第25話 「これもあり」
あれから、何年か経った。
俺は今、エイルで、ヤギを追っている。
朝、起きる。ヤギを追う。昼飯を食べる。またヤギを追う。
これが最近の毎日だった。
「スーツ着て電車乗って、それで何するんだろう」と思ってたあの頃の俺に教えてやりたい。ヤギを追う生活が待ってるぞ、と。
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英語は、そこそこ話せるようになっていた。アミナのおかげだ。結婚式は、よくわからないうちに終わっていた。
あとで聞いたら、ソマリア人が外国人と結婚することは滅多にないらしかった。結構ソマリア人、話すといいやつらなのにな。意外。
ソマリ語は、まだ全然だった。アミナ曰く、「難しい」らしかった。難しい、じゃねえよ。教えてくれよ。
ハッサンは、また何か商売を始めていた。港に見たことない船が止まっていた。なんて言うか、すごく速そうだ。今度は何をやるんだろう?ちょっと気になるな。
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昼過ぎ、アミナが来た。
ちょっと歩き方が違う気がした。
「どうした?」と俺は言った。
アミナが何も言わなかった。代わりに、おなかを見せた。
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あ。
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少し、そのままだった。
「オーケー」と俺は言った。
アミナが「それだけ?」という顔をしていた。
「グレート」と俺は言った。
アミナが笑った。
まあ、これもありかもなぁ、と思った。
ヤギが鳴いた。
うるさかった。




