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悪役令嬢人形譚〜人形は晴天を告げる〜  作者: ひらえす


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8/8

登場人物紹介(ネタバレあり)


エドモンド・フォン・ヴェルナー


19歳。ヴェルナー伯爵家の嫡男。

金髪碧眼。学園はすでに卒業しており、現在は家業である魔道具開発に本格的に関わっている。


婚約者コーデリアについて、当初は「気難しい令嬢」「継母や妹を嫌っている」という周囲の評判を完全には否定できずにいた。


しかし、本人の言葉と周囲の説明が少しずつ噛み合っていないことに気づき、コーデリア自身を見るようになっていく。


古いビスクドールの内部に残されていた未完成の音声記録機構をきっかけに、十秒だけ声を録音できる安価な魔道具を開発する。



コーデリア・フォン・アッシュフォード


16歳。アッシュフォード伯爵家の長女。

艶のある黒髪と、鮮やかなオレンジ色の瞳を持つ。どちらも三歳の時に亡くした実母譲り。


現在は学園に通っている。


そっけなく、必要以上に言葉を重ねないため、「冷たい」「気難しい」「継母や異母妹を嫌っている」と噂されている。


実際には、自分の言葉を他人に勝手な意味へ置き換えられてきたことで、余計なことを話さなくなった。


魔術は使えないと思われていたが、実際にはごく細い魔力を正確に通す特殊な性質を持つ。


その力によって、通常の魔力では起動できなかった古い魔道具を動かすことができる。


継母から贈られた曰く付きのビスクドールを、自分自身に重ねて大切にしている。



バルタザール・フォン・アッシュフォード


アッシュフォード伯爵。コーデリアとミーナの父。

薄めの茶髪に、オリーブグリーンの瞳。


前妻を亡くした後、三歳だったコーデリアを抱えた状態でユーフェミアと再婚した。


家庭内のことを後妻へ任せきりにしており、コーデリアがどのような生活を送っていたのか、長い間ほとんど把握していなかった。


後に、自分は「知らなかった」のではなく、「見ようとしていなかった」のだと突きつけられる。



ユーフェミア・フォン・アッシュフォード


アッシュフォード伯爵の後妻。

子爵家出身。ブルネットの髪にグレーの瞳。


コーデリアが三歳の時にアッシュフォード伯爵家へ嫁いできた。


外では柔和で献身的な継母として振る舞う一方、ミーナには幼い頃から、


「お姉様はあなたを嫌っている」

「私たちは後から来た家族だから仕方がない」


と少しずつ思い込ませてきた。


また、曰く付きだと知りながら古いビスクドールをコーデリアへ贈っている。



ミーナ・フォン・アッシュフォード


14歳。コーデリアの異母妹。

薄めの茶髪に、オリーブグリーンの瞳。父バルタザールによく似ている。


現在は学園に通っている。


素直で、人の言葉を疑うことが少ない。


母ユーフェミアから繰り返し聞かされてきたため、「自分は姉に嫌われている」と本気で信じている。


エドモンドにも悪意なく、


「私はお姉様に嫌われていますので」


と話してしまう。


しかし、コーデリア本人と向き合ううちに、


「お姉様から嫌いと言われたことは、一度もない」


と自分自身で気づいていく。



オズワルド・フォン・ヴェルナー


ヴェルナー伯爵。エドモンドの父。

魔道具研究と開発を担う、研究者気質の当主。


ヴェルナー家に長年保管されていた用途不明の古い魔道具を、コーデリアが起動させたことで、彼女の特殊な魔力の性質に気づく。


コーデリアの能力を万能なものとは考えず、


「壊れたものを直すのではなく、細い魔力を通して、眠っているものを起こす力」

として評価している。



ナディア・フォン・ヴェルナー


ヴェルナー伯爵夫人。エドモンドの母。

研究そのものよりも、家の運営や実用性、製造費、販売価格などを見る現実的な人物。


コーデリアがまともな食事を与えられていなかったことを知り、「嫁教育」を名目にヴェルナー家へ住まわせることを決める。


食事、衣服、髪の手入れなどを次々と整えるが、本人はあくまで、


「嫁教育です」


と言い張る。


その結果、コーデリアは少しずつ健康を取り戻し、本来の美しさを見せるようになる。



人形師


古いビスクドールの内部を調べるため、ヴェルナー家へ呼ばれた職人。

人形を分解することに一切ためらいがなく、頭部や手足を外して内部構造を確認する。


コーデリアが自分で人形に手を入れてきたことにも気づき、その丁寧さを評価する。


人形の腹部に仕込まれていたものが、人形本来の機構ではないと見抜き、魔道具の専門家へ引き渡すきっかけを作る。



曰く付きのビスクドール


コーデリアがユーフェミアから贈られた、古いビスクドール。

「持ち主の本心を語る」

「秘密を暴く」

「夜中に囁く」

「不幸を招く」

など、さまざまな噂がついている。


しかし実際には、亡くなった人形師が音声記録機能を仕込もうとして作った試作品。


内部には古い魔道具機構が残されており、コーデリアのごく細い魔力によって腹部が淡く光る。


録音機能は壊れているが、唯一残されていた音声は、


「本日は晴天なり」


という、ただの試験音声だった。



小さなクマのぬいぐるみ


エドモンドが開発した音声記録魔道具を仕込んだ特別製のぬいぐるみ。

一般販売用は、子どもが抱ける大きさ。

コーデリアに贈られたものだけは、彼女が大切にしているビスクドールが抱ける小さなサイズに作られている。


中にはエドモンドの声で、

「明日も、お茶をご一緒しましょう」

と録音されている。


コーデリアは、その言葉をなかなか上書きしようとしない。

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