第五話 魔女と兄妹と復讐の女王
祭りの最終日。
いつもなら、村人達がそれぞれ出し物をし、村の外からそれを観光しに来た人でごった返すいつもの日。
ですが村は、いつもとは違う空気に包まれていました。
「ありえねーよ、どうせ酒の飲み過ぎで、幻覚でも見たんだろ? あの爺さん、前も俺は隣の国の王様だとかボラふかしてたじゃないか!」
「いやいや、見たのは俺だけじゃないって、何人も、村人も観光客も目撃してたって、あと俺は本当に昔は王様でな」
「だったら、あの魔女の魔法か何かでしょ? 化かされたんじゃないの?」
「そんな魔法を使うか? やっぱりばあさん関係ないだろ、そんな簡単に済むなら私がとっくにぶっ殺してるよ」
「いやでも……」
祭りとは別の喧騒に包まれる村、今日も家の手伝いを終えて祭りを見に来た兄妹が現れました。
「どうしたんですか?」「皆、騒いで?」
「おう兄妹か、なんだお前ら聞いてないのか?」
自分をどこかの国の王様だと、不老不死で三百年は生きているといつも嘘をつく酒飲みのおじさんが、アルコール臭を漂わせながら、兄妹に事の顛末を話しました。
今日も朝から、晴天の下。普通に祭りがおこなわれていました。
魔女のおばあさんも、今日は珍しく、祭りを見に来ていました。
そこにリアカーで引かれた大きな屋台が現れました。
その屋台は、前日も、その前日も現れ、物を売ったり屋台の中で演劇をしたりしていたのです。
屋台の人々は村の者ではなかったのですが、誰もとくには気にしていませんでした。
その屋台が魔女に近づいていきました。
そして突然、魔女のおばあさんの前で左右に屋台が開き、お婆さんが屈強な男二人に抱えられ、屋台の中に押し込められたのです。
突然の事に周囲の人達も驚き、戸惑い、身動きが取れず。
そして凄い速度で屋台が去って行ったのでした。
「お婆さん」「攫われちゃったの?」
「ありえないだろ!」
占い師の若い男性が口をはさみます。彼はかつて無謀にも魔女に喧嘩を売って、逆にぶっ飛ばされ、弟子入りを望みましたが断られ、それ以来、村に住んでそのチャンスを狙っている人でした。
「あの方が、閉じ込められて去られるなんて、それこそ全員倒して脱出しているさ!」
「でもいつもと様子が変だったわ」
動物の調教師のお姉さんが口をはさみます。彼女はかつてライオンを魔女にけしかけたのですが、ライオンを子猫に変化させて返されてしまい、元に戻す為に一か月前から魔女に言われた芸を磨いている人でした。
「なんというか、疲れがたまっていた様子だった。魔力が足りなかったんじゃない」
「だが隙は無かったぞ」
ナイフ投げのおじさんが言葉を発しました。彼は賞金稼ぎであり、隣の隣の王国にかけられた賞金の為、魔女を狩りに来たのですが逆にやられてしまい、好機を伺い村に住んでいました。
「疲れているのは俺も見えたが、ナイフを投げつけた瞬間、滅多刺しにされる気配がした」
やはりみんな、魔女が連れて行かれるなんてありえないと、考えが一致していました。
そのうち、観光客が文句を言い始め、とりあえず皆はめいめい見世物に戻りました。
しかし、どこか気もそぞろです。もしかして何か起こっているのか? 魔女を倒すチャンスではないのか? そんな声がどこからか聞こえてきます。
兄妹も何かあったのだろうかと、ほんの少しだけ心配になり、魔女の家に行ってみました。
「魔女ナライナイゾ」
家の玄関には、前に会った妖精が、なぜか普通の大きさの蛇を相方に酒飲んで座っていました。
「早朝、二度寝ハシヅライト、村ニ行ッタゾ」
「あの、妖精さんは」「どうしてここに?」
「……色々アルンダヨ」
兄妹は、どうしたものかと、これからの事を考えます。
気になった妖精が兄妹に聞くと、魔女が攫われたのだと答えました。
「嘘ダロ?」
妖精は信じません。蛇も信じません。
「でも」「どこにも見当たらないし」
兄妹もそこまで信じていません。妖精は少し黙ると、兄妹を見て呟くように言いました。
