ピュア & フィア第4回:物語の前半(下)
## イントロダクション
ここは災厄によって発展した街『トーキョーN◎VA』
かつて強大だった国は氷の下に沈み、企業が国を運営する未来。
日本は物理的・霊的に鎖国し、出島機関として解放された『トーキョーN◎VA』は世界経済の反映と衰退の中心に君臨していた。
ここに住んでいる全市民は、ありとあらゆる情報がネットワーク上で管理されている。
顔認識システム、GPS、社会保険番号……N◎VAに存在するありとあらゆるシステムが組み合わさった結果、
私は計画犯罪に遭遇する人物【対象者】を予測する事に成功した。
それが被害者なのか加害者なのか判断できないし、身体が不自由な私「オート」では事件を未然に防げない。私の代わりに奔走してくれる者達が必要だ。
では、彼らを紹介しよう。
ST:最初のイベントの達成条件で残る判定は、<DRIVING>を使った判定のみとなりますね。
フレーバー:さっきからニッシーが苦笑いをしていて、とってもイヤな予感しかしないよ!
篤司:まぁ、なるようになりやしょう。
ST:覚悟が決まったようで何よりです(笑) シーンタロットを引きますね。
### 物語の前半
◆シーンタロット:フェイト / 公正
●シーンプレイヤー:篤司
ST:フレーバーが【対象者】高野 和弥君を付かず離れず追跡していると、彼は商業施設内建設中の立ち入り禁止区画へと入って行く。その中を通って行くと、ゲームセンターのハーポドライブまですぐ行けるようだ。
篤司:ハーポドライブですかい?
ST:レトロなモノからAR技術を使った最新筐体まで、何でも取り揃えているゲームセンターです。
篤司:でも、近道までして遊びに行くようには見えませんぜ。フレーバーがデジタルに追跡してくれているので、こちらはカゲではないけど後を追って中へ入りやしょう。
ST:そうするとですね、フレーバーやオートからの連絡にノイズが入るようになります。この工事中の場所を対象にジャミングが掛かっているのか、セキュリティがかかっているのかもしれませんね。
篤司:極秘裏に開発したい場所なのか? 襲撃が起こるのかもな。
ST:【対象者】高野 和弥君がビクビクしながら中を進んで行くと、数人の男達がフラフラとやってきます。武器を持っているのを隠そうともしていないみたいです。
篤司:仲良く遊ぼうってタチじゃないな。 真偽はわからないが、これは放っておけねぇ。
- 篤司は<DRIVING>「トランクに荷や人を載せて運転する」を使うと宣言して、場にカードを出しました -
篤司:困った事にカードがチグハグなんすよね。
フレーバー:どうするの、それ? もしかして【対象者】か襲撃犯を拉致するわけ(笑)
篤司:デジャヴュすぎやしませんか?(笑) 何を言っているか知りたい人はリプレイ第1回を読み直してみやしょう。
ST:おい、こら。ステマはやめなさい(笑)
篤司:視界に捕えた不審者を見て、思わず溜息を漏らした。出所したばかりなのにもう荒事をしないといけないとは。【対象者】高野 和弥君に対する真偽がわからない段階だと言うのに。両者の行動を見定めながら、ポケットロンで連絡を取った。おや、外部への発信はジャミングされないのか? まさか、『オート』さんが何か仕掛けを施しているのか??
「どうも、ご無沙汰しておりやす。そちらへ預けていた装備を持って来ていただけますか? 後は4重暗号化した起動キーもこちらへ」熱いうねりが全身を満たされていく。そう、これが本当の自分だ。ヤツらへ向かって足を踏み出した。
ST:OKです。って、そのロールプレイだと皆殺ししかねませんよね?
フレーバー:あれぇ、ニッシーってそんなに過激派な人だっけ?
篤司:誰も皆殺しにするなんて言ってないっすよ!? しかし、手札が腐ってるんですよね。
フレーバー:そんな状態で良く<DRIVING>の判定をするって言ったね!?
篤司:カブキのスタイルは持ち合わせちゃいませんが、ギャンブルは嫌いじゃありませんよ
- 篤司は山札からクラブの7とクラブの8を引き、手札からスペードの6を出しました。その後で1枚補充します -
篤司:良い目だ。山引きのカードで判定に成功しやした。次回のキャストはカブキにしようかな。
フレーバー:先の事を考え過ぎてると、鬼ではなくてゲームの邪神様が高笑いするよ。
ST:それは、イヤすぎる!
篤司:「ちょっと、すいませんねぇ。そこの野郎さん方よ」【対象者】の事ばかり見ていたヤツらは、突然呼び止められた事で思わず振り返った。彼らが見たのは、右腕が変形してガトリングが突出した自分……。
フレーバー:こえぇぇぇ!?
