1.朝の訪問客。
ここから第1章です。
応援よろしくです。
「ホントに、どうしてあんなことに……」
「お兄ちゃん。そんなに深刻そうな顔してどうしたの? ――はっ! もしかして、また誰かにイジメられてるとか!?」
「あぁ、大丈夫だよ飛鳥ちゃん。イジメ『では』ないから」
「そうなの……?」
三人の美少女に取り囲まれた翌日の朝。
ボクは朝食を摂りながら、思わずため息をついてしまった。
すると、そんなこちらを見て妹の飛鳥ちゃんが、思い切り身を乗り出して訊いてくる。凄い剣幕に苦笑いしつつ、やんわりと否定した。
すると妹は、どこか訝しがりながらも引き下がる。
「でも、昨日からずっと悩んでるよね」
「それはちょっとだけ、ね? 授業の範囲が違うから」
「そっか、なるほど」
飛鳥ちゃんはそこでようやく納得したようで、みそ汁を一口すすった。
そして、不意打ちのようにこう一言。
「ところで、彼女はできた?」
「ごふっ!」
ボクは口の中に入れていた朝食を吹き出しかけた。
どうにか堪えて、口元を拭いながら妹を見る。するとそこには、なにかに勘付いたらしい。飛鳥ちゃんの意地悪な微笑みがあった。
「な、なにを急に……!?」
「えー? だって、お兄ちゃんって顔可愛いんだもん。ぜったい、女子から噂されてると思うんだけどな」
「そんなことないって!」
ニコニコと笑う妹。
ボクは半ば強引に話を断ち切るようにして、みそ汁を口にした。
その後に一つ深呼吸をして、心を落ち着かせる。そうしていると、そんなこちらを見て飛鳥ちゃんは首を傾げながらこう言うのだった。
「でも、お兄ちゃんには幸せになってほしいな。そのために私たち家族も、一緒になって引越ししたんだから。高校生活、楽しんでほしい!」
「飛鳥ちゃん……」
「えへへ。私はお兄ちゃんの幸せが、一番うれしいのだ!」
「……ありがとう、ホントに」
無邪気な彼女に素直な感謝を述べる。
思い返してみれば、ボクが転校したいと相談した時に一番味方になってくれたのは、飛鳥ちゃんだった。両親を一緒に説得してくれて、最後にはお父さんの了解を得たのだ。ボクの家族はみんな、ボクを守るために動いてくれた。
改めて、そのことに感謝の念が湧き上がる。
だからこそ、立花学園ではもっと強く生きていかなければならない。
「そうだよね。挫けていられない――ん?」
「誰だろ、こんな朝早くに」
そう思っていた時だった。
玄関のチャイムが鳴る。両親はもう出ているから、対応するのはボクたちということになるのだけれど……。
「飛鳥ちゃんは、朝ご飯食べてて。ボクが出てくる」
「うん、ありがと!」
ひとまず、ボクが応対することにした。
しばしの間を置いてから二度目の呼び出しが鳴ったので、小走りに玄関へと向かう。そして、
「えっと、どなたです――――か!?」
無警戒に、ドアを開けた瞬間だった。
「おはよ! 悠くん!!」
そこには、なぜかクラスメイト。
満面の笑みを浮かべる、安藤菜穂の姿があった。
面白かった
続きが気になる
更新がんばれ!
もしそう思っていただけましたらブックマーク、下記のフォームより★★★★★で評価など。
創作の励みとなります。
応援よろしくお願いいたします!
<(_ _)>