「ワカッタ、私ガドコニイルカ見テヤロウ」
妖精がそう答えます。妖精はなんと魔法もそこそこ使えるのでした。
「え?」「無料でいいんですか?」
「アア、コレモ売リ込ミトイウ奴ダ」
「?」「売り込み?」
「コッチノ、話サ」
羽根のついた小さな少女の姿をした妖精は、浮き上がると水を両手から生み出し、大地にこぼしていきました。
しばらくすると水たまりが地面にできます。
妖精が呪文を唱えると、空を映し出していた水たまりに、別の映像が現れました。
「あ」「お城?」
周りを湖に囲まれた、豪華な建物がありました。
それはこの国のお城でした。
「コレハ、魔封ジノ石!?」
その庭の屋台を見て、妖精は驚きます。
「魔法ノ力ヲ封ジル石ダ、ナゼコノ屋台ハ、ソンナモノデデキテイルンダ!?」
その石は文字通り、魔法の力を消失させる物体でした。魔法使いにとっては天敵ともいえる物です。
「コレナラ確カニ魔女モ、……イヤ、デモ……」
妖精は悩みます。兄妹は念のため、助けに行く事にしました。
「でも城の事はよくわからないな」「じゃあお兄さん、よく知っている人を雇いましょう」
「ああん!? ワシがなんで行かなきゃならないんだよ!?」
店の中で昼寝をしていた、靴屋のじいさんを兄妹は起こし、事情を説明しました。するとお爺さんは不機嫌に怒鳴りました。
「でもお爺さん」「昔は城勤めだったんでしょう?」
「もう二十年も前の話だ、城だって色々変わってるだろうよ。ワシは力にならない」
お爺さんは手を振って、兄妹の頼みを断ります。
そしてお爺さんはキセルを手にし、煙をふかしました。
「そもそも何でお前ら助けに行くんだ? ワシには助けに行く理由がないし、あのババアなら自力で帰るだろ?」
「それは」
兄は言いました。
「もしかしたらお婆さんが困っているレアな姿が見れるかもしれないし」
妹は言いました。
「お婆さんに恩を売ったら、何か豪華な物が返ってくるかも」
妖精は言いました。
「モシカシタラ、アノ魔女ニ一泡吹カセル、何カガ起キテイルカモシレナイカラ」
「よし乗った、一緒に行こう」
こうして兄妹と妖精とお爺さんと蛇は、この国の首都である城へと向かったのでした。
村から歩いて一時間して、城下町へと四人は着きます。
石でできた城下町。首都という事もあり、たくさんの人でにぎわっています。
その町を見下ろす城は、湖に囲まれた美しい建物でした。
いつもなら城門が開き、人々に常に解放された場所でした。
しかし現在はその大きな門は閉じられ、さらに兵士達が城の周りを見張っております。
「厳戒態勢ダナ」
魔法で姿を消した妖精が、城の周りを飛んで見て回ってきました。
「魔女ノ姿ハ見エナイ。ドコモカーテンデ、中ガ見エナイ」
兄妹は困りました。広いお城のどこにいるのかわからないと探せません。
「忍び込むのは良いとして」「どうしようか?」
「暴れたらお婆さんからわかるかな?」「それとも蛇さん、行ってみる?」
兄妹は悩み、蛇に聞きます。蛇は割と乗り気です。
「止めとけお前ら、指名手配されるぞ」
お爺さんは兄妹を止めます。
「お前ら、来年はこの町の泊まり込みの学校に行く予定だろ? 面倒は起こさない方が良いぞ」
お爺さんはそう言って、兄妹を路地裏へと呼びます。
「二十年、変わってないなら、手がある」
お爺さんはある知り合いの家に行きました。
その家は、先祖代々、お城に使える執事の家系でした。しかしその家の主人は年齢の為腰を悪くして、杖を突いておりました。
お爺さんはその杖の老人と、昔の知り合いだと笑いあい、握手をします。
そしてある事を頼むと、老人は笑顔で承諾しました。
城の物置部屋に、その老人の家とつながっていました。
緊急避難用の秘密通路だという事です。
女王の間には女王様の笑い声が響いていました。
「アハハハハ、負けた事のない伝説の魔女と聞いたが、なんだ大した事は無いじゃないか!」
玉座に座り、あざ笑う表情の女王。
その年齢はまだ若く、少女と言える見た目でした。
