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異世界から来た青年はどうやらピエロの親殺しをお手伝いするようです。2

「なぁティル」

「ん?」

「あの城の柄、黒っぽいとこが増えてたよな?」

「サーカスの?あと、一応小さな家って設定だから」

「そうなのですか?僕、ずっと大きなお城だと思っていたのです」

「レベス以外にも見えてる人いたんだ・・。まぁ私が見えてるくらいだし、当たり前かと言ったら当たり前か」


一行はサーカス団に忍び込むため、変装グッズを買いに外を出歩いていた。あの建物自体に忍び込み、探るというのも一つの手段としてあったが、何せ、誰もそんなことをやったことがない。忍びではあるまいし、かえって失敗する可能性が高まるだけだ。物音を鳴らし、すぐ見つかって終わりだろう。それに加え、中の構造も不確かだ。どちらもやったことがないが、変装してサーカス団に入ることの方が成功率が高いのは目に見えている。


「変装といったらやっぱ、カツラとかメガネだろ」

「そんなの変装に入らないでしょ」

「じゃあどうすんだよ?」

 

だが、レベスのその問いにティルは答えることが出来なかった。それを見、やっぱカツラだなとレベスが言ったところ、クラウンが予想外の提案をした。


「あ、あの、姿を変えるというのはどうでしょうか?」

「だから、カツラだろ?」

「い、いえ、そうではないのです!!つまり_____」

「「つまり?」」


レベスとティルが声を合わせ、クラウンのその先の言葉を待つ。クラウンはこれでもか、というほど溜めに溜め、そろそろ我慢の限界だという時に、指を空に向け、言い放った。


「体格、声のトーン、性別、全て変えるのです!!!」

「へ~・・・・・ん?!」

「その手があったか・・・。」


ティルは何とも思わず、寧ろ、一番有効な手段として捉え、レベスは、クラウンのことを何かとんでもないこと言ってるぞこいつという目で見ていた。


「じゃあその方向で・・・・って言ってもレベスは出来ないんだけどね~。どうする?」


既に魔法をかけられているようなもののレベスに、更に魔法をかけるのは極めて困難である。それに、リスクが高い。重複して魔法をかけることは可能だが、レベスにかかっかている魔法が問題だ。ティルにしか出来ないような、魔力も多く使い、難易度も高い魔法において、更にそれを上回る魔法でなければ姿を変えることは出来ない。故に、レベスの姿を変えることは、ティル以上の魔力の多さと、魔力を扱う技術がなければならないため、不可能だ。


「では、僕が変装道具、作るのです!!」

「出来るのか?」

「勿論!!品質もスピードも、世界レベルなのです!・・多分。」

「多分かよ・・・・・。」


少々不安な事、というかかなり不安だが、クラウン以外出来なさそうなので、クラウンに任せてみることにした。


「【欺け、楽しませろ、自らを悟られんがため、自らを騙せ。悪戯あそびを始めよう】」


いつもの頼りなさげなクラウンは何処へいったのかと疑うほど、艶めかしい。


「どうぞ、なのです」


カツラはもちろんのこと、変装マスクや服、靴メイク道具など、レベルには縁のないものが沢山出てきた。そんな変装道具に、レベスは気分を高めた。


「おぉ~!本格的だな。で、どうやって着けるんだ?」


すると、先程の艶めかしさが嘘のように子供っぽく無邪気に笑い言う。


「それは僕にもわからないのです!!」


しん、とその場の空気が凍った。そして、ティルもレベスも恐らくこう思った筈だ。

じゃあ、何で変装道具持ってるんだよ。

と。


「それは冗談か?ジョークか?」

「本当にわからないのです!」

「ありがとう。笑えないジョークをありがとう」


レベスはホロリと涙を流しながらそれをハンカチで拭きつつ、作戦の練り直しを考えていた。


「?ジョークではないのです!」

「もう何も言わなくていいから」


そして、それに真面目に返してくるクラウンに、レベスは何故か罪悪感を感じていた。


「ところで、ティルってさ、人に見えるようには出来ないのか?」

「まぁ、出来るっちゃ出来るけど・・・・。」

「じゃあティルとクラウンで潜入してこいよ!」


レベスがそう言うと、ティルは不服そうにしていたが、クラウンは嬉しそうに跳ねていた。


「レベスはどうすんのよ」

「俺?後から潜入するから」

「わかった。すぐに来てよ?」


ティルは、ため息をつきながらも渋々受けてくれるようだ。


「じゃあ、頼むな~!!」


レベスはそう言うと、クラウンの作った変装道具を持って何処かへ走っていってしまった。

取り残されたティルとクラウンは、顔を見合わせ、苦笑した。


「潜入、しようか」

「楽しみなのです!」


クラウンは見事なまでの黒髪美少女に生まれ変わり、ティルは、超絶の金髪イケメンに生まれ変わり、来た道を戻っていった。



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