幼少時代のピエロはどうやら純粋無垢だったようです。2
お待たせしました。
「それで、話の続きは?」
「・・・あれでおしまい、では駄目なのかな?」
「当たり前だろ!あんなよくわからないお前の日常を聞いて誰が楽しいんだよ?!」
「いや、少なくとも3人は楽しめていると思うが・・・。」
「3人?俺は楽しくねぇぞ。」
「癪だけど、レべスと方向性は違っても同じことを思っているなんて・・・。」
ティルの言葉に、癪って何だよ?!とレべスがつっこむが、ティルは勿論、クラウンもクラウドもティルのレべスいじりに慣れてきたのか、3人で黙り込むという、今ここで戦いをしているとは思えない団結力に、何かを察したレべスはしゃがみ、黙り込んだ。
「騎士君、いや、愚か者よ。この話に君の感情は不必要なんだ。それに、この場にいる半数は確実にこの日常だけを聞いて終わりたいと思っている。愚か者にもわかりやすく言えば、これ以上話させるな、ということだね。」
クラウンのレべス自身に対する、卑下する目にレべスはさらに落ち込んだのか、クラウドの近くまで酒に酔いつぶれたおっさんのような千鳥足で辿り着いた後、その場にしゃがみ込んだ。
ティルに言われたならば、その言葉に圧力は無かったのだろうが、普段紳士的な、レベスにさえ何時もニコニコと笑顔で対応していたあのクラウンが、鋭い目線に加え、レベスに有無を言わさぬ圧力をかけてきたのだ。それも見下すように。そうとなれば、普段より格段に落ち込むのは当たり前だと言えるだろう。
「夜叉刃丸、なぁ、夜叉刃丸。お前はあそこまで俺を嫌ってないよな?こんな俺は嫌いか?そうなのか?」
そして、ぶつぶつとどこかにいるであろう夜叉刃丸に語りかけている___かと思えば目の前にいるクラウドの存在に気がつき、ふにゃりと、愛しいものでも見つけたかのように笑い、抱き付いた。
・・・・・抱きついたのだ。
「・・・。離れてはくれないか?」
クラウドも、流石にレベスが抱き付いてくることは予想外だったようで、焦りが見える。ティルも、むさ苦しい、と冷たい目を向けた。だがクラウンだけは違う。彼は笑っていたのだ。例えるなら、悪巧みが成功したときのような顔で。
一方、クラウドに抱き付いたレベスは未だトロンと目をとろけさせ、誘うように、惑わすように笑っている。徐々にクラウドの耳元に唇を寄せると、一言だけ言い放った。
「捕まえた。」
その瞬間、クラウドは悟った。これは___この男は演技をし、自身を欺いたのだと。チラリと視界に入ったクラウンは、未だニヤリと笑っており、クラウドは自身に向けた嘲笑と共に、静かに目を閉じた。
「ここまでやるかぁ。」
その一言は、クラウンの耳にも入ったようで、えぇ。とクラウンは密かに返事をしていた。そして、そのままクラウンはクラウドに近付き、隠し持っていた拳銃を背後から、クラウドの胸に突きつけた。
死ぬと理解したクラウドは、人生の走馬灯、という奴が脳内で駆け巡るのを静かに受け入れた。