その前にはロープで宙吊りにされた老婆。
さらにその下には大きなガラスで囲まれた部屋。
そのガラスの部屋の中では、なにか興奮状態のたくさんのカエルがいました。
階段下に数人の人間がいます。
「これもそれも私の計画通りですな」
「わかっている魔導士。事前通り、研究費は大幅に上げよう」
「はは、ありがとうございます、女王よ!」
妙齢のローブ姿の女魔導士は頭を下げ、跪きます。
「思ったより、簡単な仕事で拍子抜けでしたな」
「お前の力と俊敏さがあってこそだ」
「お褒めに預かり光栄です、女王陛下」
銀の鎧を着た髭の男の騎士も、しっかりとした敬礼の元、跪きます。
「……」
「お前もだ、狩人よ。褒美はたんまりとやろう」
壁に背を預けた寡黙な女の狩人が、笑みを浮かべて頷きました。
「いやはや、女王様。さすがです! 優れた血筋を誇る王家でも、突出した才覚があるとしか思えませんな」
「あまり褒めるな大臣。いや、私も私の才能をきちんと理解していただけさ!」
胡麻をする大臣に、女王は気分を高揚させ玉座から立ち上がりました。
それらを見て、宙吊りの魔女はぼやくように言います。
「やれやれ、今回の女王とやらがどんなものか、一目直接見ておこうと気を抜けばこうかい」
魔女の体には、たくさんの魔封じの石が取り付けられています。
「魔女よ!」
女王は硝子の箱の近くまで歩いていきます。
「我が先祖はかつて、貴様に挑み、そして敗北した! その後に待っていたのは千匹の蛙とのキス! 女王は二度と貴様には戦いを挑まないと誓い、毎日蛙の悪夢にうなされ、その恐怖を子孫に伝えて来た!」
「あんた、攻めてきてるじゃない」
「五百年前の契約など、無効だ無効!」
魔女の言葉に、胸を張って女王は否定しました。
「しかしついにその恐怖を振り払う時が来た! お前には薬で興奮した蛙達の熱烈な口づけを受けてもらうぞ! その数、丁度、千匹よ!」
魔女の真下、大きなガラスの箱の中では、蛙達がいまかいまかと生贄を待って飛び回っています。
「貴様の話は祖母から、母から聞いていた。だが王家に伝わる話では、魔女は若い女だった! だが貴様は老婆だ! つまり年老いて、その力も衰えている! 我が王家の恥辱を拭う、復讐の時は来たのだと私は理解した!」
またも今回の女王は高笑いをします。
「穏健な母が聞けば止めただろうが、隠居した母は今、旅行中。復讐の時は来た」
「復讐って五百年も前の事じゃないかい」
「うるさい! 魔女には逆らうなだと!? この国で女王より偉い人間がいてはいけない!」
そして女王は兵士達に命令しました。
「さあロープを下ろせ! 魔女に復讐を!」
ゆっくりとロープが、魔女の老婆が地へと下がって行きます。
蛙達が、舌を伸ばし獲物を舐めまわさんとしています。
おばあさんはため息だけをついていました。
「おう、なんか面白そうなことになってんな」
そんな王の間に、そこに関係していない集団が現れました。
老人と、子供の兄妹と、妖精と蛇でした。
「ワシはそこまで期待していなかったが、なんだ本当にピンチじゃな」
「お前たち、魔女を助けに来たな!」
「……え? いや」
「騎士、魔導士、狩人、兵士共、そいつらを打ち払え!」
女王の命令で、女王の配下達は侵入者に一斉に殺到しました。
「待て、話を聞け! ワシらは助けに来たわけでは」
「参る!!」
銀の騎士が剣を抜いて、襲い掛かります。
念のため、物置から持ってきた剣で、靴屋のお爺さんは防ぎました。
「貴様、年をとってもその顔は忘れんぞ! 二十年前の騎士団長!」
「ん? ああ、お前は二十年前に入ったルーキーだったか?」
「覚えていてもらって光栄だ。しかし、犯罪者の爆弾で傷を負い、騎士を辞めたと聞いていたが、まさか魔女の手下になっていたとは、恥を知れ! この場で斬り捨ててくれる!」
「いや、魔女のババアのピンチを見学しに来ただけなんだがな」
お爺さんの言葉を聞く耳持たず、銀の騎士はおじいさんに斬りかかります。
仕方なく、お爺さんは応戦しました。
