第7話 ジンジャーティー。
やたら、ダンスに誘われて、閉口する、、、、ご令嬢方は着飾り、赤い唇、きつい香水、、、、気持ち悪くなる、、、
何人かと踊った後、バルコニーに出て大きく息をする。12月のバルコニーはさすがに寒いが、空気は澄んでいる。
何なら、このままバルコニーにいてもいい位なんだが、、、ため息をついて、会場に戻ろうとしたとき、、、、
一人のご令嬢とすれ違った。
(この香り、、、??)
思わず、その子の腕をつかむ。その子の明るい金髪が揺れた。
「え?」
「・・・君、、、、、、」
「どうしたの?マリー?」
「・・・いえ、、、この方が、、、、」
「僕のパートナーに、何か?」
黒髪の青年、、、少年か?に、咎められる。
「・・・・人違いでした、すみません、、」
ゆっくりと、その子を思わずつかんでしまった手を離す。
女の子は、、、黒髪の青年の後ろに隠れてしまった。黄色に近いオレンジ色のふんわりとしたドレスが、揺れる。
その後も、舞踏会はもちろん続いた。僕は、、、、黒髪の青年と踊る、マリーと呼ばれた女の子を目で探した。楽しそうに踊っている。他の男からも誘われているが、その度に、青年の後ろに隠れてしまうようだ、、、、、一度、一曲だけでも踊れないだろうか?
・・・・婚約者だろうか?
他の何人かのご令嬢と踊った後、、、、黒髪の青年が飲み物を取りに行ったらしく、壁際に下がっている彼女を見つけた。
「お嬢さん、、、僕と、一曲お願いできませんでしょうか?」
手を差し伸べると、戸惑いながらも了解してもらえた。
ロンググローブ越しでも、温かい手だ。
次の曲は、、、ゆっくり目のワルツだ。
ステップを踏む。彼女のドレスが、ふわりと揺れる。上手だね、、、
化粧は薄目みたいだ。形のいい唇に、ドレスに合わせたオレンジ系の口紅。
何よりこの香り、、、、君は、、、、誰なの?
俯いて、、、前髪が邪魔で、瞳の色もわからない。明るい金髪はゆるいウェーブ。
あっという間に、一曲終わってしまった。お辞儀をして去ろうとした彼女をバルコニーに誘ってみる。話がしたい。
ふるふると、頭を振る。ダメなの?
にっこり笑って、黒髪の青年のところまで駆けて行ってしまった。
*****
「あ、あの、、ローズさん、あ、あなたが使っている、その、、キンモクセイの香油は、し、市販されているんですか?」
「ないわね。華国にはあるけど。取り寄せは大変よ?本体代より輸送費が高くつくから、よほど余裕のある人じゃないとねえ、、、前にも言ったけど、あの花の香油は花がたくさん必要だから作るの大変なのよ?花自体が小さいでしょ?どうしたの?」
久し振りに来たルーカスが、真面目な顔で話し出すから、何かと思ったわ。
今日は少し寒いから、紅茶に生姜を入れて見た。砂糖3つね。
いい匂い。
「後は、、、華国から仕入れしてる?ところなんかあったかなあ?なにせ、この辺の人たちには馴染みのない香りだから、、わざわざ取り寄せる人、いないんじゃない?」
話しながら、ルーカスの手を取って、包み込んで温めて、軽くマッサージをする。この子の手は冷たすぎる。
最初は恥ずかしがっていたが、今は、少し慣れたのかな?されるままになっている。
「そう、、、、ですか、、、、」
「どうしたの?」
「そ、、、に、似たような香水はありますか?」
「んーーーーどうかなあ、、、そこに、サンプルがあるから、試してごらん。香水はその人のもともと持っている匂いと交じると香りが変わるからね?つけたタイミングとかでも。
お茶の後にしなよ。お茶の匂い、わかんなくなっちゃうから。」
「そ、そしたら、、、、ローズさんに、、、妹とかいますか?」
「?弟ならいるケド?」
「・・・・・」
ルーカスはお茶の後、きっちり20種類もの香水のサンプルを嗅いだ。お疲れ。
*****
春の舞踏会の出席者リストを眺める。
黒髪の青年は、、、今回初めて見た。多分。
あの子の婚約者だろうか?マリーと呼ばれていた。
今回デビュー?デビューの子には印をつけるように言っておいた。
男女合わせて、、、5、6人?
「この中に黒髪の令息はいたか?」
「黒髪、で、ございますか?」
尋ねた侍従長が答える。
「・・・・ああ、、、今回デビューの、ブルクハルト家の御養子の、アルノ様ですかね?かなりご優秀な方らしいですね?」
「・・・・・」
またか、、、、
「その子に、マリーと言う婚約者はいるか?調べてくれ。」
「??はい。」




