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第15話 「兄、学園で“花婿修行”に巻き込まれる」

いつもの平日朝。

城ヶ崎春はため息をつきながら制服のネクタイを締めていた。


春「昨日の“婚約者宣言”、完全に学園内に広まってたな……クラスの女子が妙に優しいし、男子が刺すような目で見てきたし……」


そこに妹・結衣がふわりと登場。


結衣「兄さん、おはようございます♡ 今日も素敵ですね。ネクタイ、ちょっと曲がってますよ? はい、失礼しま〜す♡」


春「わざわざ顔近づけて直す必要ないだろ!?」


結衣「お嫁さんにネクタイを直してもらう花婿の気分、いかがですか?」


春「俺はまだ“花婿”じゃねえから!!」



◆学園にて


教室に入ると、ざわざわとした視線が春を襲う。

黒板には、なぜかこんな文字が大きく書かれていた。


『第1回・花婿研修プログラム』


春「は?」


女子生徒A「城ヶ崎くん〜♡ 婚約者として、花婿研修にぜひ参加してねっ♡」


男子生徒B「こちとら家庭科の調理実習で包丁の持ち方から教わってんだよ……お前は人生の勝者か?」


春「ちょっと待て!?なんだこのノリは!?誰が始めた!?」


女子生徒A「もちろん……結衣ちゃんですよ?」


春「だろうなあああああ!!!」



◆家庭科室にて


講師役:橘花 凛。

助手:城ヶ崎 結衣。

被験者(という名の生徒):兄・春。


凛「ではまず基本中の基本、“愛妻弁当の正しい作り方”からですわね」


春「俺が愛妻弁当作るの!?逆じゃね!?!?」


結衣「兄さんはお嫁さんの“予定”なので、これくらい作れて当然です♡」


凛「そう、世の中には“家庭を支える旦那力”というものが求められておりますの」


春「聞いたことねえ新概念生まれた!」


結衣「では兄さん♡ 今日は“私が寝坊して朝ご飯作れなかった日”を想定して、三分で“栄養バランスと愛情の両立した朝食”を作ってください♡」


春「シチュエーションが妙に現実味あるのやめろ!!」



◆放課後


春は全身クタクタ。

校内を歩くたびに女子から「素敵な旦那さん♡」という視線を浴びる。


春「はあ……俺、なんで“結婚適性アピール”してんだ……?」


そこに、突然声がかかる。


???「ふん……浮かれてるわね、城ヶ崎結衣」


現れたのは――

生徒会長・霧島梓。

その背後には、生徒会役員がずらりと控えていた。


梓「“学園を家庭内イベント会場化”なんて前代未聞。これは明確な生徒会の許可なき企画乱立よ」


春「いや俺も巻き込まれてる側なんで助けて!!」


結衣「……ふふ、梓さんもご興味があるんですね?」


梓「ち、ちがっ――///」


凛「おやおや、まさか梓さんも“花婿研修”に興味が? 今なら体験版もご案内できますが?」


梓「誰が!? あなたたちとは違うのよ!」


春「違うとは……何が!?俺は何も選んでないぞ!!?」



◆夜


帰宅後。

結衣は、春の作った卵焼きを嬉しそうにほおばる。


結衣「うふふ♡ 兄さん、今のままでも“お嫁さんにしたい男性ランキング”第1位ですよ♡」


春「このランキング誰が作ってんの!?全部妹発信だよな!!?」

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