、お腹すいちゃったからなんか食べるものちょーだい。」


「悪霊もお腹空いたのです!」


幽霊と悪霊が食べ物を催促してくる。


「んー。カップ麺でいいか?師匠とかよっちもそれでいいか?」


一応客である2人にも聞いてみる。


「おぅ。すまんなー。ご馳走になっちまって。」


「待ってろよー。いま飛び切り旨いカップ麺を作ってやるぞ~・・・・・って!!!なんで俺はお前らと和やかにトランプやってんだっ!?挙句の果てにカップ麺まで作って!!」


この異常な状態を説明するには時間を少々遡る必要がある。それは、かよっちが能力を解除できなくなってしまったと発覚した時。


______________


「か、かよっち・・・?能力を解除できないって・・・冗談、だよな?」


真っ青な顔で首を横に振りまくるかよっち。どうやら、お茶目な冗談なんかではなく本気で解除できないようだ。


「さっきまではいつも通り空間支配の出力を調節できたのですが、急に力が溢れてきて制御できません・・・。こんなこと、初めてですっ・・・。」


幽霊がツンツンと俺の背中をつつく。


「ねぇねぇ・・・もしかしてこれって、マジでヤバい状況?まさか一生この空間から出れないとかない・・・よね?」


「ハハッ、縁起でもないこと言うなよ。まさかそんなこと・・・。おぉい!!師匠さん!!なんとかなるって言ってくれよ!!(半泣き)」


師匠さんも今までこんな想定外の事態は起きなかったのだろう。先ほどまでの威勢のよさはどこへいったのか、完全にフリーズしてしまっている。


「制御できない能力なんか使うんじゃないわよかよっち!!!何が『連続する空間(ループルーム)』よっ!!ねぇねぇどうしよう、私達このままここで朽ち果てちゃうのっ!?」


「ふふふっ。この悪霊、こういう状況には燃えるのですっ!!」


「おい、お前らっ!!かよっちを責めるんじゃねぇ!!今までこんなことは一度もなかった。お前らこの部屋になにか仕込んだな!?卑怯な奴らめ!!」


「ウッ、ヒグッ、ご、ごめんなざい・・・私、私のせいで・・・うぅっ・・」


絶望する幽霊に、発狂する悪霊。そして俺たちのせいにしだす師匠さんと、泣き始めるかよっち。泣きたいのは、勝手に家に乗り込まれ挙句の果てには一生閉じ込められてしまった俺の方だよ。もはやこの状況は地獄絵図だ。早く何とかしないと。


「取りあえず、ギャーギャー騒いでる場合じゃない。各自手分けしてどこかに抜け道がないか探すぞ!!」


うおおおおおおおお・・・・!!!


_____________


その後、数時間にわたって全員で探索を行ったが、案の定出口は見つかるはずもなく、ただ体力を失うだけだった。分かったことは、窓から見える外の景色はずっと夜であるということ。どうやら、この空間は時間の流れが外とは違うらしい。かよっち曰く、ものすごくゆっくり流れているのだとか。


「もうどうしようもないから、いつになるかわからないけど、能力が自然に切れるのを待つことにしたんでしょ。んで、どうせなら皆で大富豪でもして時間潰そうって。ほら、早くカップ麺作ってよ。」


もはやどこかあきらめた顔でカップ麺を催促する幽霊。俺たちが餓死するのが先か、かよっちの能力が切れるのが先か。備蓄している食料の量から、結果は明らかだ・・・。




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