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転生したら普通に生きたい  作者: 猫又犬太郎
第二章 『神国』
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第十話 『異世界』

 歩けなくなりそうとは言ったが、本当に歩けなくなるわけではない。

 精神的な問題だ。


 遠坂って、たまに精神への直接攻撃してくるよなぁ。

 俺、こいつに会ってからというもの、テンションが下がりっぱなしな気がする。

 うん、気のせいだろう。

 そういうことにしておこう。


 さて、話を変えよう。

 この異世界についての話に。



 ―――この世界について―――



 まず、この世界は居住可能地域と非居住地域にはっきりと分かれているらしい。


 ここはもともと魔物であふれかえっていたらしい。

 しかし今では、結界を使って噴水を中心に半径50キロメートル圏内に安全圏を作らだしている。


 噴水というのは、俺はこの世界に来た時の初期スポーン地点のあれだ。

 宮殿の下のあれだ。


 結界内にいれば、魔物に襲われることはほとんどないらしい。

 逆に言うと、魔物以外には襲われる、ということだ。

 例えば人間とか。


 人間は恐ろしい生物だ。

 理性を失った時、知性を持っている分何をしでかすか分からない。

 予想の付かない生物なのだ。


 だが、人間にだけ気をつければいいというわけではない。

 なぜか。

 それは稀にだが、魔物に襲われることがあるらしいからだ。

 なんの魔物に?

 例をあげるなら、動物や人間だ。


 人間の魔物は『魔人』と呼ばれるらしい。

 魔人になったが最後、ほとんどの人は知性を失いただのケダモノになるんだと。

 魔人は人間としてのストッパーが外れるせいで、異常なほど力があるらしい。


 気を付けなければならないな。

 もっとも、気を付けたところで、魔物化を防ぐことができるかどうかは分からないが......



 それと、なぜかこの世界には法律といった決まりがないらしい。

 うっかり法を犯してしまうといけないと思い、遠坂に法律について聞いた時、「何それ?」と言っていた。

 一人かくれんぼについて聞いた時みたいに。

 こいつ、また意味分からないこと言ってるよ......みたいな感じで。


 どうやら、この世界には法律といった概念すらないらしい。

 ルールは一応あるらしいが、所詮ルールだ。

 守らないやつも多い。


 この世界には転生者も多いと聞いた。

 それなのに法律に似たものすらないのはおかしなことではないか?