女魔導士が火の玉を生み出し、飛ばします。
妖精が水のバリアを生み出し、それを防ぎました。
「!? 妖精とは珍しいな、魔女の子飼いかな?」
「残念ナガラ、現在ハ就活中ダ」
火と水の弾丸がお互い、飛び交います。
寡黙な狩人が弓に矢をつがえます。
しかし蛇が突然、飛んできて腕に絡みついてきました。
「ちっ」
舌打ちをして、女狩人は弓を捨てナイフを取り出し払います。
蛇はとっさに飛び避け、素早い動きで壁を伝い動いていきます。
「何をやっとる! さっさと捕まえんか!」
大臣の檄に、兵士五人が走ります。
「うわああ!」
二人の子供が、必死に女王の間を走って逃げます。
「お兄さん、どうしよう!?」
「今はとにかく逃げろ!」
一緒に、時に別々に走り回り、兄妹は兵士達を翻弄しました。
「……」
魔女は宙吊りのまま、目下の騒動を見ていました。
「……」
ただお婆さんを笑いに来たのだろう靴屋の老人が、必死に剣を振るっています。
同じく様子を見に来ただけの妖精が、必死に魔法を使って防いでいます。
女の狩人が、蛇の動きに翻弄されています。
大人の兵士達が、二人の子供に振り回されています。
「……ぷ」
おばあさんはその様子に、その状況に噴き出してしまいました。
「あははははっ! 何をやってるんだい、お前らはっ!」
おばあさんは最近、笑っていませんでした。楽しい事があるのではないかと試しに、捕まってみたのです。そして今の状況は、予想外におばあさんにとって面白かったのです。
「……やれやれ、でもこれ以上は、けが人が出るね。やめにするか」
どこからか笑い声が聞こえたと思い、若い女王は上を見ました。
女王にとってにっくき魔女が笑っていました。
「……なにを、笑って……えっ?」
魔女が魔法を唱えると、体にいくつも取り付けられていた、いくつもの魔封じの石がポロリと蛙達の所に落ちました。
自由になったおばあさんは、風を操り、蛙のガラス箱を避けて、ある意味で戦場になった王の間に着地しました。
全員が、その姿に唖然としていました。
「そんな、魔封じの石が効かないなんて」
女魔導士が絶句しました。
「……兵士達、そいつを取り押さえろ!」
大臣が命令します、五人の兵士が老婆に剣を抜いて踊りかかりました。
老婆はにやりと笑うと、魔法を唱えます。
兵士五人の地面だけが急な斜面に変化します。
そして滑り台を滑って行く五人。
滑り台の先は大きな穴となっており、それは城の外へとつながっていました。
城の周りは池。五人の兵士は悲鳴と共に池へと捨てられました
「くそっ」
女魔導士が、老婆に向かって魔法を唱えます。
火球を生み出し、老婆にぶつけようとしました。
ですが生まれたのは大きな鷹でした。
「え、わ、待て、離してぇっ!?」
女王の間の大きな窓が開き、女魔導士は鷹に捕まれ、外へと飛んで運ばれて行きました。
そして城の周りは池。女魔導士は悲鳴と共に、池に落とされました。
女狩人が、捨てていた弓を拾います。
そして矢をつがえ、魔女へと向けて弓を弾いて放ちます。
「!!??」
ですが弓のばねの力が強く、矢はその空中を動かず、逆に女狩人がバネに負けて吹っ飛びます。
窓が開き、女狩人は小さな悲鳴と共に池へと落ちて行きました。
「だ、だれかぁ、だれかおらんか!?」
大臣は、恐怖のあまり、他の兵士を呼びに走り出しました。
女王の間の横にある扉を開いて、女王の間から飛び出します。
しかしそこは空中。扉の先は池の上に繋がっていました。
そのまま大臣は、空中から池へと落下しました。
「うおおおおお!!」
銀の騎士がお爺さんに背を向け、走り出し、魔女に向かって剣を振り下ろしました。
「あら、ありがとう、嬉しいねえ」
「!?」
剣はバラの花束に変化していました。
さらに女王の間の隅にあった椅子二つが合体し、四本足の馬のように駆け出しました。
合体した椅子は銀騎士に走り寄り、自ら銀騎士を載せます。
「うお!?」
そうして椅子は女王の間を駆け、開いた窓から外へとダイブしました。
