第17話 婚約者は足フェチです。
そっと手を握って、温める。ルーの手は冷たすぎるから。
王城から、おじいさまの別荘にルーと来てから、もう一年になる。
私たちは、小さい畑を作ったり、雨の日にはおじいさまの書庫にこもって、本を読んだり、、、、馬で遠乗りに出掛けたり、、、
もちろん、おじいさまの領地の書類が上がってくるので、目を通したり、、、仕事もしている。社交はないが、時折、マリエスから手紙が届く。
あれから、ずっと一緒にいる。
時々、靴と靴下を脱がされて、、、、踵のあざを確認するルー。変態みたいよ?
私たちは、婚約した。
私はおじいさまとの養子縁組を終えて、、ルーカスはブルクハルト家の婿になる。
来年には、領に入る予定でいる。ルーの、、体調次第だが。
アルノは、、、いいんじゃない?と、すんなりマリエスの婚約者になった。3つ下だけど、、、よろしくね?
王位は、第二王子のフリッツが継ぐことになった。教育は十分されている。
陛下は、、、、準備なさっていた。たぶん、、、
第一王子ルシアンは継承権を返上し、、、病気療養。金髪のルシアンは、もういないのだ。
ベットで、ルーの綺麗な銀髪を撫でる。
「本当にきれいね?ルーの髪、、、」
私の膝を折って、、、私の踵を眺めている、、、ねえ?踵と結婚するわけじゃないんだから??
「鳥が、、、飛び立つみたいだなあ、、、って、、木に登るマリーの足をずっと見ていた。ぼ、僕は、、、飛ぶ空が無かったから、、、」
「まあ、ルーカス?」
「・・・赤毛と、この踵と、、、それしか覚えていなかった、、、、あの、、、キンモクセイの香りが、、、い、、いろいろ、思い出させてくれたのかな、、、、マリーの、その金髪は、、、色が変わったの?」
「そうよ。子供のころは薄い茶色だったわね。」
すりすりと、踵を撫でるので、くすぐったい。時々、、、踵に口づけたりしている、、、
「良かったの?あなた、、、頑張ってきたんでしょ?」
「うん、、、、君が身分を気にして、、、好きな色と似合う色は違うって、、、、僕を遠ざけようとしたから。でも、、、僕も、ずっと、、、金髪ではいられない。ぼ、、、僕は、、、」
「いいのよ?逃げてきてくれてありがとう。あなたを見つけられて良かったわ。ね?ルーカス、、、私、あなたが大好きよ?あなたの綺麗な銀髪も大好きよ。」
ルーは、、、私を求めるが、子供が出来ないようにしているようだ、、、
時間が、、、、、まだまだ掛かるのかもしれないわね?
枕の下にあるキンモクセイのサシェから、懐かしい香りがする。
「いつか、、、、母を、、、許せるんだろうか、、、、?」
「あら、許さなくていいと思うわ。たとえ、貴方が許しても、私は許さないわ。」
「・・・マリー?」
「小さくて、何の抵抗も出来ないあなたに、、、あそこまでのことをした、、、、私はそれが誰であれ、許せないわ。たとえ、、、どんな事情でも。」
「・・・・マリー?」
「あなたはもっと、怒ってもいいのよ?あなたのせいなんかじゃないんだから!もっと、、、、もっと、、、、」
「・・・・・」
ルーの手を引き寄せて、頬に当てる、、、涙が止まらない、、、
「あなたのせいなんかじゃない、、、、あなたは、あなたのままでいいのよ?」
*****
ローズマリー、ご機嫌いかが?
アルノがうちの屋敷にきたの。生意気ね?あの子。
いちいちうるさいんだけど、正論だからまいっちゃうわ。まあ、結構気に入っています。
黒髪に緑の瞳も、まあ、、、良い感じかなあ、、、
早速、お父様にこき使われているんだけど、仕事が早いらしく、どこにでも連れて出かけて行ってしまうので、なかなかデートも出来ないわ!
王城からは、正式にフリッツ様が王位を継承する通達が出たわ。
今度、ご令嬢を集めてのお披露目兼婚約者探しのパーティーが開かれるみたいよ?
どんな余興があるのか、、、、楽しみだわね。うふふっ、、、
そちらはどうかしら?
春になったら、ブルクハルトの領に入るのかしら?その前に、一度寄ってね。ご馳走するわよ?義姉様。
あなたの友人 マリエスより
本編、完です。
番外編が続きます。