 人間なんて放っておいたら何しだすかわからない。

 それを防ぐのが法律だ。

 法律がないのにここまで安定して居住可能地域が発展しているのは不自然だ。


 それについて遠坂に聞いてみたが、よく分からないらしい。

 誰も知らないのか、こいつが知らないだけなのか。



 ーーーダンジョンについてーーー



 この世界には、ダンジョンというものがたまに出現するらしい。

 フラっと出現してはフラっと消滅するのだとか。


 この不思議現象、異世界っぽくていいじゃないか。

 面白そうだ。


 もう少し詳しく聞いてみよう。

 そう思って詳しく聞こうとしたが、遠坂はダンジョンについてはよく知らないよな。


 なんでも、ダンジョンとは無縁に育ってきたのだとか。


 こいつ、なんにも知らないな。

 薄い知識しか持ってない。


 情報が増えるのはありがたいのだが、疑問も増えてモヤモヤする。



 ―――この世界の人間について―――



 次に、この世界の人間について聞いた。


 この世界はもともと日本人しかいなかったらしい。

 日本人専用の異世界ということだ。


 おそらくほかの国の異世界もどこかにあるんだろうな。

 俺には関係ないが。


 その転生日本人どうしがこの世界で子孫を残し、今では異世界人と転生者が入り混じっているらしい。

 見た目での区別はほぼ無理だ。

 違うのは呼び方だけで、結局は日本人だから当然だな。

 今では異世界人のほうが多く、転生者は結構珍しいとか。


 また、この世界の人間は、それぞれ何かしらの能力を持っているらしい。

 まったく同じ能力は存在しないらしく、一人一人違う能力を持っている。

 しかし、能力が使えない人もいるそうだ。


 ここに転生してくる人は、能力への適正がある人だけらしい。

 それでも、能力が使えない転生者もいる。

 能力への適正と、能力の使用は違うということだ。

 転生者の能力も例外なく同じ能力が無いそうだ。異世界人とも被らない。


 さらに能力の最大所持種類数は二つらしく、三つ以上持っている奴は今のところいないそうだ。これからもないだろうと言っていた。


 ちなみに能力はこの世界にだけ混在している魔力(マナ)というものを使っているそうだが、そのことについて遠坂はあまり理解していないらしい。

 魔力について何か聞いても、「よくわからない」や「知らない」としか返ってこなかった。


 これについては自分で調べなければならないな。

 無論、他のことも再度調べるつもりだ。

 遠坂を疑っているわけではないが、たくさんの情報を照らし合わせた方が、いろいろとわかってくるものもある。

 それにこいつの理解が間違っている可能性もあるしな。


 ちなみに、魔力の制御が効かなくなり魔力の以上放出によって人間は魔物化するらしい。

 まぁ、魔力の制御ってのは無意識下でできるらしいので制御が効かなくなるなんてことはまずないらしい。



 おそらく路地裏の戦いで、俺が不可視の何かに引っかかったのは能力のせいだろうとの事。

 ああいう能力もあるのか。

 気をつけないとな。


 こいつの能力は何なのだろうか。

 そう思い聞いてみたら、「もう少し仲良くなったら教えてあげる」と言われた。

 俺は遠坂に、結構軽口をたたかれていたから仲良く思われているのかと思っていたが、実際はそうではなかったらしい。


 まぁ、俺もこいつと仲がいいとは思ってなかったしな。

 名前を知っている他人といった認識だ。

 そんな相手に仲良く思われているなんて、自分勝手というものだ。


 というかこいつ、仲がいいと思ってない相手にキモイとか殺すとか平然と言ってたの?

 遠坂と距離が近い人は大変そうだな。



 ―――居住可能地域について―――



 居住可能地域は、この世界についての時に聞いたとおり俺が転生したとき隣にあった噴水を中心に半径50キロメートルの円形に広がっているらしい。

 正確に言うと球状に。

 上空にも結界が広がっているのは予想していたが、まさか地下までとはな。

 地中で生きる魔物の侵入も防いでくれる。

 思っていたより結界は優秀らしい。


 その結界内はというと、ちょうど東西南北の四つの区画に分けられ、それぞれ

 東方神国(とうほうしんこく)

 西方神国(せいほうしんこく)

 南方神国(なんぽうしんこく)

 北方神国(ほっぽうしんこく)

