⑧4人目にも会いましたので
「まぁ何はともあれなにもなかったんならいいよ(微笑む常葉)」
「……(黙って頷く一実)」
「ふふ……君達仲いい姉弟だねぇ。俺達は男所帯だったけど、義妹が出来るとまた違う感じがするのかも知れないな(微笑みながら常葉の頭に手を伸ばす譲)」
パシッ
「……(常葉に掴まれた手首を見る譲)」
「すみません、ちょっと、頭撫でようとしました? それは止めてくださいね?(にっこり笑う常葉)」
「………(― すごいよ姉さん。譲さんに対してあの態度、尊敬する。と言うか俺の冷や汗半端ない ―)」
「……へぇ(感心した声を出す祐)」
「あまり、撫でられるのは嫌なんです(手首を離しながら笑う常葉)」
「……なるほど。申し訳ないね、馴れ馴れし過ぎたかな(なんでもない顔で腕を下す譲)」
「いえ、なんか、気分悪くさせちゃったなら……こちらこそ申し訳ないです(少し済まなさそうな表情を浮かべる常葉)」
「じゃあ代わりと言ってはなんだけど、俺のこと、『兄さん』って呼んでくれないかい?(ものすごくキラキラした笑顔な譲)」
「いいですよ(普通の表情で軽く答える常葉)」
― いいの!? ―(一実)
― 即答か ―(祐)
「ついでに敬語もなしで(柔らかな笑みの譲)」
「え、いいんですか? 顔合わせて二回目なのに(ちょっと気後れした表情の常葉)」
「俺の希望だからね。あ、他の奴らにも敬語使わなくていいよ。俺にはなしで修とかに敬語は変だろう?」
「……わかりました(― 打ち解けやすくするように、気を使ってくれてるんだな。流石だな ―)」
「じゃなくて」
「わかった」
「はい、よく出来ました(少しおどける譲)」
「ぷ、じゃあ遠慮なく(柔らかな笑みを浮かべる常葉)」
「…………(じっと常葉を見る譲)」
「あ、祐ごめん!じゃあとりあえず別の部屋に行こう。ここは私室にはせんとく(祐の方に振り返る)」
「ん? 別に使っていいんだよ?」
「うーん……ここは、共用スペースの方がいいのかなって」
「そうかい?」
「と言うことで行こうか一実」
「う、うん」
「あ、祐、一応祐達の部屋も教えてね。決める時被ったらやだし」
「……あぁ」
「じゃあ……行こう姉ちゃん。……また(まだ若干びびってる一実)」
「はいはい(笑いそうになりながらひらひらと手を振る譲)」
「……またね(手を振りながら扉へ向かい、少し振り返る常葉)――――譲兄さん?」
パタン
「……………………
……なんか、いいね(呆気にとられながらも、ちょっとツボにはまる譲)」
「なんかさ、『兄さん』って言うのむずかゆいよね、一実。私ら『兄ちゃん』呼びに慣れてるし」
「……俺は姉さんが時々恐ろしい」
「ああ、お前は時々私のこと『姉さん』呼びだから違和感ないのか」
「……この状況こそ違和感しかない」
「……って言うか一実大丈夫?」
「そうだね、俺がしっかりせんと……」
「おい」
― 会話かみ合ってねぇし。……ちょっとだけ面倒見てやろうか ―
祐に心配される常葉達。