こうして銀の騎士は、椅子と共に池へと飛び込んでいきました。
「なんで、やっぱり自力で脱出できるんじゃないの」
靴屋のお爺さんは、つまらなさそうに剣を捨てました。
「サスガ魔女ダナ」
妖精は疲れたように、床に座り込みます。
「しゃあ」
蛇は嬉しそうに、おばあさんの元に這って行きます。
「おばあさん」「助けに来たよ」
兄妹は、本当は様子を見に来ただけだと言うのに、臆面もなく嘘をつきます。
「お前たち」
もちろん、そんな性悪な兄妹の嘘なんて、意地悪な魔女はお見通しでした。
足音を立てずに、逃げ出そうとする若き女王。
「おい、女王さん」
「ひぃっ!?」
おばあさんに声を掛けられ、女王は恐怖に動きを止めます。
「今日は思ったより楽しかったよ、最近、嫌な事があって気分転換になった」
おばあさんは笑顔を向けます。
女王は意味が分からず、戸惑います。
「でも不戦の約束を破ったのはいけないねえ、これは罰さ」
女王は空中に浮き、そしてゆっくりとガラスの箱の中へと移動していきます。
女王の悲鳴は、千匹の蛙のキスによってかき消されてしまいましたとさ。
二百年ほど、昔のお話です。
見た目は若き魔女は、ついにどうやっても何度でも何年でも訪れる王子様に根負けし、結婚を承諾してしまいました。
王子に連れられ、隣の隣の国のお城へ。ついでに村人たちも連れて行きました。
始めは魔女はそこそこ楽しめました。人間たちの嫌味など、魔女には効きません。
しかし王子が年を取るのに、自分は若いままなのはなんだか嫌でした。
魔女は自分に老化の魔法をかけました。
しばらくして子供が生まれました。
魔女はわりと幸せでした。
魔女は自分の幸せを守るために、国に尽くしました。
傷を癒す魔法、食べ物がたくさんできる魔法、様々な魔法の知識も与えました。
国の民は横暴になりました。
周りの国の者達を差別し始めました。
周りの国々は結託し、魔女のいた国を攻撃しました。
魔女は負けません。
ですので魔女を倒す為の武器を、周りの国は作りました。
生まれついての異常なる、特殊な能力を持った生物兵器ともいえる人間たちを生み出したのです。
王となった王子はある日、周囲の国と和平交渉をしました。
罠だと魔女も含めて止めましたが、王子は聞きませんでした。
思った通り、和平の間で王子と魔女は攻撃を受け、王子は致命傷を受けました。
魔女は怒り狂い、全員殺してやろうとしました。
しかし王子がそれを止めます。
自分の命で、この戦争を終わりにしたいと、告げました。
簡単に傷を癒したり、簡単に人を助けたりしないほうがいいと、魔女に諭しました。
王子は死にました。
魔女は村人たちと、生物兵器となった人間たちを連れて、自分の森へと帰りました。
子供に王位を託しました。
去り際にこれ以上、争えば全員殺すと脅迫しました。
魔女は生物兵器の者達を人間にしました。
ただし私を楽しませろ、これは昔からの約束であると脅迫しました。
最近、その国から戦争になりそうだから助けてほしいと手紙が来ました。
もう魔女はその国に関わり合いになりたくなかったのですが、自分の子孫と生物兵器の子孫に頼まれ、仕方なくその国に行きました。
国は面影がありました。
子孫は面影がありました。
戦争の原因になりそうだった、王女と妖精の王を助け出し、逃げるように去りました。
魔女は思います、最近楽しい事がないなと。
もうしばらく、笑える事が無かったら、今度こそ死んでしまおう。
あの人の所に行こうと、おばあさんはそう決めたのでした。
魔女の家に、今日もまた兄妹が訪れます。
「おばあさん」「おばあさん」
「はん、お前たちかい」
玄関に出た老婆が、笑って出迎えます。
「学校行きたくない」「勉強したくない」
「馬鹿言うんじゃないよ」
魔女の老婆は兄妹を笑いました。
本当はもうちょっと語彙をつけてから書きたかったが、とりあえず終わり。
何を持って童話とするかが、よくわからなくなってしまった。