第14話 番外編「兄、買い物について行っただけなのに婚約者として紹介される」
日曜の朝。
春がリビングに降りると、妹・結衣がオシャレな服を着てスタンバイしていた。
結衣「おはようございます兄さん♡ 今日は一緒にお買い物に行きましょう♡」
春「昨日あんなに出歩いたのに、また外出かよ!?てかその服、ちょっと気合入りすぎじゃない?」
結衣「兄さんの隣を歩くのに、全力以外の選択肢があるとお思いですか?」
春「正論風で圧がすごいな」
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某高級百貨店・スイーツ売り場。
春「(…まあ、こういう休日もたまには悪くないか)」
結衣「兄さん、あっちのチョコレートどうでしょう?“兄さんの甘さと同じくらいスイート”らしいです♡」
春「俺の味覚基準にすんなよ!」
そこへ、声がかかる。
???「あら、城ヶ崎さんじゃない。……そちらは?」
振り返ると、エレガントな中年女性が――
どう見ても財閥系のオーラ全開。
結衣「あ、会長夫人。こちら、私の婚約者です♡」
春「ファッ!?!?」
会長夫人「まあまあ……ご婚約者?高校生で?ふふ……若いって素敵ねぇ」
春「ちょっ、違います!僕は妹と一緒に買い物に来ただけで――」
結衣「兄さん、照れなくても♡ もうすぐ役所に婚姻届を提出する予定ですし♡」
春「聞いてねぇよ!?あと戸籍上でもまだ兄妹だろうが!!」
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場面は移り、結衣の側近・橘花凛も合流。
凛「おやまぁ、何このアツアツ空間。デート中に結婚発表とは……これはもう“家計再編”の時期ですかね?」
春「やめろ、経済用語で会話するの!!」
凛「では春様、今後の財産分与についてプランBとCどちらをご希望で?」
春「もうやめてくれぇぇぇ!!」
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買い物を終え、帰宅途中。
春「……マジで勘弁してくれ。俺、明日から学校で“婚約者”って呼ばれそうなんだけど」
結衣「ふふっ♡ 大丈夫です。既成事実は愛で上書きされるもの♡」
春「誰の言葉だそれ!!!」
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夜。
再び日記を開く結衣。
『会長夫人への挨拶、完了。
兄さんの“社会的婚約者”ポジションはほぼ確保。
次は戸籍上の整理と、式場の選定を進めます。
神か、天か、兄さんか。答えは兄さんです。』