 という国になっているそうだ。

 国境警備はあまりされていないらしく、出入りは自由のようだ。


 しかし、壁はある。大きな壁が。

 高さ七メートルほどの壁が一直線に伸びている。

 その壁によって居住可能地域は、見事四等分されていて、その中にも高さ三メートルほどの小さな壁がいくつかある。

 その二種類の壁には所々に途中で途切れていて、通り抜けられるようになっている。

 通行の不自由はあまりないようだ。

 ここからでは大きな建物が多すぎて小さな壁が見えない。


 一見すると円形都市のようで、中心に行くほど発展してはいる。

 が、中心に行くほど地位の高い人が暮らしている訳では無いし、一つの都市と言う訳でもない。


 それぞれの国には神様と最強が一人づついるらしいが、今現在、北方神国だけは最強が決まっていないらしい。

 神様や最強についても聞いたがそれについてはまたあとで説明しよう。


 ちなみに今俺がいるのは北方神国。

 これは転生者である俺が最強になっちゃう流れなのでは。

 そういう期待をしてしまう俺は、やっぱり男の子なんだなぁ。


 それと転生者についてだが、転生者は結界内にしか転生しないらしく、結界外に転生することはあり得ないらしい。

 どうやってそのことを確認したのかは分からない。



 ―――非居住地域について―――



 これについては、わかっていることが少ないらしい。

 わかっているのは、凶暴な魔物がうじゃうじゃいるということくらいだそうだ。

 数十年前、結界の外に出たやつが一人だけいたそうだが帰ってこなかったらしい。

 おー、怖い怖い。


 ここから見ると結界には青い空が映し出されているが、結界に近づくと空は真っ赤だそうだ。

 話を聞く限り、結界の外はサードイン◯クトみたいだな。

 魔物のことも一部では使徒とかって呼ばれているんじゃないのでは?


 非居住地域については、これくらいしか分かっていないらしい。

 情報が少ない。

 とにかく、外には絶対に出るなということらしい。

 俺もあまり出ようとは思わない。

 帰って来れないのは嫌だからな。



 ―――神様と最強について―――



 まずは神様からだ。


 神様はこの世界に四人、それぞれの国に一人づついるらしい。

 その神様四人は、それぞれの国をまとめている。


 神様はあらかじめ次の神様を決めており、死ぬと同時に次の神様が公表される。

 神様は武力とは関係なく、国を一人でまとめることの出来る素質がある人材が選ばれているらしい。


 また、神様になった途端人が変わったように国のために動き出した人もいるそうだ。

 それだけ神様は重要な仕事なのだろう。


 しかし、一人で国をまとめなければならないなんて、かなり大変だな。

 補助だったり護衛の団体ってものあるらしいが、それでもだ。

 聞くところによると、死ぬまで働かなければならないらしいじゃないか。

 神様はブラック企業。


 神様になんて絶対になりたくない。

 もし選ばれても、僕は拒否します。

 拒否権ってあるのかなぁ。


 ちなみに北方神国の神は不老不死らしく、一度も変わっていないらしい。

 そういう能力なのだろう。


 それにしても、死ぬまでやらなきゃいけない神を不老不死が務めるってなんだかかわいそうだな。

 さらには、この結界を作っているのも北方神国の神様らしい。


 これはブラックなんてもんじゃない。

 暗黒企業だ。

 漆黒企業だ。

 闇営業だ。


 神様って名前がついているから、崇められるだけなのかと思っていたが、大変そうだ。

 これは、頭が上がりませんな。



 次に最強についてだ。


 最強は文字通り最強だ。

 その国で一番強い者が最強になるという。

 要は一国に一人。世界で四人だ。


 最強の強さは国の強さらしく、最強の強さが国の立場に直結してくるそうだ。

 そのため、国の最強同士で戦うこともあるらしい。


 今の北方神国は一番下。

 なぜなら最強がいないから。


 とは言っても、立場が最底辺でもそんなに困ることはないらしい。

 他の国から見下されるだけとのこと。

 俺はそれも嫌だけどな。


 最強の決め方だが、単純に決闘らしい。

 その国の民が最強に一対一で挑み、最強に勝ち、それを公表したらそいつが最強。

 黙秘した場合、最強はそのままだそうだ。


 最強は他の最強にしか決闘を申し込めない。

 さらに国民から申し込まれた一対一の決闘を拒否できない。


 これは、最強も楽じゃないな。

 どんなに疲れていても決闘に応じなければならない。

 そこで負ければ最強をやめさせられる。

 要するに、最強は圧倒的な力を持っていなければ最強としてやっていけないということだ。

 大変そうだ。


 しかし、最強にもいいところがある。

 収入だ。

 最強というものは公務員的な立ち位置らしく、安定して多くの収入が得られる。

 この世界では、神様の次に収入が多いそうだ。


 苦労するところも多いが、ただ強ければ収入を得られるというのはこの世界の人にとっても魅力らしく、日々最強になるために訓練している人も少なくないという。


 俺は嫌だけどな。

 大金はいらないから、普通の生活を送りたい。


 のどかで、大きな事件が起こらない、そんな生活を。

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