最終話:結局、何も変わってねえ!
転生者懲らしめ隊の評判は……上々だった。俺が転生者を叱る(半殺しする)と、彼らはあっという間におとなしくなった。異世界のバランスは壊れず、他の神から怒られることもなくなった。天界からの評価だって、むしろ良くなっているほどだ。
しかし、新たな懸念材料が一つあった。それは……。
「はい、異手世さん。今日もお疲れ様でした。おいしいお菓子ですよ」
「イアドルさん、ありがとうございます。パクッ、うまいなぁ」
クソ異手世とイアドルちゃんの仲が、深まっている気がするのだ。
もう見てられなかった。慌てて、二人の間にとってはいる。
「イアドルさん、俺にもお菓子くれないかな?」
「……どうぞ」
だが、イアドルちゃんは、未だにそっけない態度だった。
「じゃあ、私は仕事に戻りますね」
「お菓子ありがとうございました、お仕事頑張ってください」
イアドルちゃんが、仕事場に戻った。
(さて……と)
俺はロッカーに行く。
「……死にさらせえええええ!」
「うわぁ! 神様、やめてください! 危ないから!」
「イアドルちゃんに手をだすな、って散々言ったよなああああ!」
むちゃくちゃに、鎌を振り回す。
「手を出すって、話しただけじゃないですか!」
「会話も死刑だあああ!」
「そんな無茶な!」
クソ異手世は室内を、グルグル逃げ回る。今日こそ、この軽薄で、女たらしで、スケこましで、プレイボーイの、ゴミクズ野郎を処刑するつもりだった。
「待ちやがれえええ!」
「うわあああ! イアドルさーーーん!」
狭い部屋の中で、クソ異手世を追いかけまわす。
(ちくしょう! どうして、いつもこうなるんだ!)
俺は今日も、ストレスで死にそうだった。