篤司:弾はちゃんとゴムスタン弾なので、ご安心を! そして、襲撃者と【対象者】高野 和弥君を隔てるようにヴィーグルが飛び込んできた。そして、アーム付き装甲版みたいなものをいくつも展開する。
ST:まさか、跳弾効果を高めるために!?
篤司:脳筋チャランポランなキャラは、今しばらくお預けしておきやしょう! 数分後、見事に気絶した野郎共を生産完了。さて、【対象者】をどうしやしょうね?
フレーバー:「なに、行き当たりばったり!?」
ST:篤司と中に入ってきたフレーバーを見て、【対象者】高野 和弥君はかなりビビっていますね。おっと、【負の道徳値】が……+2ですね。あと【有利】を1点差し上げます。
フレーバー:ちょっと、ニッシー!? 他にカードなかったの?
篤司:残念ながら、ちょっとこちらの思惑通りに行ってないもんで。 ひとまず【対象者】高野 和弥君はフレーバーのヴィーグルに乗ってもらいましょう。イヤな予感しかしないけど、場所を移動しながら事の次第を彼に説明するしかないでしょうね。
フレーバー:山札引きっていう邪神様の助けを借りると、後で酷い目にあうかも?
ST:それは良い言葉ですね。
ふたり共:え?
ST:こちら側が神業を発動できるタイミングは『【対象者】の道徳値どちらかが1点を上回っている場合』となります。「ストーリーの前半」および「ストーリーの後半」どちらかで1回、クライマックスに2回となります。
フレーバー:…超えてるね?
篤司:ものの見事に超えちまってますね。
ST:そんなわけで、こちらの【負の道徳値】に結びついているスタイルの神業《買収(M&A)》を発動しました。
フレーバー:はぁ!?
篤司:特技の組み合わせがないから、スタイルが判明してもあまり特はないですね。しかし、一体何を……。
ST:突如として、大量の戦闘員が押し寄せる。「西前 篤司、覚悟ぉ!!」と口上を発しながら武器を乱射してますね。
篤司:ちっ、神業で組織を買い取ったんすね。仇討ちが目的となると、これはまた面倒な事に。
フレーバー:えーー、ちょっと何この展開!?
ST:仕舞には、頭上から1台のハーフエクリプスが降ってきた。「こうやって、オレを殺してくれたヤツのリベンジという夢が叶うとは思わなかったぜ!!」というくぐもったような合成音声が聞こえてくる。
篤司:確か……攻殻の○ジ●マもどき。外部コントロールなのか、ブレインボックスを積んでいるのかは謎ですがイジるのに面倒な相手を出しやしたね。
フレーバー:どうしよう、神業使う?
篤司:舞台裏判定のイベントをクリアした場合って、【有利】は貰えやすか?
ST:おっと、そこの説明をしていませんでしたね。イベントを達成できたら【有利】を、失敗したら【不利】を差し上げます。
篤司:じゃぁ、使ってしまいやしょう。どのみち、イベントに失敗したらしたらで【不利】に書き変わっちまう可能性もありますからね。
フレーバー:OK!【有利】を消費して《脱出》を使うよ。「ニッシー、こっちに乗って! 逃げるよ!」
篤司:溜息をついてから店舗型ヴィーグルに乗り込み、必要以上に頑丈なシートベルトを付けやしょう「また、これですかい?」
フレーバー:「特急料金は安くないよ!」コンソールを操作すると、超稼働型ヴィークルへ変形していく。これで逃げ切るってわけ!
篤司:なんという神業演出……。【対象者】高野 和弥君は目を回してそうだな。
フレーバー:そのまま、ハーフエクリプスが落下して来た軌道をなぞるように野外へジャンプ!!
ST:そ、そのまま「物語の後半」へ行きましょうか。未成年を悪墜ちさせてしまうかは、あなた達次第!
篤司:イヤな振りをしないでいただきたい!(笑)
第4回です。いつもならもうクライマックスあたりですが、今回は進行緩やかめでお届けしております。
何せ、さすがにリプレイ3回目なのか……変なネタを入れて来て編集が大変なんですよ!(おぃ
ついに神業の応酬も始まりましたが、お互いに切れる残り神業は同数。
まぁ、本文中にも書きましたが特技の組み合わせが無いのでスタイルが判明するのはそれ程痛手ではないように感じます。
物語の中はいささかごった返していますが、次は「物語の後半」です。
もうそろそろ、クライマックスの内容が決まる運命の時間です。
さて、どうなることやら?
次回更新は23日頃となります。