7. キャラクターの設定について
私の長編の主要キャラたちは、高校の頃に考えた人たち。
長年の友だちみたいに付き合いが長い。
SNSを日々眺めていると、キャラクターの設定をどのように考えてますか? という質問を見ることがある。どういう風に設定したっけ? と、少し昔に思いを馳せてみた。
私が最初にコバルト文庫という少女小説群に出会ったのは、たしかいちばん最初は、雑誌・花とゆめに山内直実先生が連載された〝雑居時代〟を読んだときだったと思う。その原作がコバルト作家の氷室冴子さんだった。
まだ十二歳くらいだったと思うのだけれど、原作を読んだ私は、そのときたぶん、初めて口語体の一人称小説に触れた。それまで三人称や、所謂三人称一元視点というものにしか触れていなかった私、こういうのもありなんだ……と、かなり大きな衝撃を受けたことを覚えている。(三人称一元視点とは、一場面あるいは各場面ごとに、特定のキャラ視点で文が構成されている書き方のことです。)
それからは、氷室冴子さんの〝ざ・ちぇんじ〟、新井素子さんの〝扉を開けて〟にはじまり、様々な一人称小説を読んできた。その結果、自分でも小説を書き始めるときに、一人称で書くということはかなり自然な流れだった。
自分で書いた最初の小説は暴走族ものだったこともあり(照れ笑いという気持ちがありますが)、主要キャラが十人という最初から群像劇に挑戦という暴挙に出ていて(笑うしかないですが)、はじめは三人称で書いていた気がする。
そして高校生になり、前述の新井素子さんの〝扉を開けて〟以来馴染みがあった異世界転移ものを書きたいという気持ちから、まず考えたのが主人公の薫だった。
行き先は日本風の和風世界にしたい。知らない昔風世界に行っても、怖いけれどそれなりに動ける人がいい。当時から〝男の子っぽい女子〟設定は漫画界を席巻していて、自然と薫の性格設定は、明るく前向き、ちょっと男の子っぽくて短気なところが玉にキズ、というものになっていった。
はっきりした性格だから、髪型は黒髪ストレートのボブかな。目が大きくて印象的としよう、という風に、その性格から見た目も決まっていく。
同時発生的に考えたのは、薫の彼・玲。
私は冒頭を考える前に、第一部後半に来る玲の危機シーンを最初に考えており、まず最初に、なんらかの形で弱っている、ということが前提にあった。
その結果、玲は身体が弱い美形で、性格は一見クール。日本で高校生活を送っていた時期があり、黒髪短髪。しかし玲は序盤で薫を置いて帰ったりするため、心の奥には葛藤と激情があるとした。
そして彼は、元の世界では王子的な立ち位置にいる。後に設定を深く考えていったとき、玲の役職は神官と決まった。
次に考えたのは、玲の友人たちだ。
和風世界で戦が発生している。室町か戦国時代くらいがいいかな。そうすると軍師的な位置づけの人がいるだろう。
そこで生まれたのが参謀の夏野。最初は漢字が違って、賀野だった気がするけれど、名前の意味なども考えていたときに、自然と夏野に変わっていった。
夏野の髪は、玲を黒髪短髪と決めていたため、それとは対照的に茶髪で不揃いの肩までの髪、賢い人=切れ長の目という私の中の公式があり、夏野の目は切れ長、性格は冷静沈着、とした。足が良くないという設定は後付けだったような気がする。
そしてもう一人、武闘派が必要だな……と思って考えたのが、第一部序盤、薫が姫教育を受けることになった後に講師役として登場し、後に大活躍する翡翠軍ナンバー2剣士・滝。
滝の読みは珍しいと思うのだけれど、私は高校時代に弓道部に所属していて、我が高校の弓道部の弓たちには、すべて名前が付けられていた。
友人が使っていた弓が、滝と書いて〝はやせ〟と読むという弓で、かっこいいな~と思っていた私、ではその武闘派の名前は滝にしよう、と決めたのだった。
さて、滝は武闘派。熱血漢で実力派の剣士と決めた。玲が黒髪、夏野は茶髪。滝は情熱的な性格ということもあり、赤毛にしよう。
そして、軍隊ならば滝の上司が必要だよね、と、軍神と呼ばれる寡黙な武人・黎彩を考え、お医者さんも必要と、さっぱり系で仕事ができる女医・朱鷺子を考えて、黎彩と朱鷺子は婚約者同士であるという設定までは決めていた。
最初の構想では、前述の玲の危機の後、薫と滝のロマンスの方向に進もうとしていたのですよね……。
あと、戦闘シーンが苦手で中盤が書けず、ずっと止まっていたのです。
昨年になって再開するとき、やっぱり薫が滝と、っていう話は無いな。ハッピーエンドしかないと考え直し、現在の第一部の終わりとなったのでした。
私の場合、キャラの大まかな外見(髪色、髪型、目の感じなど)と、箇条書きで性格を決め、同時並行的に世界観が深まっていくという、そんな作り方をしています。




